瀬戸内海に浮かぶ男木島では、古くから大麦を使った「男木みそ」と呼ばれる麦味噌づくりが受け継がれてきました。水田に適した土地が少ない島では、かつて麦づくりが盛んで、その暮らしの知恵から生まれた保存食です。
男木みそは、蒸した大麦に「はったい粉」や米麹を加えて麦麹を育て、茹でた大豆や塩と合わせて仕込む、島ならではの伝統食。各家庭ごとに味が異なり、「みんな違って、みんないい」と言われるほど、それぞれの家の歴史や暮らしが息づいています。まろやかな甘みと香ばしさが特徴で、味噌汁やおでん、おにぎりなど、日々の食卓を支えてきました。
しかし近年は、高齢化や耕作放棄地の増加により、大麦栽培や味噌づくりを続ける人が減少。現在は、移住者や島民たちが協力し、「大麦の栽培から味噌づくりまでを島で行う」取り組みを進めています。麦畑を復活させ、男木島らしい風景や食文化を未来へつなごうという活動です。
島ではワークショップも開かれ、麦まきや味噌づくりを体験しながら、男木みその背景にある暮らしや文化を学ぶことができます。夕暮れの路地に漂う味噌汁の香りとともに、男木みそは今も島の人々をつなぐ“暮らしの文化”として受け継がれています。
On Ogijima, an island in the Seto Inland Sea, the tradition of making ‘Ogijima miso’—a barley miso—has been passed down for generations. As the island has little land suitable for rice paddies, barley cultivation was once a thriving industry here, and this preserved food was born from the wisdom of that way of life.
Ogijima Miso is a traditional food unique to the island, made by steaming barley, adding ‘hattai-ko’ (roasted barley flour) and rice koji to cultivate barley koji, and then mixing this with boiled soya beans and salt. The flavour varies from household to household; so much so that it is said, ‘Everyone is different, and everyone is good’, reflecting the history and way of life of each family. Characterised by its mellow sweetness and nutty aroma, it has long been a staple on the daily dining table, used in miso soup, oden and rice balls.
However, in recent years, due to an ageing population and an increase in abandoned farmland, the number of people continuing to grow barley and make miso has declined. Currently, newcomers and islanders are working together to promote an initiative to ‘carry out everything from barley cultivation to miso-making on the island’. This is an effort to revive the barley fields and pass on Ogijima’s distinctive landscape and food culture to future generations.
Workshops are held on the island, where visitors can experience sowing barley and making miso whilst learning about the way of life and culture behind Ogijima miso. Along with the aroma of miso soup wafting through the alleyways at dusk, Ogijima miso continues to be passed down as a ‘culture of daily life’ that connects the island’s people.
2026/05/14撮影
サンポート。高松港からフェリーにのって40分で男木島へ。
鬼ヶ島こと、女木島
赤灯台と女木島
屋島
高松市消防局の救急艇「せとのあかり」。高松北消防署朝日分署に所属し、主に男木島・女木島・大島などの離島からの緊急搬送を担う24時間体制の“海の救急車”です。
男木島。西の斜面に住居が密集しています。
斜面を活用した段畑。石積み
はだか麦。

男木島
めおん2
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毎年9月頃、少し夏の暑さが和らいできた頃、男木島では味噌の仕込みがはじまります。男木島の老人憩の家で、味噌の仕込みが行われていたので見学させていただきました。男木島では茹でた大豆に麦と麹(こうじ)、塩と砂糖水を混ぜてミンチにかけて作る「麦味噌」と、大豆をいれずに麦と麹(こうじ)で作る「醤(ひしお)」を仕込みます。1週間、毎日朝・夕混ぜて寝かせると美味しい男木島の麦味噌が完成します。「今年は味噌がよう寝たわ〜」加える水や混ぜる加減は島のお母さんたちの長年の感覚。お母さんどうし、会話をしながらこうして島の味が受け継がれてきたのでしょうね。
On every September, inhabitants of Ogi-jima island make homemade miso. In the Ogi-jima island, people make fermented food substances by themselves. In the island, they made “Mugi Miso (naked barley) ” and “Hishio”. Mugi Miso is made from fermented naked barley and soybeans. This taste is property inherited by a descendent of a previous owner.
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2022年に設立した、資生堂クリエイティブ株式会社初の展覧会「美を疑え―資生堂クリエイティブ展―」が東京・銀座の資生堂ギャラリーで開催中です。この展覧会になんと男木島の味噌、「男木味噌」が展示されています。2025年1月26日まで開催中ですのでぜひ足を運んでみてください。
Established in 2022, Shiseido Creative Co.’s first exhibition, “Questioning Beauty – Shiseido Creative Exhibition”, is currently being held at the Shiseido Gallery in Ginza, Tokyo. The exhibition is currently being held until 26 January 2025, so be sure to visit.
美を疑え-資生堂クリエイティブ展- | SHISEIDO GALLERY
日程:2025年1月11日 (土)〜1月26 日 (日)
場所:資生堂ギャラリー(東京都中央区銀座8-8-3 資生堂銀座ビル B1F) [Googleマップ]
時間:火~土 11:00~19:00 日・祝 11:00~18:00
休館:毎週月曜休 (月曜日が祝日にあたる場合も休館)
入場:無料
Beauty Beyond: Shiseido Creative Exhibition | SHISEIDO GALLERY
Dates: 11 Jan (Sat) – 26 Jan (Sun) 2025
Venue: Shiseido Gallery (B1F Shiseido Ginza Bldg, 8-8-3 Ginza, Chuo-ku, Tokyo)
Opening hours: Tue-Sat 11:00-19:00, Sun & holidays 11:00-18:00
Closed: Closed every Monday (also closed if Monday falls on a public holiday).
Admission: free
参考:伝統の「男木みそ」復活へ 男木島の食文化を未来につなぐ(2024年11月20日掲載)|RNC NEWS NNN
2025/01/12撮影
東京・銀座
SHISEIDO
美を疑え
男木みそ缶
舞台は、瀬戸内海に浮かぶ男木島(おぎじま)。高齢化に伴う人口減少と移住者の増加が進む中で、食文化の継承という課題を抱えている。 私たちは「男木みそ」と呼ばれる麦みそづくりの風習に着目。 島民たちにとって大切な食文化であり、コミュニケーションツールにもなっている男木みそは、今まさに絶滅の危機に瀕している。 失われてしまいそうな文化を守るためのアクションを考えた。
男木みそという美しい生活文化を保存するための「缶詰」を開発。 缶を開けるのは、安定的な文化継承のボーダーラインとなる2055年と設定。 受け継がれてきたものを未来へつないでいく新たな継承方法として、島民たちとともに”男木島らしい男木島をのこす”体験デザインを推進している。
2055年まで文化を保存・継承する缶
缶を開封するのは、2055年と設定。それは男木みそが絶滅するかもしれないボーダーラインとして算出した都市、男木島らしい文化の継承と警鐘の意味を込めて。
大切に受け継がれてきた男木みそという食文化を保存する缶詰として島で育った麦を混ぜ込んだモールドで成形したオリジナルデザイン。
2012/09/19撮影
はだか麦とは
はだか麦は大麦の一種で、脱穀すると穀粒を包んでいる皮が簡単に取れる特徴から、「はだか麦」に呼ばれるようになったと言われています。はだか麦の栽培状況
香川県では、気象と土壌条件に恵まれていることから、水田裏作の基幹作物として古くから麦の栽培が盛んです。昭和30年頃には約25,000haの作付がありましたが、経済成長とともに安い麦価、労働力不足、作付意欲の低下などから作付面積は減少し、近年は約800ha程度の作付面積で推移しています。令和6年産では、作付面積675ha、全国2位の1,890トンが生産されています。香川県で栽培されているはだか麦「イチバンボシ」は高い品質が評価されており、需要に応じた安定生産と品質の向上に取り組んでいます。
はだか麦の栽培管理
はだか麦は湿害に弱いため、播種時の乾田化や生育期間中の排水対策が重要になります。11月中旬:播種作業トラクターに播種機を装着して播種します。播種と同時に排水溝を設置します。
1月~2月:麦踏み生育期間中、麦をローラーで軽く押さえていきます。
1月~3月上旬:土入れ生育期間中、排水促進等から、排水溝の土をかき上げます。
5月下旬:収穫コンバインで収穫します。はだか麦の用途
香川県産はだか麦は主に味噌や麦茶の原料として利用されており、約6割が県内向け、約4割が県外向けに出荷されています。はだか麦をそのまま食べるには、白米にはだか麦を混ぜて炊き上げた「麦ごはん」が一般的で、県内の学校給食や一部飲食店でも提供されています。スープに入れたり、チャーハン・丼物などを麦ごはんで作ってもプチプチした食感が楽しめ、おいしくいただけます。はだか麦には玄米の約3倍、白米の約20倍の食物繊維が含まれており、その機能性が注目されています。
瀬戸内の島々の未来を体験デザイン視点で考えるワークショップを実施 — SHISEIDO CREATIVE
資生堂クリエイティブ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 尚美)は、社会課題を美の体験価値として解決していく社内活動の一環として、瀬戸内の島々が抱える課題にクリエイティブの力で向き合うプロジェクトをスタートしました。本年度より協賛している瀬戸内国際芸術祭が開催されている島に社内有志のクリエイターを派遣し、島の過去から現在について学ぶワークショップを開催しました。本ワークショップは2022年10月3日(月)~10月5日(水)にかけて、(株)ベネッセホールディングス(岡山県岡山市、以下:ベネッセ)、公益財団法人 福武財団(香川県香川郡直島町、以下:福武財団)の全面協力のもと実施しています。クリエイターたちは現地で直接学び、体感した課題から、瀬戸内の島々の未来へ向けた自主提案を行い、その後展開していく予定です。
瀬戸内国際芸術祭は、瀬戸内海の12の島と2つの港周辺を舞台に開催される現代アートの祭典です。2022年は4月14日に開幕し、島のおじいちゃん、おばあちゃんを笑顔にすることを目的として開催されています。島の伝統文化や豊かな自然を活かしたアート作品を通じて、島の人々と訪れる人の交流を生み、住民を笑顔にすることで、地域の活力を取り戻す取り組みです。
資生堂クリエイティブはそんな瀬戸内国際芸術祭の理念に共感し、今年度から協賛を始めました。また、ただ協賛を行うだけではなく、社会課題を美の体験価値として解決していくという強みを活かし、自社のクリエイターを開催地である瀬戸内の島へ派遣し、クリエイティブの力をもって「瀬戸内の島々の未来」を考える自主提案を行うためのワークショップを実施しました。
麦みそ
大豆と大麦又ははだか麦を発酵・熟成させたもの。九州地方と北関東の一部で主に造られている。麦みその出荷は2007年以降、豆味噌を下回っている。愛媛県宇和島市などの西日本地方の一部では、大豆を使わない(麦と塩のみで製造した)「麦みそ」が伝統食品として造られているが、2022年10月になって愛媛県宇和島保健所が宇和島市内の5業者に対し「商品名に『みそ』や『麦みそ』という単語を使用してはならない」という主旨の改善指導を文書などで行った。その根拠としては、食品表示法に基づく「みそ品質表示基準」(平成12年12月19日農林水産省告示第1664号)において「麦みそ」を「大豆を蒸煮したものに、大麦又ははだか麦を蒸煮してこうじ菌を培養したもの(麦こうじ)を加えたものに食塩を混合し、これを発酵させ、及び熟成させた半固体状のもの」と定義しており、原材料に大豆を用いることが前提とされていることにある。ただし、これまで保健所からの指摘はなく業者は困惑している。また愛媛県南予地方局からは、大豆を使わないのに「麦みそ」と表記することが景品表示法上の「優良誤認」にあたるとして改善指導を行ったが、業者がTwitterに投稿した内容がメディアに大きく報道されると、当局は業者に謝罪して指導を取り消した。「麦みそ」の表記については話し合いが行われるという。
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