明治時代、銅と弁柄(べんがら / 酸化鉄顔料)の産地として繁栄した岡山県高梁市成羽(なりわ)町吹屋。この町に、約150年前の明治時代に建てられ木造校舎『吹屋小学校』があります。1873年(明治6年)に開校し、2012年(平成24年)3月に児童の減少により閉校するまで139年間、日本最古の現役の木造校舎として活躍しました。老朽化が進んだため2015年から約9億8600万円かけて保存修復工事が行われ、2022年3月に校舎の保存修理工事が終わり一般公開されました。岡山県の重要文化財に指定されています。

Built approximately 150 years ago in the Meiji Era (1868-1912), ‘FUKIYA Elementary School’ in Takahashi, Okayama Prefecture, opened in 1873 and remained Japan’s oldest active wooden school building for 139 years until March 2012, when the school closed due to a decline in the number of pupils. Due to its advanced age, conservation and restoration work was carried out from 2015 at a cost of approximately JPY 986 million, and the school building was opened to the public in March 2022 after conservation and repair work was completed. It is designated as an important cultural asset by Okayama Prefecture.

旧高梁市立吹屋小学校
住所:岡山県高梁市成羽町吹屋1290-1 [Google Map]
時間:10:00〜16:00
料金:大人500円

Former Takahashi Municipal Fukiya Elementary School
Address : 1290-1, FUKIYA, Naruha-cho, Takahashi, Okayama [Google Map]
Opening hours : 10:00-16:00
Fee: Adults 500 yen

2022年4月23日撮影


吉岡銅山のトロッコ車両。


瓦屋根


講堂


天井の曲線が印象的です。


教室



教壇


100年オルガン


外気口


階段


廊下


椅子


木製看板


縦にスライドする窓


金具


廊下との開口


模型


三間廊下


看板


開口部


基礎の石

旧高梁市立吹屋小学校
住所:岡山県高梁市成羽町吹屋1290-1 [Google Map]
時間:10:00〜16:00
料金:大人500円

Former Takahashi Municipal Fukiya Elementary School
Address : 1290-1, FUKIYA, Naruha-cho, Takahashi, Okayama [Google Map]
Opening hours : 10:00-16:00
Fee: Adults 500 yen

日本遺産『ジャパンレッド』発祥の地 〜弁柄と銅の町・備中吹屋〜
JAPAN RED 備中吹屋

旧吹屋小学校校舎は、銅山と弁柄(べんがら)製造が隆盛していた明治時代後期に建てられました。天井裏に造作されたトラス構造など、擬洋風建築独特の特徴がみられ、岡山県の重要文化財に指定されています。かつては「現役最古の木造校舎」として話題になりましたが、2012年(平成24年)に閉校となりました。学校の敷地は、江戸時代の銅山役所跡、明治時代の本部事務所跡にあたります。

The former Fukiya elementary school buildings were constructed in the latter part of the Meiji period (1868-1912), when the copper mine and red iron-oxide production industry were flourishing. The school buidings have features of Western-style architecture, such as an arrangment of trusses supporting the roof. They have been designated as an Important Cultural Property of Okayama Prefecture. At one stage, they attracted public attention as the oldest wooden school buildings still in use for rheir original purpose; however the mine during the Edo period (1603-1868), and the administration building of the mine during the Meiji period.

高梁市 – Wikipedia

市の北側に位置する成羽町吹屋地区はかつて銅山とベンガラの巨大産地として繁栄を極め、現在もベンガラ漆喰壁や格子と赤銅色の石州瓦の家々が並ぶ赤い街並みなどがみられる。2020年に吹屋地区にまつわる一連のストーリーは「ジャパンレッド」発祥の地~弁柄と銅の町・備中吹屋~として日本遺産に認定された。

旧吹屋小学校 – 高梁市公式ホームページ

2012年(平成24年)3月まで現役の木造校舎として国内最古とされていた、旧吹屋小学校(県指定重要文化財)。 1873年(明治6年)に開校し、1899年(明治32年)に吹屋尋常高等小学校と改称して、現在の場所に移転、1900年(明治33年)には木造平屋建の東校舎・西校舎が落成しました。 

高梁市立吹屋小学校 – Wikipedia

高梁市立吹屋小学校(たかはししりつ ふきやしょうがっこう)は岡山県高梁市成羽町吹屋にあった市立小学校である。児童数減少により2012年(平成24年)3月末に閉校となった。閉校後は旧吹屋小学校と呼ばれる。 20世紀初頭に建てられた擬洋風校舎は、2003年(平成15年)に県指定重要文化財(建造物)となり、現役日本最古の小学校校舎として知られていた。閉校後の校舎は、文化財として耐震強化を含む解体修理が2015年(平成27年)に着手され、2022年4月21日に観光施設として開館した。

開校と校舎
吹屋小学校は1873年(明治6年)に開校した。1899年(明治32年)に吹屋尋常高等小学校として現在地に移転し、1900年(明治33年)に西校舎・東校舎(木造平屋建)、1909年(明治42年)に本館(木造2階建)が竣工。東西校舎2棟が並列する本館玄関を中心とする左右対称配置である。各棟とも寄棟造、下見板張りで、窓は引き違いになっている。

本館は17間(30.9 m)×8間(14.5 m)の正面(南西面)中央に玄関ポーチが張り出す。竣工時、玄関ポーチは無く、建物正面の屋根にドーマーがあった。玄関を入った中央廊下の左に校長室、右に職員室、これらの外側にそれぞれ教室(5間×4間)があり、廊下突き当りに本館を左右に貫く幅3間の屋内運動場がある。この空間は『3間廊下』と呼ばれ床は板張りだが、かつては土間だった。また、2階の床を支えるトラスが天井に露出する。屋内運動場両端には2階への階段があり、東西校舎への廊下が繋がる。本館2階は中央に講堂(7間×8間)、左右にそれぞれ教室がある。東校舎は西側に廊下、東側に3つの教室が並び、西校舎は体育館として広い空間を持つ。トイレは西廊下北側にある。

延べ面積は本館766.75 m2、東校舎272.21 m2、東廊下34.62 m2、西校舎207.43 m2、西廊下39.75 m2である。

校舎が建てられたのは、吹屋が銅山とベンガラにより栄えると共に、全国的に就学率が向上し、学校規模が大きくなった明治中期[10]である。二重折上棹縁天井などの手の込んだ意匠、100年を経て現役使用に耐えた部材・構造であることなど、当時の吹屋を象徴する建造物ともいえる。その特徴的な構造は『江川式建築』であるとされ、江川三郎八の設計であるか、もしくはその影響を強く受けていると推測されている。

銅山は近世以前の開坑であり、伝承では807年(大同2年)に採掘が始められ、室町時代に銀山から銅山になった。江戸時代には幕府が請山として開発、天保期に産出高が急増した。しかし、明治維新により銅山は衰退、坑道が水没して上層部でのみ採掘が行われていた。1873年(明治6年)、三菱の経営による近代化が始まり、明治末期に最盛期を迎え、1908年(明治41年)の従業員は1263人。小学校の敷地は1898年(明治31年)に三菱商会が寄付した。ここは、銅山事業施設を西方大字坂本に集約したときの事務所跡地である。1901年(明治34年)に町となった旧吹屋町の人口は大正中期頃5000人余だったが、1931年(昭和6年)に休山し、その後は、衰退が進んだ。 また、この地域では、銅採掘に付随して得られた硫化鉄を原料とするベンガラ生産が江戸時代から1974年(昭和49年)まで行われた。周辺にはベンガラで財を成した西江邸、広兼邸、旧片山家住宅をはじめとする旧家の建造物や、古い町並みが残る。これらの建造物や小学校には石州瓦系の塩田瓦が使われている。

2003年(平成15年)3月11日に本館・東校舎・東廊下が県指定重要文化財(建造物)となり、翌年2004年(平成16年)3月12日に西校舎・西廊下が追加指定された。閉校後の2013年(平成25年)3月1日、「旧吹屋小学校校舎」に名称が変更された。