丹下健三さんの師匠である前川國男さん設計の京都会館(1960年)は、老朽化の工事費用捻出のため命名権(ネーミングライツ)を売却。京都の電子部品メーカー・ロームが、契約期間50年、52億5,000万円で契約。2016年文化施設『ロームシアター京都』として生まれ変わりました。

ROHM Theatre Kyoto, originally known as Kyoto Kaikan, is a concert hall and performance venue located in Kyoto, Japan. The main hall was first opened in 1960 and seated 2,005 patrons. The facility closed in 2012 and was redeveloped over a four-year period, reopening in January 2016. As well as the main concert hall, the facility also has two additional performance spaces seating 700 and 200 guests. Kyoto-based ROHM semiconductor saved the landmark post-modernist building from possible demolition by granting ¥5.25 billion towards the cost of refurbishment. In recognition of this contribution, ROHM received naming rights to the building.

modern Terrace
京都モダンテラス

Kyoto Kaikan opened in the Okazaki area of Kyoto on April 29th, 1960, as the first such multipurpose cultural hall in Japan. It was designed by the late Kunio Maekawa, one of the representative architects of modernism in Japan. The architecture placed an emphasis on harmony with the local Okazaki surroundings, winning the 1960 Architectural Institute of Japan Prize and much acclaim.

As part of the redevelopment process, a committee was set up in order to consider the architectural value of Kyoto Kaikan, highly praised as an example of modernism in Japan, and how to reflect this in the foundational redevelopment plans, as well as how redevelopment could contribute to the improvement of the present Okazaki landscape and scenic beauty. The core design was handled by Hisao Koyama, one of the leading architects in Japan today. Koyama says: “High-quality conservation and restoration is not simply about repairing those parts that have aged, but must also superimpose values suitable for each new era on top of the old values.” (ROHM Theatre Kyoto)

ロームシアター京都について
1960年4月29日、全国に先駆けた多目的な公立文化ホールとして、京都・岡崎の地に京都会館は誕生しました。当時の京都市は、財政的に非常に厳しい状況にありましたが、市民会館建設に対する市民の強い要望もあり、市民や企業からの多額の寄付金を財源の一部として建設が実現しました。
設計を担ったのは、日本を代表する建築家である故前川國男氏です。同氏は、京都会館を京都市民の、あるいは京都の青少年の一つの「生活道場」として活用していくという、当時の市長をはじめとした京都市の熱意に打たれたと述べておられます。こうして出来上がった京都会館は、岡崎地域の周辺環境との調和を考慮し、水平線を強く意識した意匠で設計されており、日本建築学会賞を受賞するなど、「モダニズム建築の傑作」として高い評価を受けています。

京都会館 – Wikipedia

旧京都会館
竣工:1960年3月31日
設計:前川國男 / 前川國男建築設計事務所
構造:鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造り
規模:地下1階、地上3階建
受賞:日本建築学会賞、日本建築年鑑賞、照明普及賞、BCS賞受賞

2003年には、DOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築に選定。
施設の老朽化に伴い、2012年3月限りで閉鎖して改修工事に入り、2016年1月10日に新装開場した。また、改修工事費用の捻出のため、地元の電子部品メーカー・ロームに命名権を売却した。契約期間は50年で総額52億5000万円という破格の契約となっている。なお、命名権が適用されるのは改修工事による施設の新装開場からであるが、名称は発表されており、隣接する京都市営バスの停留所名も2014年3月22日から「岡崎公園ロームシアター京都・みやこめっせ前」と一足早く変更されている。
この再整備計画に対し、国際記念物遺跡会議の国際学術委員会は「前川國男の代表作の一つとして京都会館の文化財としての重要性を位置付けたうえで、京都市が再整備計画に示す建て替えは、文化財としての価値に対して『取り返しのつかない害を及ぼし、美と調和を破壊する』として危機遺産警告を発令する可能性」を示唆した意見書を提出した(ただし、建物が遺産認定されているわけではない)。これに対し、京都市は「建物の形状自体がホールとしての機能を低下させており、改修ではデザイン性・機能性とも要求を満たせないため、委員会の意見を取り入れた上で改築を行う」と回答した。

建築家・前川國男の仕事
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