今日は朝から愛媛県のお茶処、新宮(しんぐう)へ。四国食べる通信6月号では新宮茶の生みの親、脇久五郎さんから代々受け継がれてきたお茶をお届けします。お茶の若木の畑には植物性の肥料になる茅(かや/こえぐろ)が敷かれています。「茶」という漢字が、草と木の間に人が描かれているように、草も木も利用して生きるのが山岳民族の生きる知恵なのだとお父さんが話して下さいました。
脇製茶場
住所:愛媛県四国中央市新宮町馬立4630 [Google Map]
電話:0120-252-655
Waki Tea Plant
Address: 4630 Umadachi, Shingu-cho, Shikokuchuo-shi, Ehime [Google Map]
Tel: 0120-252-655





脇製茶場
住所:愛媛県四国中央市新宮町馬立4630 [Google Map]
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Waki Tea Plant
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脇製茶場/愛媛県四国中央市(新宮)の緑茶・日本茶・新茶の生産販売
新宮町は茶に適した気候と土質に恵まれ、山野にはヤマチャが自生し、古くから手もみや日乾番茶など製茶が盛んです。
新宮町は茶に適した気候と土質に恵まれ、山野にはヤマチャが自生し、古くから手もみや日乾番茶など製茶が盛んでした。昭和29年(1954年)、当園の脇久五郎は静岡で選抜されたばかりの「ヤブキタ種」をいち早く導入し、当時は困難とされていた挿木育苗に成功、地元に普及し、栽培面積45ヘクタールの茶産地として育てあげました。以来50年余、新宮茶は恵まれた自然条件と勤勉な農家に育まれて、香り日本一と評される山峡独特の香りと強い滋味で全国各地のお茶通の皆様から好評をいただいております。
当園は、新宮茶の創始者・脇久五郎の栽培技術を受け継ぎ昭和34年(1959年)、自園自製工場を設立して以来、栽培、製造、販売と一貫経営で新宮茶のパイオニアとして、頑張っています。特に昭和58年(1983年)からは、山間茶園の利点である天敵利用で自然の生態系をとりもどし、栽培期間の農薬不使用により安全な茶を作っております。 百姓ゆえ商売はへたですが誠実をモットーにうまい茶作りにはげみます。 よろしくお引き立て下さいませ。
1200年の昔、新宮・馬立ては…
中央より南海道をへて土佐国府へ通じる陸路の最短ルートとして太政官道が拓かれ山背駅が設置されたところで、この山深い里に、すでに集落があったと考えられます。 また、近くには江戸時代、土佐藩主の参勤交代行が通った、土佐街道や馬立本陣、脇本陣があり、町の中心には紀州・新宮より平安初期に勧請の四国第一大霊験所熊野十二社宮や、古野地区には奥の院仙竜寺などがあり、最近では歴史のロマンと豊かな自然を求めて、人々がたくさん訪れるようになりました。
親・子・孫三代のお茶つくり
新宮茶の生みの親、育ての親といえば脇久五郎翁である。翁は昭和62年88歳で逝去されたが、茶業振興の功績によって、昭和51年(1976年)井邦賞、昭和53年県功労者表彰を受けた。また昭和57年7月4日のテレビ愛媛の『えひめ人その風土』で久五郎翁の茶に取り組む姿が放映された。ビデオテープをもとに当時のことを再現してみよう。「昭和29年(1954年)だったのう。村長(石川重太郎氏)に『ええ品種の茶があるんだが作ってみんか。』と言われてのう。崖から飛び降りる気持ちで始めたんだ……」当時新宮村の生業は、タバコ、ミツマタ、養蚕が主体であった。県の農事試験場工芸作物専門技術員の落合千年氏が、茶の品種としてヤブキタ種(昭和28年茶農林6号として農林省登録品種になった優良品種)の導入を積極的に指導した。それは新宮村は銅山川から立ち込める朝霧が発生すること。地形が傾斜地で排水もよく、緑泥片岩の風化土壌で茶の栽培に適していたこと。四国の石鎚山麓(ろく)には昔よりヤマ茶が自生していること。などの茶栽培の立地条件をそなえていたのである。
石川村長や落合技術員の熱心なすすめがあったとはいえ、30年来タバコ作りをやってきて、茶に切り替えても成功するかどうか疑わしい。周囲の人々もどうせ失敗するだろう、無謀なことをするとみていた。10aの畑にヤブキタ苗を植え付けた。ときに久五郎翁は55歳であった。苗木の成育、施肥、晩霜対策などはじめての経験で試行錯誤の状態であった。研究書で勉強したり、先進地視察も度々行い研究をする。朝も昼も夜もお茶、お茶、お茶の生活であった。
昭和34年(1959年)、初めて新茶を収穫した。静岡県茶業試験場で「香りは日本一」の折り紙がつけられた。久五郎翁は「あの感激は忘れられんのう。やっと報われたという気持ちでしたなあ。それにしても、苗木を植えて茶を収穫するまで、全然収入がなくて家族には苦労かけましたよ。」と述壊している。
茶樹は挿し木して増やす。湿度とか土壌に恵まれていたので、挿し本の活着率もよかった。当時は、県内でヤブキタ種の導入を試みているが、成功したのは久五郎翁だけであった。苗木は村内の農家や県内の茶産地にも送られた。新宮村の茶の栽培はスローペースではあったが徐々に普及して行った。なぜかと言えば、この地域の山中にはヤマ茶がいくらでも自生している。山中に自生しているものを、なぜ畑に植えなければならないのか。というのが当時の村人の考えでもあった。そんなことで、茶栽培の初期には小面積の畑とか、傾斜が急で畑作に不便な場所に植えられてきた。それでも昭和45年(1970年)には村内に45haの茶畑が拡まった。
次に苦労するのが、新宮茶の販売であった。当時茶といえば静岡や宇治の知名度が高く、新宮茶は市場でも全くといってよい程知られていなかった。
久五郎翁の茶作りにかける情熱に感化されたのが、長男である博義さんである。昭和32年、33年の2年間、博義さんは静岡県の茶栽培農家に住み込んで茶の栽培や製茶の修業をすることになった。当時、交換留学の制度があって、静岡からは南予のミカン農家に来ていた。新宮村からは博義さんともう1人が静岡へ留学した。
静岡から帰って、中古ではあるが製茶機械を買い、納屋を改造して製茶工場も作った。製茶はしたが、販売に苦労した。知名度もなく、信用もない。さらに山地での栽培で手摘みしかできない。九州や静岡の平坦地で、温暖な土地の生産にくらべ収量も少ない。どうしてもコスト高になる。
当初のころは新宮茶の市場はなかった。荒茶問屋に売る場合も、飲んでみるとうまいなという顔をするが、いろいろ文句をつける。ヤブキタという品種に慣れていない。宇治あたりのソフトな味になれているので、「あくどい」とか「きつい」とか文句をつけて買いたたかれる仕末であった。これでは作っても採算がとれない。そこで消費者に直売することにした。博義さん自身が、お茶好きといわれる人々を尋ね歩いて、少量ずっだが飲んでもらうようになった。新茶ができるとその人たちに、新茶ができましたと一煎(せん)ずつ送って、新宮茶の宣伝に努力した。
お茶はしこう品だけに、ヤブキタ茶は宇治茶に慣れた口には、きついがこくがある。一度飲んだら、結構まあヤブキタ茶のとりこになるという一面もあった。徐々にではあるが、新宮茶の得意もできてくるようになった。昭和34年(1959年)製茶工場を持った年に、宇摩郡の土居消費生協が発足した。土居生協から新宮茶購入の話があり、販路の安定をみることになった。その後、新宮茶は香りが良く、おいしいお茶と評価され、販売も伸びていった。また昭和56年(1981年)えひめ生協からも声がかかり納入することになった。新居浜の住化生協(現アイコープ)も新宮茶を取り扱うようになった。現在では新宮茶『脇の茶』の販売の大部分は生協である。
低農薬栽培から無農薬栽培へ
脇の新宮茶をなぜ生協は、商品として積極的に導入したのか。新宮茶が香りが良く、おいしいということだけではなかった。新宮茶が無農薬栽培で、安くて飲んで安全な茶ということが大きな要因であった。博義さんは無農薬栽培について、次のように話した。「静岡から帰って、栽培や管理は、静岡で習った方式でやっていた。虫が出れば薬をかけるのが当然のことと考えていた。新宮で5月に茶摘みする時期は虫はつかないが、6月の二番茶の時期になると多少虫が出てくる。お茶の三大害虫はハマキ虫、ウンカ、ダニである。大発生すれば農薬を撒布していた。新宮では熱心な農家は農薬撒布するが、全然しない農家もあった。新宮の地形が傾斜地であったり、茶畑が家から遠いところにあったりして、撒布には不便である。農家の若い労働力不足ということもあり、撒布せずに済めば、これに越したことはないが、当初は越冬害虫を殺すため秋口に1回は撒布していた。新宮茶は低農薬で安全だということが、生協さんにとって大きな魅力であったんでしょう。消費者との懇談の中で、低農薬でなく無農薬でやれないかという話があったんです。」
無農薬栽培にふみきっだ動機
生協との懇談や申し入れがあった時期に、「昭和58年(1983年)に父親が入院する。続いて母親も入院する。めいも入院ということで、家内が看病の付き添いをする。それで1年間は茶畑は放置された状態でした。本当に茶畑はボロボロになっていました。静岡から茶摘機のメーカーの人が、秋口に来るという連絡があり、あんまりボロボロの茶畑をみせるのは恥ずかしいので、弟と2人で前日に剪定(せんてい)しました。」翌日の状況について、『こーぷらいふ』№66の「脇の茶特集号」に次のような記述がある。「その翌日は、とても良い天気でした。脇さんは、茶畑を見ようと家の上に上がりました。その時です。脇さんは、強い衝撃を受けました。茶畑には、一晩のうちに、一面朝日を受けてキラキラと蜘蛛の巣が張っていたのです。前の日に剪定したばかりだというのにです。農薬をかけていれば、蜘蛛は死に、巣も張ることはできなかったはずです。末だに、その光景は忘れられないと言います。『これが、天敵利用ということなんだな』と脇さんは直感しました。『理屈では分かっていても、なかなかそこへ踏み切ることは難かしいというのが本音だったのですが、それを見て、こりゃ、いけるなと。うちは当然やるし、他の農家にも呼びかけたんです。』と話された。」
その翌年から、天敵を利用した無農薬栽培に踏み切ることになった。現在はクモ以外にもハチやテントウムシなど、自然の生態系利用で新宮村では無農薬栽培が定着している。
無農薬栽培のための土作り
脇さんは、「無農薬で作るための絶対の条件は、土作りです。新宮村では茶の代表的な病気はモチ病です。病気に耐えられる茶樹を作るには、有機物を土にたくさんすきこむことです。」と言う。だから窒素成分の多い化学肥料は使用しない。魚粉、油粕、たい肥を茶畑の溝にまき、その上に山草やカヤを土壌の敷草とする。除草剤を使用しないから、夏場は草とりが大変であるが、山草を敷くことは、土壌に有機質の補給と、雑草の繁茂を防ぐ一石二鳥の役割を果たすことになる。新宮茶の栽培と製茶
脇さんところでは、茶の栽培を始めたころは5反百姓であったが、その後の規模拡大で、平成5年は1.6haの茶畑をもつようになった。5月の一番茶手摘み、6月の二番茶の茶摘みの時期は、季節雇いを含め20名ほどが従事する。新宮村全体では、平成4年度で栽培農家数380戸、このうち生葉販売農家数142戸、栽培面積42ha、生葉生産量162t、荒茶生産量35tにまで成長した。県全体のうち新宮村の割合は、栽培農家数6.7%であるが、栽培面積では16.5%、生葉生産量21.6%、荒茶生産量22.0%と県下に占める地位は高い(図表2-2-16参照)。とくに新宮茶が、「香りは日本一、飲んでおいしく安全な茶」という評価と信用を将来も持続し、新宮村の特産品として定着させる必要がある。そのために脇さんは自費で、『新宮茶園だより』、『新宮茶の栽培指針』を発行している。それを村内の全栽培農家に配布して、技術指導や啓蒙活動を続けている(図表2-2-17参照)。『新宮茶園だより』は昭和52年(1977年)に第1号を発行してから、平成5年4月で第75号まで続いている。脇さんのところでは、農家から持ち込まれる生葉の買い上げと、農家の委託加工もする。加工場では専属3名で、茶摘み時期の4月から7月までの生葉が多く持ち込まれる時期は、10名程度が雇用される。新宮で生産される製茶の60%、販売の70%が脇さんの製茶工場で取り扱っている。村内には他に農協の加工場と、個人の加工場がある。
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