シェア9割!日本で唯一・最大の手袋の産地、香川県東かがわ市 – Higashi-kagawa city, No.1 glove-producing region

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香川県東かがわ市は130年以上もの歴史を持つ、日本最大の手袋の産地です。その生産量はなんと手袋の全国生産の約90%。冬に身につける手袋はもちろんのこと、野球のバッティンググローブから、フェンシング、消防・警察、農業などありとあらゆる私達の身の回りにある手袋を生産している多種多様な工場が集結しています。
そんな手袋の産地で、東かがわ市産にこだわってつくっている『tet.(テト)』という手袋ブランドが立ち上がりました。どの手袋もとても素敵なものばかりなので全国のショップやネットショップでチェックしてみてください。

Higashi-kagawa city of Kagawa pref., Japan is No.1 producing region of gloves. 90% of all of these gloves in Japan are produced in Higashi-kagawa city. It’s boasting the highest number across the country.

“tet.” is located in the glove producing region of Higashi-kagawa City in Kagawa Prefecture. Through cooperative work with a specialist from outside the community, “tet.” was able to establish a company brand and succeed in cultivating a market for its products in an urban area.


東かがわ市にあるとある路地裏を抜けると


老舗の手袋屋『福田手袋』さんの工場があります。なんと、1913年(大正2年)、創業105年!長年培った縫製技術を活かし、手袋を中心とした服飾雑貨の企画・生産・販売などを行っています。


手袋製造を担う職人さんの工場。多くの女性が活躍されています。


今回、取材させていただいたのは、「tet.(テト)」という新しくできた香川県東かがわ市産にこだわった手袋ブランドの手袋。こうした綺麗なステッチを縫う技術も貴重な職人さんの技術に支えられています。


各工程を職人による手作業で丁寧に仕上げています。


手作業にこだわることで、敏感で繊細な動きを必要とする手袋の使い心地を実現しています。


専門の職人によって洗練された技術がここにはあります。


「tet.(テト)」の箱。贈り物にもぴったりです。

あまり知られていませんが、全国のなんと9割もの手袋がここ東かがわ市でつくられてきます。香川県東かがわ市は、1888年から続く手袋の一大産地です。冬に寒さから手を守る手袋、野球・ゴルフ・スキー・フェンシングなどのスポーツ用手袋、結婚式のブライダル手袋、消防士の手袋、トゲトゲの柚子を収穫するための手袋まで、実に様々な手袋がこの地で生まれています!この技術の多様性をなんとかしてお届けしたい。

Higashi-Kagawa City of Kagawa pref. is a major glove manufacturing center, with a 120-year history in the industry and a 90% share of the domestic market.


抜型(ぬきがた)。
荒断ちをすませた材料は、抜き型を使って手袋全体を構成する主(おも)や親指などに裁断されます。木型は曲線をカットすることができなかったため、手袋のボディや指の丸みだけをつける鋼鉄製の刃型が登場しました。今ではコンパクトな裁断機(プレス機)が開発され、部品全てが簡単に型抜きできるようになっています。


裁ち包丁と木型。
手袋のボディをかたどった2枚の板の間にハサミなどで荒断ちした材料を適度に重ねてくさびで固定し、裁ち包丁を木型の指の間に差し入れたり、指先や周囲を切りそろえて裁断しました。裁ち包丁は砥ぐ時に摩耗してしまい、1年間に1本は使いきっていたといいます。木型は、子ども用・婦人用・紳士用と用途によって大きさを変えて作られています。

なぜ香川が手袋の産地?|tet.(テト) from HIGASHI KAGAWA

手袋産業が東かがわへやってくるきっかけは、明治時代まで遡ります。

そのはじまりは、1888年、東かがわに住んでいた住職・両児舜礼(ふたごしゅんれい)と一人の女性との駆け落ちでした。
現代のように当人同士の意思で結婚ができる時代ではなかった当時、2人は大阪へと移り住みました。そこで生計を立てるために始めたのが手袋製造だったのです。

その2人の事業を助け、拡大していくために、従兄弟の棚次辰吉らが経営に加わります。1892年、両児舜礼の病死後も、棚次辰吉がその意志を継いで事業を続けていくことになるのです。

一方でこの時期、彼らのふるさとである東かがわでは、地場産業が衰退をはじめていました。
香川県はもともと温暖かつ降雨量が少ない気候で、製糖業や製塩業が発達した地域でした。
東かがわが発祥である白砂糖も、江戸時代後期には全国一の生産量を誇った塩も、温暖少雨の気候条件に適していたのです。
しかし明治時代後期には、砂糖、塩共に外国からの輸入が増えたことで生産量が減少し、産業は衰退をはじめます。
産業に従事していた人たちの生活も苦しくなっていきました。

そのような状況の救済策として、大阪で手袋製造を営んでいた棚次辰吉に相談が持ちかけられたことで、その技術を持ち帰り、東かがわで手袋製造が始まることとなったのです。

いわば、人々が生き抜き、町が存続していくための智慧でした。

それから130年近く経ちます。
大戦景気やその終戦による反動、世界恐慌など、さまざまな歴史的な出来事に伴い、多くの企業が淘汰されたり、整理統合されていったりした中、地域の多くの人々の努力により、香川県の手袋産業は発展・継続し、日本一の手袋産地となったのです。

手袋豆知識|日本手袋工業組合
香川県の東端に位置する東かがわ市は、おおよそ130年という長い年月のなかで、時代によって変わるニーズに応えてきた手袋のまち。現在では、商品の多様さ、品質の高さなどから、国内はもちろんのこと、世界でも屈指の手袋総合産地として知られるように。そんな東かがわの歴史と今。ほんの少しだけお伝えします。

その生産数は、全国生産の約90%。
東かがわを中心とするこの一帯は、現在、日本唯一の手袋産地であり、日本国内で生産される手袋のうち、約90%以上の生産量を維持し続けています。手袋産地として長く発展している裏側にあるのは、創成期から変わらない「チャレンジ精神」。時代のニーズに適応しながら新しい分野に挑戦していく姿勢こそが、変わりゆく時代のなかで常にシェアNo.1を誇る理由です。

おおよそ130年、手袋といっしょに。
手袋産地としての歴史のはじまりは、明治時代。大阪でメリヤス手袋製造を家業とした両児舜礼師と、その遺業を継ぎ、故郷である松原村の教蓮寺境内に手袋製造所「積善商会」を開設した棚次辰吉翁の両名によって、香川・東讃地区での手袋製造は、スタートしました。

着実に地域に定着していった手袋製造業は、大正3年に勃発した第一次世界大戦をきっかけに産業としての基盤を確立。その後、太平洋戦争の終結により復興を目指した手袋産業は、香川県を代表する産業に成長してきました。その後、昭和30年代の神武景気、岩戸景気と大型消費ブームにのって世界一の手袋産地に。昭和50年代からは海外へと生産工場を移すなど、規模を拡大していきました。

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「瀬戸内日和」 (テレビ 岡山放送/フジテレビ系列 8ch OHK/岡山・香川)

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1 Comment

  1. 棚次憲二

    8年ぶりに手袋資料館にお伺いしたいと考えています。

    子どもの頃、可愛がってくれた山の爺さんコト棚次辰吉翁の業績再確認に

    お伺い致します。

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