舞台は瀬戸内!STU48のミュージックビデオが綺麗!

国内6番目のAKB姉妹グループとして2017年3月に誕生した
『1つの海、7つの県(徳島・香川・愛媛・兵庫・岡山・広島・山口)』の瀬戸内エリアを本拠地とする
AKBグループ初の広域アイドルグループ『STU48』。その劇場は、なんと船上。
歌とダンス・トークから構成される公演を瀬戸内海に浮かぶ船の上で開催していくそうです。
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船の魂を込める船大工の技。瀬戸大橋、与島の船大工

瀬戸大橋の架かる与島(よしま)にいる船大工、辻岡忠治さんに船霊(フナダマ)さんのお話を聞きに行ってきました。フナダマさんとは、古くから日本各地の和船をつくるときに船大工が込める船の魂や守護神のようなもので、多くの漁師さんをはじめとした船乗りの心の支えとなってきました。

地域や船大工さん、漁師さんによって、フナダマさんの中に何をいれているのかや、進水式のときに何回島の周りをまわるなどの習俗が異なります。今回与島で聞いたフナダマさんの特徴をざっくりまとめると、こんなかんじ。

・フナダマさんは女性の神様
・博打好きの神様なのでサイコロを乗せている
・サイコロの向きを示す唄がある「一天地六、表見合わせ、艫(とも)幸せ、櫓櫂ごとごと、中に荷がどっさり」
・フナダマさんを込める時に唱える呪文はさまざま
・紙の人形、12の倍数のお金、サイコロ、お米などをいれる
・小さな四角い箱型や将棋のような舟型などいくつかの形態がある
・嵐の前など「チッチッチ」と鳴る。「フナダマさんがいさむ」といい吉凶の前兆を示す
・潮が8割まで満ちたときにフナダマさんを込める。まだあがる余地があるので演技がいい
など。

このような風習は現代ではもう消えてしまっているかと思いきや、調査してみると様々な証言を得ることが出来たので、瀬戸内アーカイブのメンバーで瀬戸内海各地をリサーチしております。


瀬戸内海の与島の船大工・辻岡忠治さんがつくった船霊(フナダマ)さんを食い入るように見入るこえび新聞・瀬戸内アーカイブのメンバー。木は、ヒノキを使用。箱型ではなく船に見立てた将棋型にしたのは辻岡さんのアイディア。技術は見て盗んで身につけた。
博打性の高い漁師という職能、舟板のすぐ下には死があるため自然への畏怖と敬意の念が強いことから、船乗りは信心深い方が多く、GPSや魚群探知機など多くの最先端の科学技術にたよっている現代の船でも、こうした信仰が残っているのかもしれません。


瀬戸内海、与島にあるバス停「造船所前」

瀬戸内海の美しい風景を描写した最初の西洋人、幕末に日本に滞在したドイツ人医師・シーボルトは瀬戸内海の与島(よしま)の造船所を訪れた記録があります。
参考:シーボルトが訪れた与島のドック – 瀬戸内生業史ノート
参考:西田正憲さんの『瀬戸内海の発見-意味の風景から視覚の風景へ』


瀬戸大橋の架かる与島(よしま)にいる船大工、辻岡忠治さんに船霊(フナダマ)さんのお話を聞きに行ってきました。


数年ぶりにお元気そうな姿をみられて嬉しい。
ご兄弟で石の運搬船など多くの船をつくってきたという辻岡さん。


「船おろし」と呼ばれる進水式の様子。大漁旗をかかげて餅投げをしているのがわかります。詳細は、雑誌「せとうち暮らし vol.13」の乗松めがねを御覧ください。 提供:与島の船大工辻岡忠治さん 撮影:1961〜63年(昭和36〜38年)


与島の船大工、辻岡さんの工場を見学させていただきました。


数年前に訪れて依頼、久しぶりにお会いしましたがお元気そうで嬉しかったです。
まるで、落語の噺家(はなしか)さんのように、これまで出会った人や
和船を作る時の心内などを物語調で話してくださいました。すごい。


もう今はこの工場にあるような技術で船をつくることはできんだろうな、と辻岡さん。


これまで多くのものを生み出してきた船大工の手。働きさえすればお金にはこまらない手相だと、手のひらをみせてくれる与島の船大工、辻岡さん。「それなら年金なんていらんわって思って解約したら倒れてしもてな。算段が外れたわ」と笑って話す。


船に見立てた将棋の形のフナダマさん。船に固定しやすい板付きのものや、箱型のものもあります。
夏に発行予定の瀬戸内国際芸術祭・こえび新聞の『瀬戸内アーカイブ』コーナーをお楽しみに。


最後に「フナダマさんの魂はどこからやってくるのですか」と聞くと、「それはな船大工が込めるんやそれが技や」と話す辻岡さんの目は輝いていました。

瀬戸内海の発見―意味の風景から視覚の風景へ (中公新書)
西田 正憲
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豊かな島、豊島をあるくみるきく

船舶免許合宿のつづいて今週も豊島。14年かけて無害化処理が完了した日本最大の産業廃棄物事件に関わった島民の皆さんの声を聞いて歩いております。一つの事件ですが、関わった人の視点によって見え方が様々なので、できるだけ多くの人の立場から話を聞くようにしております。
多くの心に残る言葉を豊島の皆さんから頂きましたが、特に印象的だったのは、「これまで日本中の多くの人のお世話になった。そういう方々への感謝の気持ちを忘れてはいけない。それが一番大切。」という豊島住民会議の元議長・砂川三男さんの言葉でした。
川廷 昌弘 (Masahiro Kawatei)さんがさっそく記事にしてくださいました。

学びの島、豊島へ: 松韻写真日記

瀬戸内の船霊(フナダマ)さんをアーカイブ

夜は、高松港近くこえび隊事務所で瀬戸内アーカイブの打ち合わせ。次号は『#瀬戸内フナダマさんアーカイブ』
和船に積んでいる舟の精霊、船霊(フナダマ)さんが現代でも微かに漁師の間で信仰が残っていて、瀬戸内でこれまで出会った船大工さんたちの年齢的にもフナダマさんについて聞ける最後のタイミングなのではないだろうか。
皆様からのフナダマさん情報をお待ちしております。

瀬戸内海の豊島で船舶免許を取りました!

豊島のウサギニンゲン夫妻の呼びかけで、全国から集まったおじさん5人。3泊4日の合宿を経て、無事に全員『二級小型船舶操縦士』の資格を取得できました!
20t未満の船で、平水区域(湖、川、港湾など)と、沿岸から5海里(9.26km)を航行することができます。瀬戸内海ならほぼ全域カバー。
瀬戸内海や四国各地の食にまつわる風景を撮影•記録しているのですが、これからさらに物語を届ける旅の幅が広がります!

I got SMALL VESSEL OPERATOR LICENSE at Teshima island, Seto Inland Sea, Japan.

山口県熊毛郡田布施町『後井古墳(ごいこふん)』

雑誌『せとうちスタイル』 のメンバーと瀬戸内海の古墳調査。
山口県熊毛郡田布施町にある『後井古墳(ごいこふん)』。6世紀末から7世紀初頭の横穴式石室あるの古墳です。山口県指定史跡。

雑誌『瀬戸内スタイル』創刊しました!

瀬戸内スタイル。まもなく完成。私も、瀬戸内の『食のランドスケープ』について連載しております。最新号は、岡村島よりお届けします。 続きを読む 雑誌『瀬戸内スタイル』創刊しました!

アートの島、豊島(てしま)のウサギニンゲン劇場 Teshima Usaginingen Theater

2017年4月1日から土・日・月曜。11:00と13:00の一日二回公演が開催されます。
The Usaginingen theater open 11am-13pm Saturday Sunday and Monday from 1st April.

今年の冬、ベルリンから帰国した香川県丸亀市出身のアーティスト、
ウサギニンゲンの平井夫妻が、瀬戸内海の豊島に移住しました。
どの島に移住するか探し歩き、住めそうな空き家を探し歩く、
どうやったら移住できるかまったくの手探りの状態から取材させていただいています。
そして、豊島の方のご好意があって、唐櫃の清水近くの倉庫を借りることができ、
香川県の島、豊島にウサギニンゲン劇場がオープンしました!
豊島美術館とあわせて、ぜひ足を運んでみることをオススメします!

ウサギニンゲン劇場
場所:香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃 1285 [Google Maps]
電話:090-5769-9010
メール:info@usaginingen.com
会館情報は、Facebookページをご覧ください。

Usaginingen Theater at Teshima island
Address : 1285 Karato, Teshima island, Shozu-gun, Kagawa pref., Japan [Google Maps]
Tel : 090-5769-9010
Mail : info@usaginingen.com
Information : Facebook page

2016年4月30日
ベルリンから瀬戸内海の豊島(てしま)に移住したアーティスト夫婦ウサギニンゲンさんの島くらしを取材させていただきました。畑をする合間に「ウサギニンゲン劇場」に通いパフォーマンスをする日々。そこで出会った濃い島民のみなさんとのエピソードを、ご飯を食べながらたくさん伺いました。この島での暮らし、二人の生き方そのものが等身大のアートと言えます。


受付は、ウサギニンゲンの奥さん、平井絵美さん。
島のお母さんに遭遇したら「あれなんとまあ。可愛いこと」と撫で回されてました笑。
島に移住してきて数ヶ月ですが、すでに有名人のようです。


さっそくお客さんがたくさんこられていました。


チェコの人形。
ヨーロッパ滞在中に各地で買ったランプや人形が
不思議なウサギニンゲン空間を演出しています。


ランプ


オリジナルの楽器


普段のライブよりお客さんとの距離が近く、
島での暮らしなどいろんなお話を聞くことができるのも
ウサギニンゲン劇場の醍醐味です。


こちらはオリジナルの映像装置


この日は、奥さん、絵美さんの誕生日だったので
壇山の岡崎公園にて記念撮影。最高の眺めです。


東洋オリーブさんのオリーブ園。その向こうに屋島と大島


豊島の南側にある甲生(こう)の集落がみえます。
スプツニ子さんや、大竹伸朗さんの作品はこの集落にあります。


男木島の灯台も見えています。


畑のある暮らし。海のある暮らし


ライブの合間に、家に泊めてもらい
島での暮らしを撮影させていただきました。
畑ではハーブや野菜を育てています。


楽しそう


庭に生えてきたイタドリ。豊島では「ハイタ」とか「スカンポ」と呼ばれています。


台所からみえる景色


キッチンからみえる照葉樹林の山も初夏らしい色になってきました。


焼きたてのパン


キッチンの窓の向こうがすぐに畑になっているので、
旦那さんが採った野菜を、キッチンの奥さんに渡して朝ごはんをつくっていました。
田舎ならではの光景。


採れたての野菜でサラダを作って庭で朝ごはん


絵美さんのつくるご飯。どれもとっても美味しかった!


たけのこご飯


ニンジンと柑橘のサラダ


大根と鶏肉。
島に来てから奥さんの料理が和食中心になったそう。
豊島の雰囲気から湧くインスピレーションが和食なのでしょう。


山椒は庭から


神棚の神様にご飯をあげて頂きます。


夕方になったら焼き芋を放り込んだ
焚き火囲んで談笑

自作の映像機と楽器を使った、映像と音楽のライブパフォーマンスユニット、usaginingen (ウサギニンゲン)です。主な活動場所は芸術祭、映画祭、音楽祭や学校教育機関などで、Fusion Festival[ドイツ], Vision’R Festival[フランス], roBOt07 Festival[イタリア], Flatpack Film Festival[イギリス], Antimatter Media Art[カナダ], Barents Spektakel[ロシア]等で公演しています。 2014年に, アイスランドで行われた、Reykjavik Visual Music Punto y Raya Festival のライブシネマ部門でグランプリを受賞。これまでに17カ国45都市で公演。 (2016/2現在)
2010年より6年間ドイツ・ベルリンを拠点として活動。2016年から瀬戸内海の香川県豊島に拠点を移す。

Hello! we are usaginingen is a duo of artists, Shinichi Hirai and Emi Hirai. “Usagi” means “rabbit” and “Ningen” means “human” in Japanese, so “Usagi+Ningen” together makes “rabbit human”. We perform as an audio/visual artist duo, with visual and music equipment we have invented. The aim of our production is to surprise and capture the world through our own filter.
We have performed at international music, art, Film festivals and educational institutions, including Fusion Festival[DE], Vision’R Festival[FR], roBOt07 Festival[IT], Flatpack Film Festival[UK], Antimatter Media Art[CA] and Barents Spektakel[NO,RU]. In 2014, We are awarded the Iceland Reykjavik Visual Music Punto y Raya Festival in the Live Cinema category. We have performed 17 countries 45 cities (as of February 2016)

瀬戸内を眺める絶景のかんきつ農園。岡村島

瀬戸内海の岡村島の柑橘農園を撮影させて頂きました。広島県呉市のとびしま海道の終着点でありながら、みかんの国、愛媛県今治市に所属する島ということもあり柑橘の種類が豊富。甘平、せとか、はるか、文旦、不知火、ぽんかん、ネーブル、清見、甘夏。多種多様な色の柑橘が島を彩っています。

島根県隠岐諸島の海士町で知り合った佐野佐知さんが結婚・出産して故郷の瀬戸内海の岡村島(愛媛県今治市)に帰っているとのことで数年ぶりにお会いでき、お母さまに島の農園を丁寧に案内していただきました。(以下取材メモ。)

対岸に大崎上島や呉市街が見える島の北側の柑橘農園。お母さんが子どもの頃は、早朝、まだ暗い時間から農園に父親と行き、火を焚いて日の出を待ち、農作業を手伝っていたのだそう。今は農道が整備されて車で荷運びができるけど、それまでは人力で収穫した柑橘を斜面にぽつんと建つみかん小屋に運び熟成させそれを出荷していました。

索道(さくどう/ロープウェイのような運搬用ケーブル)やモノラック(モノレールのような農業機械)が導入されて農作業はだいぶ楽になりましたが、その苦労は想像に容易いです。しかし、それでも赤土の畑と潮風のお陰で昔からこの地域の柑橘は特別に美味しいと知られていたそうです。

島内の狭く湾曲した道は、昔は半分は小川が流れていて、子どもたちの遊び場でした。その道を大八車(だいはちぐるま)にみかんをいっぱい乗せて運んだのもいい思い出。若い頃は島から出ていきたいという気持ちもあったとか。この農園を案内したある方に「こんなに綺麗な景色は他に見たことない」と絶賛されてとても嬉しかったと、お母さん。

映画『この世界の片隅に』で主人公のすずが、白波が立っている瀬戸内の風景を跳ねるうさぎに見立てて描く絵が印象的です。この日は寒波がやってきて、映画の舞台の呉の街を望む瀬戸内には「波のうさぎ」が飛び跳ねていました。お父さまと寒い冬に火を焚いた朝、子どもの頃のお母さんの瞳には飛び跳ねる白いうさぎが映っていたかもしれません。

地域おこし協力隊で島に入られたご夫婦が独立して『まるせきカフェ』を運営しながらロバのボーノのいる農園でケーキの柑橘などをつくられています。カフェは島人の憩いの場所になっており、この日も島のお母さん達が楽しそうにお話していました。案内してくださった佐知ちゃんのお母さんは島の音楽の先生だったこともあり、定期的に『うたごえサロン』を開催。楽器なしで懐かしい音楽や、「関前みかん小唄」「岡村島音頭」などの島唄をみんなで歌う大人気の企画になっているのだそう。
この日は毎年2月11日に行われる『姫子島神社弓祈祷』の前日。雪が降る中、多くの人が忙しなくお祭りの準備に追われていました。この祭りには、もう10年近くニューヨークから参加しにこられる方がいらっしゃるのだそう。

岡村音頭と関前みかん小唄♪♪|茜色のブログ まるせきカフェ

関前みかん小唄

①関前よいとこ みかんのでどこ
山に黄金の 山に黄金のひがはえる
ソレ チョッキリ チョッキリ チョッキリサ

②沖の千里も みかんの香り
流れ雲さえ 流れ雲さえ ふりかえる
ソレ チョッキリ チョッキリ チョッキリサ

③月もおぼろの 観音崎は
忍ぶ恋路の 忍ぶ恋路の 花みかん
ソレ チョッキリ チョッキリ チョッキリサ

④小大下石山 真白い肌と
みかん摘む娘の みかん摘む娘の 玉の肌
ソレ チョッキリ チョッキリ チョッキリサ

⑤男度胸の 船出の唄は
あれは丸関 あれは丸関 みかん船
ソレ チョッキリ チョッキリ チョッキリサ

⑥灘の苦労も しばしの程よ
やがて嬉しい やがて嬉しい みかん島
ソレ チョッキリ チョッキリ チョッキリサ

⑦丸くおさめて みかんのように
晴れて楽しい 晴れて楽しい 新世帯
ソレ チョッキリ チョッキリ チョッキリサ

関前諸島 – Wikipedia

関前諸島(せきぜんしょとう)は、岡村島、大下島、小大下島の3島からなる、瀬戸内海中部の諸島。芸予諸島の一部をなし、愛媛県今治市に属する。2005年1月の市町村合併までは3島で越智郡関前村を構成していた。

今治港の北西約17kmにある。北に広島県の大崎上島、西に大崎下島があり、地理的に広島県に近い。岡村島が中心的な島で、今治市関前支所(旧・関前村役場)がある。岡村島はクロツバメシジミの生息地が存在することで知られる。
岡村港、小大下港、大下港には、フェリー発着可能な乗り場が整備されている。岡村島は安芸灘とびしま海道にて、本州と陸路でつながっている。愛媛県へは直接つながってないため、夜間や荒天時は実に17本もの海上架橋を通過する必要がある。他の2島は離島である。広島県の大崎上島や、愛媛県の大三島への架橋構想がある。

【3/4高松ソレイユで上映開始】広島県・呉を舞台にした映画『この世界の片隅に』

2017年3月4日(土)から香川県高松市の映画館『ソレイユ』にて上映が開始します。

第二次世界大戦前後の広島県・呉を舞台にした映画『この世界の片隅に』

こんなご時世だから世界中すべての人に見てほしい映画。
『二度とこんな戦争したくない。』『どうしたら、この戦争は避けることができたのだろうか』
と考え込んでしまうのと同時に、
普通の日常のちょっとした煌めきが愛おしくなるそんな映画です。

特に主人公が描いた、ウサギの跳ねる瀬戸内海の風景の絵はとても印象的です。

全国拡大上映中! 劇場用長編アニメ「この世界の片隅に」公式サイト

ものがたり
18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。

夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。

ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。
またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。

片渕須直 監督・脚本
アニメーション映画監督。1960年生まれ。日大芸術学部映画学科在学中から宮崎駿監督作品『名探偵ホームズ』に脚本家として参加。『魔女の宅急便』(89/宮崎駿監督)では演出補を務めた。T Vシリーズ『名犬ラッシー』(96)で監督デビュー。その後、長編『アリーテ姫』(01)を監督。TVシリーズ『BLACK LAGOON』(06)の監督・シリーズ構成・脚本。2009年には昭和30年代の山口県防府市に暮らす少女・新子の物語を描いた『マイマイ新子と千年の魔法』を監督。口コミで評判が広がり、異例のロングラン上映とアンコール上映を達成した。またNHKの復興支援ソング『花は咲く』のアニメ版(13/キャラクターデザイン:こうの史代)の監督も務めている。

僕は、アニメの中で普通の日常生活の機微を描きたいと思っています。『この世界の片隅に』は、戦争が対極にあるので、毎日の生活を平然と送ることのすばらしさが浮き上がってくる。「日常生活」が色濃く見える。ふつうの日常生活を営むことが切実な愛しさで眺められる。これはたしかに自分がチャレンジしてみるべき作品だと強く思いました。
僕は常々、自分たちが作れるのは映像まででしかなくて、「映画」として完成するのはお客さんの心の中でなのだと思っています。枠に切り取られた映像でしかないものの外側まで感じられれば、お客さんの心の中でどこまでも拡がっていける映画が作れると思うんです。リアリティを追求することは、世界を限定することではないんです。逆に、その世界が存在すると感じられ、見えている以外にあるものを想像力で感じられるようになると思っています。

こうの史代 原作
マンガ家。1968年広島県出身。1995 年『街角花だより』でデビュー。2004年に発表した『夕凪の街 桜の国』で第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞と第9 回手塚治虫文化賞新生賞を受賞。「漫画アクション」(双葉社)に連載された『この世界の片隅に』(07~09)は、第13 回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、「THE BEST MANGA2010 このマンガを読め!」第1位、「ダ・カーポ特別編集 最高の本!2010」マンガ部門第1位を獲得。その他の主な作品に『長い道』、『ぴっぴら帳』、『こっこさん』、『さんさん録』、『ぼおるぺん古事記』、『日の鳥』など。

『この世界の片隅に』は、いつの間にか、こんなにたくさんの素敵な出会いを重ねていました。皆様に出会えたこの作品は、わたしが思うよりずっと強運で、幸運でした。これからも周りに育まれながら、わたしの知らない大海へ乗り出してゆくのだな、と誇らしく思います。 「戦争もの」は難しいテーマだと思いますが、なるべくたくさんの人が語り、語る口も手も多いほうがいいと思っています。描き手によって切り口が違ってくると思うので、より多様なものが生まれるはずです。今度のアニメーションも、またちょっと切り口の違うものになると期待しています。マンガは基本的に一人で読むものですが、映画になるとたくさんの人と一緒に見ることができる。話すことのきっかけになる。いろんな世代の人と一緒に来て、共有していただけたら嬉しいですね。

この世界の片隅に – Wikipedia
こうの史代の出世作となった『夕凪の街 桜の国』に続いて「戦争と広島」をテーマに描いた作品である(ただし『夕凪の街 桜の国』と異なり、主要な舞台は広島ではなく近隣の軍港・呉に設定されている)。2006年初めから翌2007年初めにかけて発表した戦前期(1930年代)の広島を描いた3編の読み切り短編作品(いずれも主人公・浦野すずの幼少時がテーマとなっている)に続いて、『漫画アクション』誌上に本作の連載が開始されることになり、2008年1月にはコミックス単行本(上巻)が刊行された。こうのにとっては通算7本目の単行本化作品となる。
本作品のストーリー本編は1943年(昭和18年)12月、すずが周作と出会い翌年2月に2人が祝言を挙げるところから始まるが、コミックス化に際して上記の3編も本編のプロローグ部分として上巻に同時収録された(目次の配列はストーリー上の時系列に沿っている)。初出掲載時とコミックスでは、各回ごとに(「18年12月」というように)昭和元号により舞台となる時期(年・月)を示すサブタイトルが付されている(ただしプロローグの3編については初出時に時期設定が明示されていなかったため、コミックス収録時に新たに付された)。また、初出掲載時は「昭和」と「平成」の元号を介して年月が一致するように連載されていた(例:作中が昭和20年3月の場合、平成20年3月発行の誌上に掲載)。
登場人物は元素の周期表を参考に名付けられている(例:すず=スズ、周作=臭素)。
フランスで『Dans un recoin de ce monde』、台湾で『謝謝你, 在這世界的一隅找到我』として刊行されている。英語版は存在しないが、『In This Corner of the World』という英語題名が原作漫画・アニメーション映画版に共通のものとして設定されている。

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