もののけつながりで網野さんの本をメモしとこ。 農業以外を生業とする庶民を描く日本の中世観は、 網野さんの影響であると言われている。以下、メモ。 日本の中世は自然と人間の関係が激変した時代。 現代に通じる価値の変換期だった。 人々の意識の中で聖なるものへの畏れが薄れ、 都会の消費生活への憧れが増大した。 風土も人の意識もそのまま現代へと通じている。 一方その混乱のなかで生きてきた人々に着目すると、 数多くの非農業民、職人、商人、芸能民、僧侶たちが諸国を遍歴し、 活発な経済活動を展開していた。 そこには政治権力に犯されない、無縁の原理、 いわば、日本的な自由の思想が息づいていた。 女性たちが今日想像する以上に活躍していた。 ところでまったく話は変わりますが、白谷雲水峡のこんな写真をみつけたのだけど、 なんだかちょっと残念な気がしてしまうのは僕だけだろか。 ランドスケープデザインの一環としてサインデザイン。 “環境に溶け込む” ということと、”伝える” ということの両方を 無理なく解決できるデザインの方法はないものだろか。 ここが、「もののけ姫で描かれた森だよ」っていうことを 風景に重ねることなく伝えるデザイン。 あるいは、ニコニコ動画の「コメント非表示」みたいに 見たくない人には予めその選択肢が用意されているデザイン。 あるいは、Googleのターゲット広告のように、 特定の人にだけ情報が伝わるようになっているデザイン。 いろいろ考えさせる、そんな一枚でした。 そういえば、昔、里見くんに見せてもらった サインデザインを集めた本に、 植物の盗掘を防ぐために石に、 赤い字で注意を促すっていうサインがありました。 それ自体がどれくらい効果があるのかわかりませんが、 風景を壊すことなく、盗掘者にだけ伝えるという点で この手法は、よく考えられてるなと思いました。
内容(「BOOK」データベースより)
> 日本が農業中心社会だったというイメージはなぜ作られたのか。
> 商工業者や芸能民はどうして賤視されるようになっていったのか。
> 現代社会の祖型を形づくった、文明史的大転換期・中世。
> そこに新しい光をあて農村を中心とした均質な日本社会像に疑義を呈してきた著者が、
> 貨幣経済、階級と差別、権力と信仰、女性の地位、
> 多様な民族社会にたいする文字・資料の有りようなど、
> 日本中世の真実とその多彩な横顔をいきいきと平明に語る。
> ロングセラーを続編とあわせて文庫化。
参考:
網野善彦 – Wikipedia [Link]
松岡正剛の千夜千冊『日本の歴史をよみなおす』網野善彦 [Link]
極東ブログ: 網野善彦の死 [Link]
網野善彦:批評:ほら貝 [Link]
網野善彦について [Link]
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