和の明かり – NHK 美の壷


和の明かり [Link]
NHK 美の壷

選曲もなかなか好きな美の壷。
今回は和の明かり特集。
さまざまな灯篭や提灯を紹介したり、光を拡散する和紙のしくみ、
和紙デザイナーの堀木(堀木エリ子)さんや、イサムノグチ、
面出(面出薫)さんが谷崎潤一郎を語ったり、盛りだくさんの内容。
前回の “和箪笥特集” もなかなよかったです。
 壱のツボ 明かりに庶民の知恵を見よ
 弐のツボ 和紙が生み出すうつろいを味わう
 参のツボ 陰翳の美を楽しむ
 > 影が持つ魅力について書き記した作家がいます。
 > 文豪・谷崎潤一郎です。
 > 昭和8年に発表された「陰翳礼讃」。近代化が進む中、失われゆく影の美しさを描き出しました。
 > 「暗い部屋に住むことを餘儀なくされたわれわれの先祖は、
 > いつしか陰翳のうちに美を発見し、やがては美の目的に添うように陰翳を利用するに至った」
 > 行灯の明るさは、60ワットの電球のおよそ50分の一。
 > そこは暗がりと言ってもいい空間です。光と影が織りなすあや。
 > 和の明かり、鑑賞最後のツボは「陰翳の美を楽しむ」
 >
 > 日本の伝統的な建築は、影が効果的に作り出されるよう設計されています。
 > まず長い庇によって、直射日光は、遮られます。
 > 谷崎は言います。 「室内へは庭からの反射が障子を透してほの明るく忍び込むようにする。
 > われわれの座敷の美の要素はこの間接の鈍い光線に外ならない。」
 > 国際的に活躍する照明デザイナーの面出薫さん。
 > 谷崎の「陰翳礼讃」に大きな影響を受けたと言います。
 > 面出 「谷崎は陰翳を大切にすべきだってことを『陰翳礼讃』で言っています。
 > 一番最後に何と言っても、皆さん家の中の明かりをけして見ましょうよ、
 > そこからちょっと始まろうと言っているんです。」
 > 面出 「この部屋も今、照明がたいてありますけども、ちょっと明かりを落としてみましょうか。
 > 当たっている光がなくなって、この行灯の光だけでもずいぶん陰翳の状態が変わってきます。
 > 今ここに行灯が置いてあって、ここが光源の主体です。
 > ここから座敷の畳の奥の方、隅にむかって、光が段々段々に翳ってくる。
 > この間に非常に豊かな階調がある。グラデーションがあると言っているんです。
 > そして床だけじゃなくて、奥の襖や障子も段々上に行くと天井に対して翳っていく。」
 > 和紙を通した行灯の光。光がつくり出した部屋全体に広がる豊かな陰翳。
 > 谷崎は、こうした陰翳の中に美を見つけていきます。
 > その一つが暗がりの中で見る漆器。
 > 「闇を条件に入れなければ、漆器の美しさは考えられない」
 > 黒い漆の塗りが陰翳に溶け、煌びやかな文様を一段と引き立てます。
 > 食事もほのかな明かりの中でとるのが良いと言います。
 > 「いつもはなんでもなくたべていたあのどろどろの赤土色をした汁が、
 > 覚束ない蝋燭のあかりの下で、黒うるしの椀に澱んでいるのを見ると、
 > 実に深みのあるうまそうな色をしているのであった。」
 > 谷崎は、生活の中のほのかな明かりに日本人の美意識を見出したのです。
 > 面出 「YESでもないNOでもない、その間の何か、いろんなグラデーション。
 > または消えていくもの、時間の流れだとかっていう、
 > そう言うところに僕たちはずいぶん価値を持ってて、すなわち翳りとか陰翳とかっていうものが、
 > 光があたることよりむしろそのほうが、日本人にとっては大切なものだと、
 > どっかで感じているのかもしれません」
 > 日本人が愛でてきた陰翳の美。
 > 電気を消して、そっと和の明かりを灯してみませんか?
 > NHK 美の壷 番組紹介より
参考:
陰翳礼讃 (谷崎潤一郎) [Link]
松岡正剛の千夜千冊『陰翳礼讚』谷崎潤一郎 [Link]
LPA : Lighting Planners Associates [Link]


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