高松市歴史資料館で開催されている展示会がとてもいいのでメモ。


「LOCAL STUDIES~郷土を愛した人が残したもの~」 – 高松市歴史資料館

ため池、おにぎり山、瀬戸の夕凪。

まぶたを閉じれば思い浮かぶ、郷土香川の風景。
農業・漁業を柱に成り立ってきた庶民の生活が大きく変化をはじめた大正~昭和初期。名もなき人たちの暮らしに注目し、民俗学という分野を開拓した柳田国男氏は有名ですが、彼に少なからず影響を受け、香川でも郷土の民俗や風土の調査をはじめる人物たちがあらわれました。山や島を歩き、人々の暮らしを細かく聞き取りし、その結果見えてくるものを残そうとしました。また、このころから郷土の歴史を探る教育者・風土を記録する画家など、様々な専門家もあらわれ、分野を越えた交流が行われるようになりました。昭和40~50年代には、郷土に関する研究会・サロンが現在の比にならないほど多く存在したことからも、その頃の盛況ぶりを想像することができます。こうした研究者たちの協力が、香川の郷土学(=LOCAL STUDIES)の隆盛につながったといえます。そして、その集大成として編さん発行された叢書や書籍などは、現在私たちが郷土を学ぶ時の教科書として不可欠なものになっています。
一方、芸術の分野でも、失われゆく郷土の風景を後世に残そうとした人たちがいました。瀬戸内海を描いた絵画、島の生活を民俗的視点でとらえた写真など、彼らが残したものは、今となっては貴重な郷土資料です。

今回は当館の収蔵品を中心に、郷土書籍、個人蔵書、写真・スケッチ・研究ノートなどを展示・紹介します。郷土を愛した人の地道なフィールドワークや収集活動に敬意を表さずにはいられません。彼らの仕事が文化・産業や観光への資源となり、現在の香川の発展に大きく貢献したことは間違いないでしょう。郷土学(=LOCAL STUDIES)の大切さと郷土愛の素晴らしさを感じて頂く機会となれば幸いです。

日程:2018年4月21日(土)~6月24日(日)
場所:高松市歴史資料館 4階企画展示室 (香川県高松市昭和町1-2-20 サンクリスタル高松) [Google Maps]
料金:一般200円/大学生150円/高校生以下は無料
*20人以上の団体は2割引
*65歳以上 長寿手帳等年齢を確認できるものの提示で免除
*身体障害者手帳、療育手帳手帳又は精神障害者保健福祉手 帳所持者は、手帳提示で免除

休館:月曜日(休日の場合は翌平日)
時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
主催:高松市歴史資料館
協力:鎌田共済会郷土博物館、郷土人形資料館、四国新聞社、瀬戸内海歴史民俗資料館

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