絶滅したと思われていた海鳥の一種「ブライアンズ・シアウォーター」が
2011年に世界自然遺産に登録された小笠原諸島で発見されたそうです。
絶滅を疑われていた鳥類が再発見された例は、約60年前のアホウドリ以来です。

瀬戸内海の島々だと、女木島のチュウジョウムシや、小豆島のカンカケイニラ
などの島の固有種がいます。島の閉じた環境だと固有な進化をとげたり、
他の地域で絶滅した生き物が生き残っていたりするのですね。


写真:2005年1月に父島で保護されたオガサワラヒメミズナギドリ(小笠原自然文化研究所提供)

絶滅とされた海鳥、小笠原で再発見 90年代以来の観察 – 朝日新聞

約20年前にミッドウェー諸島で観察されたのを最後に、地球上から姿を消したとみられていた海鳥が、小笠原諸島で見つかった。絶滅を疑われる鳥類が国内で再発見されたのは、約60年前のアホウドリ以来で、小笠原諸島が唯一の繁殖地である可能性があるという。日本の研究チームが8日、ハワイで開かれる国際学会で発表する。

 森林総合研究所(茨城県つくば市)などが、小笠原諸島で1997年から昨年までに採集された小型のミズナギドリ類の6羽の標本を詳しく調べた。

 DNA鑑定の結果、ミッドウェー諸島で90年代まで観察されていて、昨年、標本研究から新種と判明した海鳥と一致した。この海鳥は20年間姿を確認されておらず、この間に絶滅した可能性があるとみられていた。全長25~30センチで、翼を広げた幅は55~60センチ。ミズナギドリ類としては体が小さく、足が青色、尾羽が長いなどの特徴がある。

小笠原諸島での発見
1997年以降、小笠原諸島の父島、母島で各1個体、2つの無人島で計4個体、合計6個体の小型のミズナギドリが発見された。このうち2005年に父島で発見された個体のみが生存したまま捕獲され小笠原自然文化研究所で保護されたが、後に死亡した。捕獲当時この個体はヒメミズナギドリである可能性が高いと目されていたものの、青い足、目の上までの白さ、寝るときに足を羽毛の中にしまい込むなど、小笠原諸島に生息するミズナギドリとは異なる特徴が確認されたため、しばらく種の特定ができずにいた。発見された6個体は標本にされDNA型鑑定による種の確認が行われた。その結果、この6個体全てのDNA型がブライアンズ・シアウォーターのそれと一致することが2012年に分かった。小笠原でブライアンズ・シアウォーターが発見されたのはこれまで12月から5月の間であったが、小笠原諸島周辺海域は冬の間荒れることが多く研究者の渡航が困難であるため、このことにより発見が遅れた可能性がある。

ブライアンズ・シアウォーター – Wikipedia

ブライアンズ・シアウォーター(英語:Bryan’s shearwater、学名:Puffinus bryani)とは、ミズナギドリ目ミズナギドリ科に属する鳥類である。ブライアンズ・シアウォーターという名はハワイのホノルルにあるバーニス・P・ビショップ博物館の元管理責任者で、1920年代から1950年代にかけてハワイの生物の調査研究を行ったエドウィン・ホレス・ブライアン・ジュニアの名前に因んでいる。ミッドウェー環礁に続き小笠原諸島でも発見されたことから、現在和名をオガサワラヒメミズナギドリとすることが提案されている。


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参考:
“絶滅”の海鳥、小笠原諸島で生き残りを発見 – はてなブックマークニュース
絶滅のはずが…ミッドウェーの海鳥、小笠原で発見 – 日本経済新聞
「絶滅」海鳥を小笠原で発見 – @niftyニュース
ブライアンズ・シアウォーター – Wikipedia
【生物】絶滅したと思われていた海鳥「ブライアンズ・シアウォーター」、小笠原諸島で発見…数百羽生息か
ブライアンズ・シアウォーターとは – 新語時事用語辞典 Weblio辞書