瀬戸内海の小豆島(香川)、沖之島(香川)、前島(岡山)、似島(広島)、興居島(愛媛)などが、
離島の人口減少を防ぎ定住を促進する「振興対象地域」に新たに追加されます。
離島振興法の対象地域に指定されると、学校や港湾設備の整備に補助が受けられるなど、
国から多くの優遇が受けられるようになります。
The Minister of Land, Infrastructure intend to give approval to Remote Islands Development Act for some islands, Shodo island(Kagawa pref.), Okino island(Kagawa pref.), Mae island (Okayama pref.), Nino island(Hiroshima pref.), Gogo island (Ehime pref.). If the islands are designated as a Remote Islands Development Act,they receive favorable treatment to improve ports, schools and so on from government.
今回の半世紀ぶりとなる
離島振興法対象地域の基準見直しの
ポイントは2つあります。
1つは、これまでは定期航路が充実している
小豆島のような島は対象外だったのですが、
この要件をなくし、ある程度充実した航路を持つ島でも
人口減少率が大きければ対象となるよう基準が変更されます。
2つめは、島の人口を100人以上としていた要件を
50人以上と引き下げたことです。
これによって人口減少で困っている島もある程度は、補助対象になるわけですが、
それでも、人口があまりに少ない離島は指定解除を受ける可能性があり、
今後の議論に注目が集まります。
Important aspects of this readjustment are 2 things below.
1) Even if there are many ships going to the islands like shodo island, they can be designated as the low.
2) The population of the island should had been more than 100 people to be designated as the low. The lower limit of population of the island will change from 100 people to 50 people. However some island may be unspecify because of falling population.
指定解除の可能性がある瀬戸内海の離島
淡路島の一部(兵庫)
松島(岡山)
六口島(岡山)
青島(愛媛)islands which may be unspecify at Seto Inland Sea
part of Awaji island (Hyogo pref.)
Matsu island (Okayama pref.)
Muguchi island (Okayama pref.)
Ao island (Ehime pref.)
時事ドットコム:小豆島など6島を新規指定へ=離島振興で見直し-国交省審議会
国土審議会(国土交通相の諮問機関)の離島指定検討部会は24日、離島の人口減少を防ぎ定住を促進する「振興対象地域」として、新たに小豆島(香川県)など6島を指定することで大筋合意した。指定解除対象となる離島について、委員から異論が出たため、最終的な見直し案の取りまとめは今週中に行う。
小豆島以外には、沖島(滋賀県)、前島(岡山県)、似島(広島県)、沖之島(香川県)、興居島(愛媛県)が指定される見通し。
対象地域に指定されると、学校や港湾整備に関する国の補助率が引き上げられるほか、税制面で優遇を受けられる。政府が7月中にも告示する。
同省は4月、人口減少に悩む離島に配慮し、指定対象とする人口要件をこれまでの「100人以上」から「50人以上」に緩和。また、人口減少率が大きければ、定期航路がある程度充実していても対象となるよう基準を変更した。
小豆島の離島指定検討/大島、沖之島も候補 | 香川のニュース | 四国新聞社
国土交通省は、離島振興法の対象となる地域の基準を約半世紀ぶりに見直し、香川県の小豆島など13県の23有人島を新たに「離島」に指定する検討を始めた。本来は遠方の島への経済支援が目的だが、近年は人口減が進む本土に近い島も活性化のため指定を希望しており、現状に合うよう改正する。ただ島の事情はさまざまで、統一的な基準づくりは難航しそうだ。
現在離島に指定されているのは254島(別の特措法がある沖縄と奄美、小笠原を除く)。基準は(1)本土からの距離が外海で5キロ以上、内海で10キロ以上(2)人口100人以上(3)定期船の寄港回数が1日3便以下―などで、1964年を最後に見直されていない。指定されれば、公共事業費の補助率かさ上げなどが受けられる。
昨年6月の離島振興法改正では、無人島化や著しい人口減少を防ぐことが法の目的として新たに盛り込まれ、該当する23の島が候補になった。島外への高校生の通学や妊婦の通院などに活用できる交付金も創設された。
国交省によると、候補23島のうち、小豆島(2010年国勢調査で人口3万167人)は、定期船が1日80便以上あり本土との交流も盛んだが、若者流出に悩んでいる。香川県は「定住、移住の促進に弾みをつけたい」と指定に意欲を示す。
香川県内ではこのほか、国立ハンセン病療養所の入居者や職員ら関係者だけが住む高松市の大島(115人)、小豆島有数の漁業基地となっている土庄町の沖之島(75人)も候補になった。
滋賀県の琵琶湖に浮かぶ沖島(343人)は、法改正で湖沼の島も対象となったため候補に浮上した。漁業や観光が主産業で、島を抱える近江八幡市が活性化に取り組んでいるが、対岸からの距離が3・3キロのため現行基準には該当しない。
昨年末に開かれた国交省の検討部会では、有識者委員から「人口100人未満の島も対象にすべきだ」と基準緩和を求める意見が相次いだ一方、「本土の中山間地の振興とバランスが取れるのか」と慎重な声も出た。
国交省は3月に新基準案を決める方針だが「候補の島は事情が違いすぎ、一律の基準を当てはめるのは難しい」(離島振興課)のが実態。人口が少ない島の指定は費用対効果を考慮する必要もある。国交省は現地調査の上、今夏にも新たな離島を指定する見通しだ。
離島振興法:本土と離島の生活格差を是正するため1953年に施行。昨年の改正で適用期間が2023年3月まで再延長された。国の責務として無人島の増加や人口減少を防ぎ、定住を促す施策を積極的に進めることも明記した。具体的には、風力発電といった再生可能エネルギーの活用や、介護サービス、教育、防災など幅広いソフト事業を支援する「離島活性化交付金」や、税制優遇や規制緩和をする「離島特区制度」が柱となる。
各地域、再生の契機にと歓迎/離島指定検討 | 香川のニュース | 四国新聞社
「島再生の契機になる」「インフラ整備の促進を」―。小豆島や高松市大島など香川県内3島が離島振興法指定の検討対象となったことについて、各地域からは一様に歓迎や期待の声が上がった。
県内最大の離島である小豆島の指定に関し、「大歓迎。2年後には瀬戸大橋の通行料金引き下げも控えているが、バランスがとれた地域活性化を推進するためにも前向きに検討してほしい」と話すのは岡田土庄町長。「観光が最盛期だった昭和30年代、『イメージダウンになる』と指定を拒否した過去もあるが、観光客や人口の減少が進み、時代は変わった。指定されれば島の再生を図る一つの大きな契機になる」と期待を込めた。
塩田小豆島町長は「離島を地域社会をリードする存在として捉え、積極的な支援を投じようとするものならば歓迎」と離島の定義を強調した上で、「生かせるものであれば活用したい」と話した。
島内の経済界や各種団体の代表者らで構成する「小豆島振興協議会」の会長を務める黒島啓県議は「遅れているインフラ整備の促進に期待したい」とする一方で、「夜間便の創設や料金体制の見直しなど航路問題も検討課題に挙げてほしい」と注文をつけた。
また、大島がある高松市の担当者は「非常にありがたい。瀬戸内国際芸術祭の舞台としてアートで振興を図るなど、振興策について国や県、大島青松園の担当者らと議論を深める契機になる」と話した。
県政策課によると、県内には5市4町に24の有人島があり、小豆島や大島など3島を除き、すべて離島指定を受けている。
指定されると、港湾や道路整備など公共事業の補助率かさ上げなどの優遇措置が受けられる。また、昨年6月に成立した改正離島振興法(2013~22年度)では、各自治体などが取り組む定住促進や観光交流、防災対策などの各種事業に対し、国が経費の最大2分の1を補助する「離島活性化交付金(仮称)」の創設も盛り込まれている。
平成22年度 香川大学瀬戸内圏研究センター学術講演会 鈴木勇次氏「離島振興法と瀬戸内海島嶼」
ご存知の通り、センサスその他の統計は、すべて自治体単位、市町村単位でしかデータがございません。最近、人口については、小地域、すなわち集落単位についてデータが出てくるようになりましたけど、小さな島も大きい島も含めて、島単位でデータを把握するというのは、意外に大変なことでございます。これを、いろいろと苦労しながらデータを作ってまいりました。そういうことで、島に関するデータが、地域を考える際には、きわめて大事だということです。
これを行ったそもそもは、実は、これもご存じの方おられるかもしれませんけれども、民俗学者の「宮本常一」という方でした。かつて私の関係した、全国離島振興協議会の初代事務局長でございまして、宮本先生から、「島に行く時には必ずデータを持っていけ。島の人と話すときにデータがいかに大事であるか。」と。宮本先生の話し方をそのまま借用しますと、例えば、農業生産、水産業、漁業水揚げを高める時に、どのように説明すると島の方々に理解いただけるか。例えば、1反あたり6俵の田んぼ、これを7俵にするためにはどうしたらいいのだろうか、あるいは、水揚げ高が、いま1トン5,000円のものを、5,500円に、あるいは6,000円にするにはどうしたらいいんだろうかと言うときに、このような具体的な数字を並べて話すと分かる、まあそんなことがありまして、「島に行くときには、常に、資料、データを持っていきなさい。」ということを言われて、データを一生懸命作るようになっていました。
そのことはさておきまして、今日皆さん方にお伝えしたい、あるいは一緒に勉強したいと思いましたのは、全国のいろんな形である島、この中から、特に、瀬戸内海の、しかも離島振興法との関係にテーマを絞って、お話しすることにしました。と申しますのは、すでに、この瀬戸内圏研究センターの方で、島のことというか、瀬戸内海のこと自体については、かなり勉強されていると伺いました。
従いまして、瀬戸内海とは何かとか、志賀氏の景観論の話ですとか、そういった話をいろいろしましても、二重手間になってしまうかなと思いまして、むしろ一番大事な、私からみて大事だと思いましたのは、離島振興法という法律との関係でございます。これはご存知の方も多いと思いますが、この法律と瀬戸内海との関係、もう少しストレートにいますと、なぜ、瀬戸内海の島は離島振興法の指定を受けるようになったのだろうかという、いきさつについて若干お伝えしたいと思いました。
参考:
離島振興法 – e-Gov(イーガブ)総務省
離島振興法 – 国土交通省
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