四国唯一現存、日本国内最古級の水車場「高原製粉精米水車場」 Takahara water mill


江戸末期につくられた水車が、香川県高松市六条町に残っています。
驚いたのは、その水車を動力として精米や製粉をするための機構です。
旧古川の水の流れを利用して直径約5.0mの木製水車の動力が
建物中にめぐらされた歯車やベルトコンベアに伝わり、
小麦の製粉やお米の精米を自動的に行う機構が施されています。

There is a mill that has machinery that is driven by water at Rokujo town, Takamatsu city, Kagawa pref., Japan. The architecture and tools were designated by the Government as tangible cultural properties. The water-wheel has about 500 years of history, and is used by the domain of Takamatsu. A water mill is a mill that uses moving water as its power source. It is thus a structure that uses a water wheel to drive a mechanical process such as milling , rolling, or hammering. Such processes are needed in the production of many material goods, including flour and rice.


高原製粉精米水車場
公開:毎月、最終週の土曜日
時間:10:00〜15:00
場所:香川県高松市六条町672 [Google Maps]

Takahara water mill
Open : Last Saturday of every month
Time : 10:00-15:00
Place : 672 Rokujo town, Takamatsu city, Kagawa pref., Japan [Google Maps]

高原製粉精米水車場は、約300年の歴史がある高松藩の「御用水車」で、国登録有形民俗文化財に指定されました。1902年(明治35年)にこの水車を購入した高原さんのお孫さんの平田恵美さん・堀家みどりさん姉妹のお話を伺ってきました。ちなみにここで製粉業を営んでいたお父様 高原忠雄さん屋号は「車屋」だそうです。左の写真は水車小屋からみえる田園風景。市街化が進む高松市の郊外において、まだかろうじて長閑な田園風景が残っています。


高松市六条町の田園の中に、その水車小屋はあります。大きなクスノキが目印。


旧古川から引き込んだ水が暗渠をとおって流れてきます。
石積みにつかわれている石は近くの由良山から採れる由良石と思われます。


香川県には水系に沿って384基の水車があったと記録されています。『讃岐の水車』峠の会編昭和63年(1988年)


高原水車場


木製の水車。
現在の水車(水輪)は、1967年(昭和42年)に新装されたもので、直径4.5m。


小麦専用挽臼。小麦を粉にする専用の挽臼。花崗岩製。直径64cm。
石積みの水路で水車小屋まで水を引き込んで、
水車を回転させ、石臼による製粉を行っていました。


豆・米用挽臼(ひきうす)
豆や米などを粉にする挽臼。花崗岩製。直径64cm。


水車の回転運動が、
様々な精米機や精麦機などさまざまな機械に伝わるようにできています。


麦ひしぎ機 押麦圧片機ともいい、大麦をついたあと。押し麦にする古い機械。


精麦機。中野式精麦。麦の皮をとりのぞく機械。


押麦機。石橋式乾燥押麦機


万力(まんりき)。
水車の水輪の力を石臼に伝える歯車。


大小の歯車で構成され、歯は樫の木でできています。


水車(水輪)。直径4.7m、幅65cm、松材(肥松)。8個のユニットを組み合わす。1967年(昭和42年)製作。


がんど。
行燈ふるい。網が張られていて、回転しながら細かい粉と粗い粉が分けられます。十角形。


昇降機。がんどで落ちない粗い粉がベルトコンベアー式昇降機で再び石臼へ運ばれます。


そして、昇降機で持ち上げられた粗い小麦粉が
上部から落ちてきて再び石臼でひかれます。


この小屋全体を縦横無尽に活用しながら目の細かい小麦粉をつくるのです。


庭に渋柿の木が植えられています。


温かいこの地域ではあまり干し柿はつくられないのですが、
代わりに防腐塗料として使える柿渋をつくるために使っていたのだそうです。


2016年3月28日。思いがけず文化財の記録撮影をお手伝いすることに。今日は、石積み学校の真田先生と一緒に水路の石積みの様子を調査。普段の撮影とはまた違って勉強になりました。ボランティアスタッフの皆さん、定期的に集まって掃除したり、こうして整理整頓や記録などのお手伝いをされているそうです。頭がさがる思い。家主さんは、鎌倉図書館で働かれているということで、勝手にご縁を感じております。今後の展開が楽しみです。

高原製粉精米水車場

香川県高松市六条町に所在。江戸時代に高松藩の御用水車として建設され、300年以上の歴史を持つ、四国で唯一現存する、日本国内最古級の水車場である。水車の動力で石臼を動かし、小麦をひき、ふるいにかけ、ふるいに残った粉を再び石臼に運ぶという工程が木組みの装置で自動化されていた。
所有する高原家は1902年にこの水車を購入、1967年には水車を新装し、1990年ごろまで使用していた。
その後使用されなくなっていたが、2009年以降、2年余りにわたる調査を経て2013年、産業考古学会の推薦産業遺産に認定された。

参考:PDF – 高松市六条町に現存する「高原水車」の保存活動 平田恵美

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