水車解体の様子はこちら(2017年12月10日)
江戸末期につくられた水車が、香川県高松市六条町に残っています。驚いたのは、その水車を動力として精米や製粉をするための機構です。旧古川の水の流れを利用して直径約5.0mの木製水車の動力が建物中にめぐらされた歯車やベルトコンベアに伝わり、小麦の製粉やお米の精米を自動的に行う機構が施されています。

There is a mill that has machinery that is driven by water at Rokujo town, Takamatsu city, Kagawa pref., Japan. The architecture and tools were designated by the Government as tangible cultural properties. The water-wheel has about 500 years of history, and is used by the domain of Takamatsu. A water mill is a mill that uses moving water as its power source. It is thus a structure that uses a water wheel to drive a mechanical process such as milling , rolling, or hammering. Such processes are needed in the production of many material goods, including flour and rice.


高原製粉精米水車場
登録:国の登録有形民俗文化財
歴史:高松藩の御用水車 約300年の歴史
公開:毎月、最終週の土曜日
時間:10:00〜15:00
場所:香川県高松市六条町672 [Google Maps]

Takahara water mill
Open : Last Saturday of every month
Time : 10:00-15:00
Place : 672 Rokujo town, Takamatsu city, Kagawa pref., Japan [Google Maps]

高原製粉精米水車場は、約300年の歴史がある高松藩の「御用水車」で、国登録有形民俗文化財に指定されました。1902年(明治35年)にこの水車を購入した高原さんのお孫さんの平田恵美さん・堀家みどりさん姉妹のお話を伺ってきました。ちなみにここで製粉業を営んでいたお父様 高原忠雄さん屋号は「車屋」だそうです。左の写真は水車小屋からみえる田園風景。市街化が進む高松市の郊外において、まだかろうじて長閑な田園風景が残っています。

2018年3月31日撮影


高原水車場


水車


屋根


石臼で挽かれた小麦粉がふたたび上に運ばれてそれ繰り返し落ちて挽かれることでキメの細かい小麦粉になります。


新しくなった水車


いくつもの歯車が力を伝達します。


水車の動力が回転運動となり様々な装置に伝わります。原動力はもちろん川から引き込んだ水の流れ。


窓から見える景色。水車のある高松市六条町のあたりも宅地開発が進み、道路計画もあるのでのどかな田園風景がみられるのはあと数年かもしれません。周辺景観の田園風景とセットでこの水車小屋を文化財的な価値があると思うのでぜひとも次の世代に残してほしいところです。


以前まで使われていた古い水車も記録用に保管されています。


川の流れを敷地内に引き込んでいます。


様々な農具も保管されています。

2017年

高松市六条町の田園の中に、その水車小屋はあります。大きなクスノキが目印。


旧古川から引き込んだ水が暗渠をとおって流れてきます。
石積みにつかわれている石は近くの由良山から採れる由良石と思われます。


香川県には水系に沿って384基の水車があったと記録されています。『讃岐の水車』峠の会編昭和63年(1988年)


高原水車場


木製の水車。
現在の水車(水輪)は、1967年(昭和42年)に新装されたもので、直径4.5m。


小麦専用挽臼。小麦を粉にする専用の挽臼。花崗岩製。直径64cm。
石積みの水路で水車小屋まで水を引き込んで、
水車を回転させ、石臼による製粉を行っていました。


豆・米用挽臼(ひきうす)
豆や米などを粉にする挽臼。花崗岩製。直径64cm。


水車の回転運動が、
様々な精米機や精麦機などさまざまな機械に伝わるようにできています。


麦ひしぎ機 押麦圧片機ともいい、大麦をついたあと。押し麦にする古い機械。


精麦機。中野式精麦。麦の皮をとりのぞく機械。


押麦機。石橋式乾燥押麦機


万力(まんりき)。
水車の水輪の力を石臼に伝える歯車。


大小の歯車で構成され、歯は樫の木でできています。


水車(水輪)。直径4.7m、幅65cm、松材(肥松)。8個のユニットを組み合わす。1967年(昭和42年)製作。


がんど。
行燈ふるい。網が張られていて、回転しながら細かい粉と粗い粉が分けられます。十角形。


昇降機。がんどで落ちない粗い粉がベルトコンベアー式昇降機で再び石臼へ運ばれます。


そして、昇降機で持ち上げられた粗い小麦粉が
上部から落ちてきて再び石臼でひかれます。


この小屋全体を縦横無尽に活用しながら目の細かい小麦粉をつくるのです。


庭に渋柿の木が植えられています。


温かいこの地域ではあまり干し柿はつくられないのですが、
代わりに防腐塗料として使える柿渋をつくるために使っていたのだそうです。


2016年3月28日。思いがけず文化財の記録撮影をお手伝いすることに。今日は、石積み学校の真田先生と一緒に水路の石積みの様子を調査。普段の撮影とはまた違って勉強になりました。ボランティアスタッフの皆さん、定期的に集まって掃除したり、こうして整理整頓や記録などのお手伝いをされているそうです。頭がさがる思い。家主さんは、鎌倉図書館で働かれているということで、勝手にご縁を感じております。今後の展開が楽しみです。

水車解体レポート 2017年12月10日
香川県高松市六条町に現存する水車の解体・復元作業がはじまりました。高松藩の御用水車として300年の歴史があり、丸亀うちわや東かがわの手袋についで県内3つ目の登録有形民俗文化財になりました。

讃岐平野では小麦の製粉に水車が多く使われていましたが、現在、現存しているのはこの高原水車のみとなりました。

2017年12月9・10日。「高原水車友の会」が中心となり、福岡県久留米市の水車大工・野瀬秀拓(のせひでひろ)さん親子や、西日本工業大名誉教授の池森寛さんなどが集まり、壊れた水車を再び回すために、現在の水車の解体作業を行いました。

香川)四国唯一の現存水車、来年復元へ 古い水車を解体:朝日新聞

高松市六条町に現存する古い水車が9、10日、復元のために解体された。水車場は高松藩の「御用水車」として約300年の歴史があり、昨年には国の登録有形民俗文化財になった。来年に同じ寸法で新造した水車を設置し、実際に回す予定だ。

 水車は通称・高原水車。讃岐平野ではかつて小麦の製粉に広く水車が使われていたが、電力の普及で減少し、現在は高原水車しか残っていない。専門家によると、古くから使われ、現存する四国で唯一の水車だという。「壊れた水車を再び回そう」と、有志が2014年に「高原水車友の会」を設立し、復活に向けた活動を続けてきた。

 解体は9日朝から始まった。水車大工らが古くなった部材に番号を振って丁寧に解体し、外に運び出した。すでに福岡県で新しい水車を製作中で、来年2月に同じ場所に設置する予定。将来的には水車で製粉できるまでに復元したいという。古い水車は組み立て直して近くに展示する。

 祖父・高原太吉さん、父・忠雄さんから水車を引き継いだ所有者の平田恵美さん(72)=神奈川県鎌倉市=は「たくさんの方に関わっていただき、ここまで来られた」と感慨深げ。友の会発足前から協力している池森寛・西日本工業大名誉教授は「水車が力学的理屈にのっとって作られているのが分解してよく分かった。讃岐の技術でしょうね」と感心していた。

高原製粉精米水車場

香川県高松市六条町に所在。江戸時代に高松藩の御用水車として建設され、300年以上の歴史を持つ、四国で唯一現存する、日本国内最古級の水車場である。水車の動力で石臼を動かし、小麦をひき、ふるいにかけ、ふるいに残った粉を再び石臼に運ぶという工程が木組みの装置で自動化されていた。
所有する高原家は1902年にこの水車を購入、1967年には水車を新装し、1990年ごろまで使用していた。
その後使用されなくなっていたが、2009年以降、2年余りにわたる調査を経て2013年、産業考古学会の推薦産業遺産に認定された。

参考:PDF – 高松市六条町に現存する「高原水車」の保存活動 平田恵美

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