岡山県牛窓、鹿忍(かしの)地区。江戸時代、1709年(宝永6年)には大規模な塩田がつくられていた記録がある地域です。塩の満ち引きを利用し海水を汲み入れる入浜式塩田があり、近代化により塩田は閉鎖されました。その地域に、1980年頃にオープンした『鹿忍(かしの)グリーンファーム』という名のリゾート施設。テニスコートやプールやゴルフ練習場が整備されていましたが、現在は水没してペンション群の屋根や街灯の上部だけがみえており、多くの水鳥が生息しています。

Kashino district, Ushimado, Okayama Prefecture. There are records of large-scale salt fields being built in the area as early as 1709 during the Edo period (1603-1868). The salt fields were closed due to modernisation. A resort facility named ‘Kashino Green Farm’ opened in the area around 1980. It used to have tennis courts, a swimming pool and a driving range, but it is now submerged, with only the roofs of the pensions and the tops of the lampposts visible, and is home to many waterbirds.

グリーンファーム跡(水没ペンション村)
住所:岡山県瀬戸内市牛窓町鹿忍830 [Google Map]

Ruins of Green Farm (Submerged Pension Village)
Address: 830, Shikanobusa, Ushimado Town, Setouchi City, Okayama Prefecture [Google Map]

2022年07月17日撮影

丘の上に建物がみえています。ペットと泊まれるペンション、『モッキングバード』


ひまわり畑


黒島


ヴィーナスロードとしても有名な島です。ヨットが停泊しているのがわかります。


海との間の防波堤


水没した建物群が見えます。


屋根の形状は、カナディアンシーダーハウス。屋根と壁面が連続した一体のものとなるゴシックアーチ型の独特の構造をもつ木造建築の様式。日本では、林友グループが、カナデアンコーヒーハウスとして1970年代から西日本を中心にこの形状の建築の喫茶店が展開しており、現在も残っています。


水没しているコンテナハウスとネット


テニスコートの柵。鳥がとまっています。


対岸の岩礁。岡山大学 臨海実験所があります。


灯籠でしょうか


鵜(う)


鳥の巣


パノラマ


2007年05月23日(国土地理院)


2016年11月12日(国土地理院)


1985年04月17日(国土地理院)

グリーンファーム跡(水没ペンション村)
住所:岡山県瀬戸内市牛窓町鹿忍830 [Google Map]

Ruins of Green Farm (Submerged Pension Village)
Address: 830, Shikanobusa, Ushimado Town, Setouchi City, Okayama Prefecture [Google Map]

牛窓港 – 岡山県ホームページ(港湾課)

牛窓港は、岡山県東部の瀬戸内市南端に位置し、中東部の牛窓地区と西部の鹿忍地区があります。
 牛窓地区は、唐子の瀬戸とも呼ばれ古くから瀬戸内の要港として利用されて、江戸時代から木造船の町として有名であったばかりでなく、朝鮮通信使一行や参勤交代の往来の際の停泊港としても重要な役割を果たしてきました。岡山藩も異国船遠見所や高灯籠などを設置し海上警備や港湾整備に力を注ぎました。
 現在でも造船業や漁業、観光レジャー産業を中心とする地場産業の拠点となっており、島嶼部への連絡港として生活資材や建設資材も扱われています。
 鹿忍地区は、かつては円形の港を天保年間に干拓を行って塩浜として使用し、生産した塩の積出しで賑わいましたが、近代施設を備えた製塩工場建設のため塩田は閉鎖されています。現在は、入湾のための避難港としての利用が多く、東側の水尾(塩田に海水を引き込んだ水路)跡が漁業船の船だまりとしてよく利用されています。
 牛窓港近辺にはペンションやリゾートホテルなどが建ち、県外からの利用客も訪れています。また、港内にはヨットを対象とした公営マリーナの牛窓ヨットハーバーもあり、温暖な気候や風光明媚な地であることを生かしたレクリエーション港として期待が高まっています。

広報誌うしまど(1984年) – PDF

牛窓地方は気候的、地形的に塩の生産に適していることから、近世になると入浜式塩田が開発され、牛窓の塩田でとれる「鹿忍塩」は”潔白美味也”として、播州赤穂の塩とともに、全国的にその名を知られていま した。昭和27年には製塩事業の近代化をはかるために流下式塩田法(枝条架を併用)を採用。現在はさらにイオン交換樹脂膜製塩法に移行して塩田は廃止されています。