島根県松江市を訪れたとき偶然まちなかで見かけた椿の花。まるで和菓子の練り切りのような美しさ。本来和菓子が自然の美しい花に見立ててつくるので、この例えはおかしいか、と思いつつ。不思議な造形の美しさに見入ってしまいます。『乙女椿(おとめつばき)』と呼ばれるその花には椿(つばき)特有のおしべやめしべが見当たりません。八重咲きのなかでも「千重咲き(ちえざき/せんえざき)」と呼ばれる分類にあたります。花の中心部に非常に小さいおしべ・めしべがあり、花が開いても見えない咲き方です。開花は、3月中旬~4月頃。

When I visited Matsue City in Shimane Prefecture, I happened to see camellia flowers in the town. They were as beautiful as the kneaded pieces of Japanese confectionery. I wondered if this was a strange analogy, since wagashi is originally made to resemble beautiful natural flowers. But the mysterious beauty of the form is a sight to behold. The flower, called ‘otome camellia’, has no stamens or stamen, which is characteristic of camellias. It is classified as a ‘sen-ae-zaki’ (thousand-petalled camellia) among the double-flowered camellias. It has very small stamens and pistils in the centre of the flower, which are not visible when the flower opens. Flowering occurs from mid-March to April.

乙女椿 (おとめつばき)
開花:3月〜5月
高さ:1~2メートル
分類:ツバキ科 ツバキ属
学名:Camellia japonica f. otome

Camellia “Pink Perfection” (Otome Tsubaki)
Flowering: 3 – 5 May.
Height: 1-2 m.
Classification: Camellia japonica (Camellaceae)
Scientific name: Camellia japonica f. otome

2013/04/14撮影

島根県松江市のまちなかで偶然みつけた乙女椿(オトメツバキ)

2016/03/20撮影

徳島県神山町。阿波の青石(緑泥片岩)


青石の門


松江のとはまた異なる品種でしょうか。

2020/03/29撮影


阿川トンネル

2013/04/14撮影

松江城。小泉八雲


乙女椿がいけられていました。

Camellia japonica – Wikipedia

Camellia japonica, known as common camellia, or Japanese camellia, is a species of Camellia, a flowering plant genus in the family Theaceae. There are thousands of cultivars of C. japonica in cultivation, with many colors and forms of flowers. Despite its common name, it is native to China, not Japan. The cultivation of Camellia japonica also started in China. Its widespread cultivation can be traced back to the Song Dynasty, when 15 varieties of Camellia japonica were recorded in literature. It was later introduced to Japan. It grows in forests, at altitudes of around 300–1,100 metres (980–3,600 ft).

The leaves of this species are rich in anti-inflammatory terpenoids such as lupeol and squalene.

ツバキ – Wikipedia

ツバキ(椿、海柘榴)またはヤブツバキ(藪椿、学名: Camellia japonica)は、ツバキ科ツバキ属の常緑樹。照葉樹林の代表的な樹木。花が観賞されて庭などに植えられるほか、薬用や食用にもなる。

英語では、カメリア・ジャポニカ (Camellia japonica) と学名がそのまま英語名になっている珍しい例である。17世紀にオランダ商館員のエンゲルベルト・ケンペルがその著書で初めてこの花を欧州に紹介した。後に、18世紀にイエズス会の助修士で植物学に造詣の深かったゲオルク・ヨーゼフ・カメルはフィリピンでこの花の種を入手してヨーロッパに紹介した。その後有名なカール・フォン・リンネがこのカメルにちなんで、椿の属名にカメリアという名前をつけ、ケンペルの記載に基づき「日本の」を意味するジャポニカの名前をつけた。

園芸品種
ヤブツバキは園芸品種の母種でもあり、他家受粉で結実するため、また近縁のユキツバキなどと容易に交配するために花色・花形に変異が生じやすいことから、古くから選抜による品種改良が行われてきた。江戸時代には江戸の将軍や肥後、加賀などの大名、京都の公家などが園芸を好んだことから、庶民の間でも大いに流行し、江戸・上方(京都)・加賀・中京・肥後などの地域ごとに育成された品種が作られた。なお、「五色八重散椿」(ごしきやえちりつばき)のように、ヤブツバキ系でありながら花弁がバラバラに散る園芸品種もある。

17世紀に日本から西洋に伝来すると、冬にでも常緑で、日陰でも花を咲かせる性質が好まれ、大変な人気となり、西洋の美意識に基づいた豪華な花をつける品種が作られた。ヨーロッパ、イギリス、アメリカで愛好され、現在でも多くの品種が作出されている。

山陰のツバキ
「つばきのふるさと」と言われるほどの自生地の多い地域である。古くから品種改良が盛んで、ことに江戸期松江藩がおかれてから盛んになり松平不昧は各地からツバキを集めた。萩から松江にかけて清楚な一重咲きが作られ愛好されている。代表的な品種は「花仙山」「意宇(おう)の里」「角(すみ)の光」など。