Yahoo! Japanの「HealthData Lab(2020年9月サービスを終了)」のビックデータを活用した東京大学の大橋順教授らの遺伝子研究が興味深いです。下の図は、都道府県別、縄文人・渡来人由来のゲノム比率です。各都道府県あたり50人のゲノムデータを解析し、縄文時由来と渡来人由来のゲノム比率の違いを可視化したものです。縄文人由来のゲノム成分が多いのは沖縄・九州・東北。渡来人(中国・漢民族)由来のゲノム成分が多いのは近畿・北陸・四国。特に四国は島全体で渡来人由来の比率が高いです。九州北部では上陸後も渡来人の人口があまり増えず、四国や近畿で人口が拡大したと考えられています。

The origin of the Japanese people is wrapped in mystery. ”Jōmon people” is the generic name of several peoples who lived in the Japanese archipelago during the Jōmon period (c. 14,000 to 300 BCE). Today, most Japanese historians agree on the possibility that the Jōmon were not a single homogeneous people, but instead consisted of multiple heterogeneous groups.

The genetic research by Professor Jun Ohashi of the Tokyo University using big data from Yahoo! Japan’s “Health Data Lab” is interesting. Analysis of the genome data of each prefecture revealed that Shikoku has a high proportion of migrants.

東京大学大学院理学系研究科ヒトゲノム多様性研究室
東京大学大学院理学系研究科ヒトゲノム多様性研究室

| 都道府県別、縄文人・渡来人由来のゲノム比率
各都道府県あたり50人のゲノムデータを解析し、縄文時由来と渡来人由来のゲノム比率の違いを可視化。
左)ゲノムワイドSNP頻度データを用いた47都道府県に対する主成分分析
右)第一主成分(PC1)の値によって都道府県を色分けした図
【出典】ヤフー株式会社「HealthData Lab」/東京大学の大橋順教授/東京大学大学院理学系研究科ヒトゲノム多様性研究室

渡来人は四国に多かった? ゲノムが明かす日本人ルーツ

研究内容 | 東京大学大学院理学系研究科ヒトゲノム多様性研究室

-日本人集団の形成過程-
私たちは、日本列島人の起源や日本人集団の形成過程について調べています。アイヌ人、琉球人、本土日本人(アイヌ人と琉球人を除く日本人)のゲノムワイドSNP解析によって、本土日本人と韓国人とは近い関係にあることが分かりました。これは、弥生時代に朝鮮半島経由で日本列島へ移住した人々(渡来人)の子孫が現代本土日本人の主体であることを反映していると思われます。 また、Y染色体の解析から、縄文時代晩期から弥生時代にかけて、縄文人(男性)集団の急激な人口減少と人口増加が起きていたことがわかりました。現在は、47都道府県を対象にしたゲノムワイドSNP解析によって、日本列島内での縄文人と渡来人の混血過程について調べています。

ゲノムワイドSNP頻度データを用いた47都道府県に対する主成分分析の結果(左)と第一主成分(PC1)の値によって都道府県を色分けした図(右)。右図では、沖縄県は除いてある。青色が濃いほど沖縄県と遺伝的に近く、オレンジ色が濃いほど遠い。沖縄県に近い県は東北地方と九州地方に多く、遠い県は近畿地方と四国地方に多い。また、近畿地方や四国地方の県は遺伝的に中国・漢民族と近かった。琉球人と縄文人は遺伝的に近縁であり、渡来人は現代の中国人と祖先を共有していると考えられることから、渡来人の遺伝成分は近畿地方や四国地方により多く残っている思われる。大陸から来た渡来人の遺伝成分の割合が日本列島の中央部で高いことは興味深い。

渡来人は四国に多かった? ゲノムが明かす日本人ルーツ: 日本経済新聞

東京大学の大橋順教授らは、ヤフーが2020年まで実施していた遺伝子検査サービスに集まったデータのうち、許諾の得られたものを解析した。1都道府県あたり50人のデータを解析したところ、沖縄県で縄文人由来のゲノム成分比率が非常に高く、逆に渡来人由来のゲノム成分が最も高かったのは滋賀県だった。沖縄県の次に縄文人由来のゲノム成分が高かったのは九州や東北だ。一方、渡来人由来のゲノム成分が高かったのは近畿と北陸、四国だった。特に四国は島全体で渡来人由来の比率が高い。なお、北海道は今回のデータにアイヌの人々が含まれておらず、関東の各県と近い比率だった。

以上の結果は、渡来人が朝鮮半島経由で九州北部に上陸したとする一般的な考え方とは一見食い違うように思える。上陸地点である九州北部よりも、列島中央部の近畿などの方が渡来人由来の成分が高いからだ。大橋教授は「九州北部では上陸後も渡来人の人口があまり増えず、むしろ四国や近畿などの地域で人口が拡大したのではないか」と話す。

縄文人 – Wikipedia

縄文人に関連する遺伝子として、ATLのレトロウイルス (HTLV-1) がある。このウイルスは成人T細胞白血病 (ATL) を引き起こす原因として発見されたもので、HTLVは京都大学ウイルス研究所教授の日沼頼夫によって研究が進められた。

日本人にはこのウイルスキャリアが多数存在することは知られていたが、東アジアの周辺諸国ではまったく見出されていない。いっぽうアメリカ先住民やアフリカ、ニューギニア先住民などでキャリアが多いという特徴をもつ。日本国内の分布に目を転じてみると、九州南部と長崎県に多いのが目立つ。そして沖縄やアイヌに特に高頻度で見られ、四国南部、紀伊半島の南部、東北地方の太平洋側、隠岐、五島列島などの僻地や離島に多いことが判明した。九州、四国、東北の各地方におけるATLの好発地域を詳細に検討すると、周囲から隔絶され交通の不便だった小集落でキャリアは高率に温存されている。

大和民族 – Wikipedia

日本列島内には、王権の支配に従わない九州南部の隼人(熊襲)、東北の蝦夷などがいたが、隼人の反乱の鎮圧や征夷大将軍坂上田村麻呂の活躍、関東・北陸方面から東北地方への入植により、隼人は8世紀に、蝦夷は12世紀までに完全に大和民族に同化したとされる。これによって、本州・九州・四国の全域を大和民族が支配することとなった。

この間、百済滅亡によって亡命してきた百済人(半島居住の大和民族や現在の朝鮮人とは異なる民族)や、大和民族から招かれた仏教の僧侶や技術者など、大なり小なりユーラシア大陸から海を渡ってきた人々(渡来人または帰化人)もいた。ただし、彼ら移住者はそれぞれ少数であり、速やかに大和民族に統合・同化されたため、国内での大和民族の数的な優位性は変わらなかった。