広島県三原市沖の無人島、宿禰島(すくねじま)へ。
瀬戸内国際芸術祭こえび新聞、映画のロケ地アーカイブ特集で、映画『裸の島』(1960年 / 新藤兼人監督)のロケ地として紹介させて頂いた島。モスクワ国際映画祭グランプリ受賞、カナダではかなり有名な映画だそうです。今回は、三原市や「裸の島《宿祢島》を愛する会」さんに特別に上陸許可を頂いて撮影させていただき、草刈りのお手伝いをしてきました。皆さま、ありがとうございました!
今は無人島ですが、かつてはお一人で暮らしていた方がおられたそうで、その痕跡のコーラやお酒の瓶が眠っておりました。旧石器時代の遺跡もあり、湧水もあると聞くので、意外に生きていけるものなのかもしれません。瀬戸内の島で暮らすことの、豊かさと過酷さについて考えさせられました。
刈った草が柔らかい土をつくって次の実りに繋がる。島一つで立体農業や循環がよくわかります。
I visited Sukunejima, an uninhabited island off the coast of Mihara City, Hiroshima Prefecture. The island was introduced as a location for the film Naked Island (1960 / directed by Kaneto Shindo) in the Setouchi International Art Festival Koebi Newspaper’s special feature on film location archives. The film won the Grand Prix at the Moscow International Film Festival and is quite famous in Canada. This time, Mihara City and the “Association for the Love of Naked Island” gave us special permission to land on the island to film and help cut the grass.
裸の島
公開年:1960年
ロケ地:広島県三原市宿禰島
出演者:乙羽信子
監 督:新藤兼人
Naked Island
Year of release: 1960
Location: Shukunejima island, Mihara city, Hiroshima Prefecture
Cast: Nobuko Otowa
Director: Kaneto Shindo
2024/11/05撮影
花崗岩の岩場
満潮時、南側の岸壁に船で乗り付けます。
なタ書のキキさんと、こえび隊のしょうこちゃん
荷物を持って登ります
山頂からの眺め
コーラの瓶。島での暮らしの痕跡
レトロフォント
崖の壁面に瓶がいれられています。
「裸の島」ロケ地を守る「防人」たち – 産経新聞 2022年10月04日
「裸の島」舞台 再び光を。新藤兼人監督生誕110年 – 産経新聞 2022年06月19日
2024/02/28撮影
三原港近くのタコ料理食堂
船をチャーター
MIHARA
工場
三原港
地図 1929年
1962年撮影 国土地理院航空写真より
[ストーリー]瀬戸内海の一孤島。周囲約500メートル。この島に中年の夫婦と二人の子供が生活している。孤島の土地はやせているが、夫婦の懸命な努力で、なぎさから頂上まで耕されている。春は麦をとり、夏はさつま芋をとって暮す生活である。島には水がない。畑へやる水も飲む水も、遥かに見える大きな島から伝馬船でタゴに入れて運ぶのだ。夫婦の仕事の大半は、この水を運ぶ労力に費いやされた。子供は上が太郎、下が次郎、太郎は小学校の二年生で、大きな島まで通っている。ある日、子供たちが一匹の大きな鯛を釣りあげた。夫婦は子供を連れて、遠く離れた町へ巡航船に乗っていく。鯛を金にかえて日用品を買うのだ。暑い日の午後、突然太郎が発病した……。
ドライブ・マイ・カーの広島巡礼でロケ地巡りにハマったアーカイブチームは、さらにディープなロケ地を選んだ。その場所は、映画『裸の島』の舞台となった広島県三原市にある宿すく禰ね島じま。1960年に公開され、当時の瀬戸内海の島々の原風景や暮らしの様子などが描かれているこの映画のロケ地が、どんな場所なのかを知りたいと思い訪れた。無人島の宿禰島に定期船はもちろんない。三原港からチャーター船に乗って島へと向かった。15分ほど走ったところで宿禰島に近づいた。上陸することはできないため、島の周りを旋回しながら、映画に映っていた場所がどの辺りなのか、確認した。隣の島から水を運んで、天秤棒を担ぎあの急坂を乙羽さんが登っていたのか…。島を目の前にすると、当時の撮影風景をよりリアルに想像することができた。チャーター船の船長の土居康人さんによれば、「撮影が行われた頃、私は高校3年生で地元にいなかったため、両親や従業員から話を聞いていた。出演者やスタッフのみなさんは、隣の佐木島に宿泊しながら通っていた。当時、木を切ってから撮影をしていたようだよ。今は木がたくさん生えているから、映画のタイトルの裸の島とは程遠いね」。公開後、モスクワ国際映画祭でグランプリを受賞し、カナダでは最も上映回数の多い日本映画とされ、海外でも人気が高い。宿禰島には、映画のロケ地が行われる以前から一人の男性が住んでいた(真水が出る場所があるんだそう)。男性も、そしてこの映画の中の4人の家族も、なぜこの島に住まなければならなかったのか。いろいろな想像を巡らせながら私たちはロケ地をあとにした。(ササエビ)
The Naked Island (Japanese: 裸の島, romanized: Hadaka no Shima) is a Japanese black-and-white film from 1960, directed by Kaneto Shindō. The film is notable for having almost no spoken dialogue.
The film depicts a small family, a husband and wife and two sons, struggling to get by on the Seto Inland Sea’s Sukune Island [ja] in Mihara, Hiroshima, over the course of a year. They are the island’s only occupants, and survive by farming. They must repeatedly carry the water for their plants and themselves in a row boat from a neighboring island.
When the boys catch a large fish, the family travels to Onomichi by ferry, where they sell it to a fishmonger, then eat at a modern restaurant.
While the parents are away from the island, the older son falls ill. The desperate father runs to find a doctor to come to treat his son, but when they arrive, the boy is already dead. After the boy’s funeral, which is attended by his classmates from his school on the neighboring island, the family resumes their hard life, with very limited opportunity for grief.
The island location in the film is an uninhabited island called Sukune off the coast of a larger island called Sagishima, part of Mihara, Hiroshima.
宿禰島(すくねじま)は、広島県三原市沖に浮かぶ無人島である。「禰」の異体字である宿祢島や、宿彌島(宿弥島)の表記もある。新藤兼人監督『裸の島』の舞台である。
歴史
この島の頂上付近で先土器時代の石器が発見されている。また頂部は「宿禰島古墳」という古墳であるとされている。三原には神功皇后が三韓征伐の際に立ち寄った糸碕神社など古代神話の伝承にまつわるものがいくつかある。それらの伝承の一つに、佐木島に大鷦鷯の尊(仁徳天皇)を祀り、そしてこの島に歴代天皇の忠臣であった武内宿禰の陵(墓)が建てられたと伝えられる。島の名前「宿禰」はここから来ている。この島の存在がクローズアップされたのは、1960年新藤兼人監督作品『裸の島』の舞台となったことである。映画は国際的に評価され、そのロケ地として観光客が訪れている。1960年代ごろまでは男性一人が暮らしていた。長らく民有地であったが、地権者の財産管理をめぐる問題で島の競売が決まり、「裸の島」ゆかりの地として残したいという意向から新藤監督の次男が募金を呼びかけて約300万円を集めたが、2014年2月にアパート賃貸業者が約800万円で落札。落札者との交渉の結果、新藤サイドが買い取り同年4月に三原市に寄贈された。『裸の島』(はだかのしま)は、1960年(昭和35年)11月23日公開の日本映画である。近代映画協会製作・配給。監督・脚本・製作は新藤兼人。モノクロ、シネマスコープ、95分。経営危機にあった近代映画協会の解散記念作品として、キャスト4人・スタッフ11人で瀬戸内海にある宿禰島でロケを敢行、撮影期間1か月、500万円の低予算で製作。孤島で自給自足の生活を行う4人の家族の葛藤を台詞を排し、映像美を追求することで傑作と称される域に高めた。作品はモスクワ国際映画祭グランプリを始め、数々の国際映画祭で受賞、世界60カ国以上で上映された。興行的にも成功し、近代映画協会は解散を免れた。
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