伊吹産いりこのだしで味付けされた海苔が美味しそう。
どこかに売ってないのかな。瀬戸内海は本当に食材が豊かですね。


写真:新・さぬき野 2011 新春号 新しい風

学校給食に初摘みの県産ノリ/小豆島の苗羽小 – 四国新聞

 「海苔(のり)の日」の2月6日、香川県小豆島町苗羽の苗羽小学校(石井昌彦校長)で香川県産ノリへの理解を深めてもらう水産教室があった。給食には初摘みノリを使った味付けノリが登場し、子どもたちはノリ養殖業者らと交流しながら豊かな風味を味わった。

 水産教室は県産ノリの普及を図ろうと、養殖業者でつくる県海苔養殖研究会(森朝征会長)と県漁連などが5年前から行っており、今年は27日までに県内の計5校で開催する。初摘みのノリを用いた味付けノリも県内全域の小中学校の給食に提供しており、今年も約10万食分を提供する。

 この日は、養殖業者や香川おさかな大使ら約10人が苗羽小を訪れ、5年生24人と給食を食べながら交流。教室では県内の生産量は年間約5億枚で全国5位であることや養殖の方法、ノリの栄養価などを説明。児童からは、いいノリの見分け方などについて質問が出された。

 ノリは伊吹産いりこのだしで味付けされており、児童らはご飯を包んでパリパリとした食感や風味を堪能。杉元勇斗君は(11)は「ノリの香りがよく、ご飯に合っていておいしかった。好きになりました」と話していた。

 「海苔の日」は通常ある語呂合わせではなく、ノリの価値が高く評価され、702年2月6日に施行された「大宝律令」の中で、租税の一つとして指定されたことにちなみ、全国海苔貝類漁業協同組合連合会が1966年に制定した。

新・さぬき野 2011 新春号 新しい風

 

香川県でのノリの養殖は、明治時代に始まる。その長い歴史を礎に、平成21年度は全国6位の生産枚数を誇る。しかし、店頭では「瀬戸内産」などと表記された商品が多く、香川県産ノリと表記されることがほとんどなかった。

香川県のノリは「浮流式(うきながししき)」で、ノリ網に浮を付けて海面に浮かべる養殖方法。10月にノリの種付けをし、その網を海面に張る。その後は育苗期間、1日に4~5時間は海から上げて日に当てる。その作業を続けて20日ほどたてば、いったん引き上げて、なんとマイナス25度以下に保った冷凍庫で保存する。そして、水温が18度を切ると「本張り」といって海面に戻し、15日ほどで刈り取っては伸ばし、刈り取っては伸ばすを繰り返す。この収穫作業は早春まで続く。

収穫したノリは船で運ばれ、海水を張った活性タンクに入れ鮮度を落とさないようにごみを除く。さぬき市の宇山哲司さんの工場では、活性タンクから出したノリを、まず反転洗機という洗濯機のようなものに入れ、さらに汚れを落とす。次に、ごみを取るための専用の機械を通し、短くカットする。次は熟成させて、紙すきの要領でノリをすく。これを乾燥させれば、20センチ四方の乾(ほし)ノリとなる。さらに、一枚ずつ自動選別機を通し、異物の混ざっていないものだけが製品となる。もちろん、人の目と手によっても、ごみの選別作業は念入りに行われる。

香川のノリは、瀬戸内海が味良く育ててくれる。後は人の手で、ひたすら混じりけのないノリに仕上げようと、知恵を出し労力を使ってきた。そうした品質を守り、さらに向上させるために「香川県海苔(のり)養殖研究会」も結成された。宇山さんは、その副会長を務める。「とにかく品質の良いものをと努力を続けているが、最近の天候不順には悩まされています。海水温の上昇や海水中の栄養分の減少のためか、以前は3月まで収穫していたノリが1~2月で収穫できなくなってきました。けれども、味は変わらず、香川のノリはやっぱりうまい」。

そのおいしさを広く知っていただくために「“初摘み”香川県産ノリ」の認証制度が誕生した。県内の各産地で最初に摘み取られたノリの中から、さらに品質が保証されたものだけが認証マークを使用できる。最初のノリは、やわらかい歯触りと香り高い風味、香川県産ノリの良さを際立たせている。その上質なものを特に「“初摘み”香川県産ノリ」と認証、その証しの印だ。幾つもの厳しい検査を合格してきた「“初摘み”香川県産ノリ」。受験シーズンにもお薦めしたい瀬戸内海の恵みである。

参考:
新・さぬき野 2011 新春号 新しい風
香川県の水産業 水産物の加工について
香川県の水産業 さぬき海の幸(ハマチ・ノリ・イリコ)販売促進事業
www.edu-tens.net/syoHP/mureHP/syokuiku/syokuikusiryou/21nend/nori.pdf
伊吹いりこ風味の味付けノリ(“初摘み”県産ノリ)を学校給食に!