人口減少が20年、高齢化が10年、全国平均を先行している課題先進国『四国』だからこそ、
これから日本各地の自治体が直面する社会問題にたいして、先立って向き合うことになります。
高知県大川村は、人口400人、村議会議員の平均年齢は70歳以上、選挙では無投票で当選、
福島県や離島を除くと、全国で最も人口が少ない村として知られています。

毎年11月3日には謝肉祭(大川黒牛のバーベキュー)が開催され、
吉野川上流にある『早明浦(さめうら)ダム』は、四国全体、
特に昔から水不足に悩まされている香川県の重要な水がめとして機能しています。

そんな高知県大川原村で、議会そのものの維持が難しくなってきたことから、地方自治法に基づいて村議会を廃止し、
村民が直接、予算などの議案を審議する「町村総会」をつくることを検討しています。
住民自身が自分たちで地域の問題を解決していく住民自治の新たな試みがはじまるかもしれません。

総務省によると、「町村総会」は、1951年(昭和26年)に
東京・八丈小島の旧宇津木村で設けられたのが唯一初めての事例で、
現在、旧宇津木村は、東京都八丈町となり、
1969年から始まった「全島民完全移住」により無人島となっているため、
高知県・大川村で実現すれば全国唯一の事例になります。

これから歴史上世界的にみても誰も経験したことのない超高齢化社会を迎える日本において
こうした事例、ひとつひとつが、新しい地域のあり方を模索する一手となるかもしれません。

過疎で村議会の廃止検討 高知 大川村 | NHKニュース

過疎化と高齢化が進む高知県の大川村は、今後、村議会議員のなり手が不足するおそれがあるとして議会そのものを廃止し、有権者が直接、予算などの議案を審議する「町村総会」の設置について検討を始めました。
高知県大川村は人口およそ400人で、65歳以上の高齢者が占める割合がことし3月末の時点で42%余りと、過疎化と高齢化が進んでいます。おととしの村議会議員選挙では定員と同じ6人が立候補し、無投票で全員の当選が決まりました。

議員の平均年齢は70歳を超え、大川村は今後、引退などにより選挙に立候補する人が定員を下回り、議員のなり手が不足するおそれがあるとして、地方自治法に基づいて村議会そのものを廃止し、有権者が直接、予算などの議案を審議する「町村総会」の設置について検討を始めました。

総務省によりますと、「町村総会」は、昭和26年に東京・八丈小島の旧宇津木村で設けられたのが唯一の事例だということです。設置には条例の制定が必要だということで、大川村は今後、手続きや課題などについて国や県と相談しながら検討し、来月の村議会で報告することにしています。

筒井誠副村長は「選択肢の1つとして検討しておくよう村長から指示を受けた。住民には検討の状況を丁寧に説明していきたい」と話しています。

町村議会に代わる「町村総会」とは
総務省によりますと「町村総会」は、町や村の議会に代わって有権者が集まり、自治体の予算や条例などの議案を審議する制度で、地方自治法の94条と95条に規定されています。町村総会を設けるには、自治体が設置や運営について定める条例を制定する必要があるということです。

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