徳島県庁の近く、新町川のかちどき橋を渡っていると見えてくる、ジブリの映画にでてきそうな洋風の建物『三河家住宅』。国の重要文化財に指定されている歴史的建造物です。ドイツに留学していた医師・三河義行さんの邸宅。1923年(大正12年)の関東大震災の際に耐震の重要性を認識し、帰国後、ドイツの貴族の邸宅や城郭を参考に1928年(昭和3年)に建築した鉄筋コンクリート造の住宅です。
The Mikawa Family Residence, a Western-style building that looks like something out of a Ghibli film, can be seen when crossing the Kachidoki Bridge on the Shinmachi River, near the Tokushima Prefectural Government Office. It is a historical building designated as a National Important Cultural Property. The residence of Yoshiyuki Mikawa, a doctor who studied in Germany, this reinforced concrete house was built in 1928 after he returned from the Great Kanto Earthquake of 1923, where he recognised the importance of earthquake resistance and used German aristocratic residences and castles as a reference.
三河家住宅
住所:徳島県徳島市富田浜4-7 [Google Map]
建築年:1928年(昭和3年)
設計:木内豊次郎(徳島県立工業学校建築科出身)
構造:鉄筋コンクリート造3階建(主屋)
建築面積:193.30㎡
Mikawa Family Residence
Address: 4-7 Tondahama, Tokushima City, Tokushima Prefecture [Google Map]
Year of construction: 1928
Design: Toyojiro Kinouchi (from the architecture department of Tokushima Prefectural Technical School)
Structure: 3-storey reinforced concrete structure (main building)
Building area: 193.30 m2
2022年07月16日撮影
外観は北欧風
産婦人科病院を開院していた医学博士・三河義行さんの自邸。
2階には波形平面のテラス
大理石の階段やステンドグラス、タイル。
象
鉄道橋
展望台としての塔屋を高く立ちあげています。
主屋は鉄筋コンクリート造3階建。
ガーゴイル
窓
三河家住宅
住所:徳島県徳島市富田浜4-7 [Google Map]
建築年:1928年(昭和3年)
設計:木内豊次郎(徳島県立工業学校建築科出身)
構造:鉄筋コンクリート造3階建(主屋)
建築面積:193.30㎡
Mikawa Family Residence
Address: 4-7 Tondahama, Tokushima City, Tokushima Prefecture [Google Map]
Year of construction: 1928
Design: Toyojiro Kinouchi (from the architecture department of Tokushima Prefectural Technical School)
Structure: 3-storey reinforced concrete structure (main building)
Building area: 193.30 m2
三河家住宅は、産婦人科病院を開院していた医学博士三河義行が、昭和3年頃に建てた自邸で、徳島県立工業学校建築科出身の木内豊次郎が設計した。主屋は鉄筋コンクリート造3階建で、展望台としての塔屋を高く立ちあげ、2階には波形平面のテラスを設けるなど、曲面を多用した複雑で変化に富んだ輪郭を形造っている。また内部は、玄関風除室の黒白タイルの市松敷きや、曲面建具やステインドグラスなど、要所に見所をつくる。
三河家住宅は、鉄筋コンクリート構造を用い、独特の造形意匠でまとめあげた住宅建築である。地方における近代建築の展開を物語る指標的作品のひとつとして歴史的価値が高い。
「貴重な戦前の西洋風建築」
徳島県庁の西、JR牟岐線沿いにエキゾチックな擬洋風の建物が建っています。この建物は、ドイツに留学していた医師・三河義行氏が、関東大震災の報に、耐震構造の重要性を実感し、帰国後、ドイツ貴族の邸宅や城郭などをモデルにして昭和3年に建築した鉄筋コンクリート住宅です。外観は北欧風で、大理石の階段やステンドグラス、タイルなど豪華なものが多く、国の重要文化財に指定されています。
昭和4年(1929年)、産婦人科病院を開院していた医学博士である三河義行がドイツ留学中に徳島県立工業学校建築科(現徳島県立徳島工業高等学校)出身の建築家である木内豊次郎と出会い、同世代ということもあり意気投合、交流を深めた。帰国後、木内に「友情の証」として自邸を設計させて建てたのが、現在の三河家住宅である。
当時としては珍しいドイツ風の鉄筋コンクリート造3階建で、展望台として活用できる塔屋を高く立ち上げ、2階には波形平面のテラスを設けている。また関東大震災の被害を踏まえ、芸術性だけでなく耐震性も考慮されている。地方における近代建築の展開を物語っており、歴史的価値が高いことから1997年7月15日に登録有形文化財を経て、2007年12月4日に国の重要文化財に指定された[1]。
主屋のほか、岩屋(コンクリート製の倉庫、ヨーロッパのバロック庭園によく観られる)、外便所、門及び塀が重要文化財の附(つけたり)として指定され、宅地815m2(庭門、裏庭門、石敷、像、浄化槽を含む)も「建造物と一体をなして価値を形成しているもの」として重要文化財に指定されている。構造の強化だけでなく、装飾にいたってもコンクリートの特性を最大限に生かし、他に類を見ないユニークな建築物となった。
現在は徳島市の所有となっているが、公開はされておらず、市は活用方法を検討中である。
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