ふとそんなことを思いついたのでメモ。

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本日は、高松市役所でMICE振興戦略策定の会議に参加させていただきました。MICEというのは、会議(Meeting)、表彰式や研修旅行(Incentive)、国際会議や学会(Convention)、芸術祭や展覧会やスポーツ・音楽イベント(Event)のことです。MICE誘致を軸に、高松らしい魅力発信やコンテンツづくり、施設の充実や窓口の一本化などについて議論されております。
その中で、「高松Tゾーン」という考え方が示されていました。サンポート高松や屋島などウォーターフロントの施設集積を活用し、高松空港からのアクセスを充実させるというもの。とても明瞭でわかりやすいいいアイディアです。高松の「T」ですし。

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高松市民の人に実験でマインドマップ(心の地図)を作ってもらったことがあるのですが、市民の多くは高松市は高松港の岸壁のところで世界が終わっています。その先に島があるということをあまり認識していません。瀬戸内国際芸術祭で離島に光が当たっているにも関わらず、それでも島に行ったことのない市民はまだ多くいます。まさに、T字の行き止まりの構図が市民が描く高松マップと言うことが出来ます。
しかし、日本どころか世界的に見ても都市のメインターミナル駅からたった20分で島にいける、こんな町はそう多くありません。「高松らしさ」をウリにするのであれば、昔からの風習が残る女木島(めぎじま)や若い世代の移住が進んでいる男木島(おぎじま)、そして観光地として認識されてはいないかもしれませんが、国立ハンセン病療養所の大島青松園の存在もとても重要です。他の地方都市と差別化し、高松市独自の魅力を県外や世界に発信していく上で、島々の存在はとても大切だと私は考えています。

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ということで、ふと帰りに自転車に乗っている時に頭によぎったのは、「T」ではなくて小文字の「t」にしたらいいんじゃないかと。「T」の頭からちょこっと上に伸ばして離島も含めて都市計画を考える。そして、小文字の「t」は尻尾もちょこっと曲がっているので、空港から南東にある塩江温泉郷も含めることができるというわけです。
例えば現状の高松駅周辺の景観設計について考えてみましょう。6年前にはじめて面接に来て高松駅に降り立ったときの驚きはいまでも覚えています。高松駅や空港から到着するバスターミナルから1歩外にでたときに見える景色に、瀬戸内海はみえません。すぐそこに海があるはずなのに、シンボルタワーや合同庁舎の配置があまりよろしくなく海への視界を遮ってしまっています。もし、瀬戸内海や島のことが設計者に意識があったのなら、駅やバスターミナルから女木島へのビスタ(通景線)を通して、高層ビルの配置計画をしていただろうと思います。
すでに建っているものを動かすのは不可能ですが、いまからでも遅くありません。今後のサンポートの開発は不確定なところがまだ多いのが現状です。新県立体育館の建設などサンポートの開発は進む可能性がまだあります。その時に島の存在を意識しながら計画するかどうかで、結構設計方針は変わってくるんじゃないだろうかと感じています。
ということで、日本一小さな県の小さなまち高松は、スモールを意識してこれまでの「T」から「t」へと都市ビジョンを転換してはどうだろうか。とふと頭に浮かんだので書いておきます。
以上、メモでした。