古代の宗教儀式などに使っていた「水銀朱(すいぎんしゅ)」という赤色の顔料を採掘するための弥生時代後期の坑道が徳島県阿南市「若杉山遺跡」で見つかりました。

The oldest tunnel of the Yayoi Period to mine cinnabar mercury (red pigment) were found from Mt. Wakasugi remains at Anan city, Tokushima pref., Japan.

最古の「坑道」発見 弥生後期 1800年ほど前に掘られたか 徳島 | NHK

古代の人々が宗教的な儀礼などに使っていた赤い色の顔料を採掘するための横穴が徳島県阿南市で見つかり、調査の結果、弥生時代後期に人為的に掘られた坑道であることが分かりました。坑道の跡としてはこれまでの発見例を500年ほどさかのぼり、専門家は弥生時代の社会を考え直すうえで重要な発見だとしています。

この横穴は、弥生時代から古墳時代にかけて「水銀朱」と呼ばれる赤色の顔料を採掘・精製していた徳島県阿南市の「若杉山遺跡」で見つかりました。

奥行きおよそ13メートル、幅最大3メートル、高さ1メートルほどの大きさで、阿南市が発掘調査を進めた結果、弥生時代後期の土器の破片が5点出土しました。

市によりますと、この横穴は、岩盤の削られ方などから人為的に掘られた「坑道」と判断でき、見つかった土器の特徴から、今から1800年ほど前に掘られたと考えられるということです。

鉱物を採掘するための坑道の跡は、今から1300年ほど前の奈良時代の銅山の例が国内で最も古いとされてきましたが、今回の発見はこれを500年ほどさかのぼることになります。

水銀朱は宗教的な儀礼などに使われ、中国の歴史書「魏志倭人伝」に当時の日本列島で使われていたことを示す記述があるほか、古墳の石室内部にまかれた例などが多く見られます。

徳島文理大学の大久保徹也教授は、「日本の鉱山開発の歴史が大きくさかのぼることに加え、弥生時代には商業や工業も発達していたことが見て取れる。当時の社会を考え直すうえで重要な手がかりとなる発見だ」と話しています。