小豆島の名勝、寒霞渓(かんかけい)の山頂にある石碑が
気になり写真撮影したのでメモしておきます。
参考:大阪探勝わらぢ会 – 瀬戸内生業史ノート

I found and took photos of the orientation stone at Kankakei Gorge.
It is ranked as one of Japan’s three most beautiful gorges.


ここはかつての寒霞渓の展望台。


そこにある石のオブジェ。
普通なら通りすぎてしまうただの石。


しかし、考古学者の乗松さんをはじめ
せとうち暮らしのメンバーはくいつきます。
乗松博士にいたっては、むしろこれを探していたそうです。


これは、方位石といって、天面に東西南北の方位が示されています。


100年も前に人々が地図をもって、方角を確認しながら、
西日本各地をめぐり観光をしていた根拠でもあります。


写真だとわかりにくいですが、「大阪探勝わらぢ会」と書いてあります。
今から105年前、1910年(明治43年)に大阪の観光旅行団体が設置したもののようです。
わらぢ会は、1906年(明治39年)頃に大阪の地図出版社主催の旅行団体。(参考:瀬戸内生業史ノート
岐阜の養老公園(大正2年1月)
香川県の女木島(昭和6年10月/こちらは「大阪探勝わらぢ會」)
愛媛県の道後温泉(大正8年4月)
同様の石碑ががあるようです。

ちなみにこの石碑がおかれた1910年は、
岡山県宇野港と香川県高松港を結ぶフェリー、宇高連絡船が開業し、
ハレー彗星が接近、柳田國男「遠野物語」が書かれた年でもあります。

ちょうど先日かいた観光案内図などが流通し、
寒霞渓にも観光客が多く訪れていた時期。この石を設置してツアーに利用していたのでしょうか。
詳細をご存じの方がいらっしゃいましたらご連絡ください。

参考:旅の目的地・道後温泉に建てた石碑 – 瀬戸内生業史ノート