高松市は、アーティストを保育所などに派遣する「芸術士派遣事業」を行っています。
行政としては日本初のこの「アートな保育」は、
高松市内にある27箇所の保育所・幼稚園・こども園に芸術士が派遣され、
子どもたちの自由な目線で、絵の具や楽器をつかった表現する機会が設けられています。

「レッジョ・エミリア・アプローチ」という
北イタリアのレッジョエミリアという地域で戦後まもない時期にはじまった
地域の共同保育運動を参考にした活動です。

その子どもたちのエネルギーにあふれた
賑やかな報告展が、高松市美術館で開催中です。

Takamatsu city has be running the artist sending project to nursery center for children. The project was inspired by the Reggio Emilia approach. The Reggio Emilia approach to preschool education was started by the schools of Reggio Emilia after World War II and it’s well-known all over the world, being one of the most advanced systems at present times. It is based and inspired on theories of Malaguzzi, Bruner, Vygotsky, Dewey, Piaget and Gardner. Reggio Emilia helds the International Centre Loris Malaguzzi, a modern structure where the Reggio Emilia approach is implemented, exported and spread around the world.

The exhibition of the project takes place at Takamatsu city museum, Kagawa pref., Japan.

平成25年度 高松市芸術士派遣事業 活動報告展「芸術士とこどもたち」

日程:2013年10月23日(水)〜11月3日(日) 会期中無休
時間:9:30〜17:00(最終日〜13:00)
場所:香川県高松市紺屋町10−4 高松市美術館1F講堂
料金:入場無料
主催:高松市 NPO法人アーキペラゴ

「子どもたちがやがて大人になった時に、小さな時にヘンテコなお兄さんやお姉さんがいた頃を、ふっと思い出してほしい。そして、人生っていろんな色で溢れていていいんだと、気づいてくれればそれだけでいいのです。」
(平成24年度高松市芸術士派遣事業活動報告書『芸術士とこどもたち』より)

「芸術士」が、保育所や幼稚園・こども園で生活を共にしながら、子どもたちの興味や芸術表現をサポートするアートな保育が、2009年秋より高松市で始まっています。市内27箇所の保育所・幼稚園・こども園で展開するこの事業は、自治体が独自に取り組む保育支援の事例としては初めての試みです。
この取り組みは、アートの創造的経験によって子どもの可能性を広げる「レッジョ・アプローチ」がヒントとなっており、単発のワークショップや発表会に向けた制作ではなく、ひとりの芸術士が同じ施設に継続して通い、子どもの日常をアートの目線から“見守る”という関わり方をします。
この展覧会では、今年度参加した子ども・芸術士・保育士・幼稚園教諭が共に素材やテーマから学び・発見した活動のドキュメント(写真と文章・映像などの記録)や、活動の軌跡としての作品を発表します。子どもたちの自由な発想と創造力の世界と素晴らしい表現や可能性の数々、芸術士たちの関わりを是非ご覧ください。

Exhibition of the artist sending project to nursery center for children.

Date ; 23rd October – 3rd September 2013
Time : 9:30-17:00
Place : Takamatsu city Museum (10-4 Konya town Takamatsu city, Kagawa pref., Japan)
Fee : Free

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芸術士派遣事業とは

高松市では、保育所に芸術士を派遣する「芸術士派遣事業」が2009年秋より始まりました。現在市内25箇所の保育所( 園) で展開するこの事業を請け負っているのは、香川県高松市に本拠を置く特定非営利活動法人アーキペラゴという団体で、初年度は緊急雇用創出基金事業、次年度からはふるさと雇用再生特別基金事業を活用し実施しています。 多くのこどもたちが共に過ごす保育所を舞台に、こどもたちの感性と創造力の芽を見つめ育む環境を整備すべく、アートを通じた活動経験を有する「芸術士」は、週1~3日ペースで保育所( 園) に派遣され、単発のワークショップの実施ではなく、芸術士が年間を通して保育に参加するという試みで活動を続けています。 活動報告展、冊子の発行、2010年瀬戸内国際芸術祭うみあかりプロジェクトへの参加、そして昨年2011年7月には高松琴平電気鉄道とのタイアップ企画など、こどもたちと地域を繋ぐ役割も担っています。アートを媒体としたこの取り組みが、これから社会を担っていくこどもたちを豊かに育くむ力となり、また子育てを社会ぐるみで取り組めるきっかけづくりになっていく事でしょう。 感性と創造性の可能性を知り、それを体現している「芸術士」たちは、地元高松を拠点に活動するアーティストです。彼らの専門は様々で、絵画、彫刻、漆芸、染織、身体表現、音、光、言葉など、あらゆるアプローチでこどもたちに語りかけます。 また、芸術士は、結果ではなく、過程を大切にします。竹をテーマにした楽器づくりや遊具づくりのプロジェクト、保育所へ大量の木材を持ち込んで小屋を建てるプロジェクト、芸術士で結成した台詞の無い人形劇公演など、めまぐるしく移行していくこどもたちの関心のところどころに興味の種を蒔くように、様々な企画が展開しています。プロジェクトは、進むに従い、更にそれぞれのこどもの興味へと枝分かれしていきます。芸術士自身も、その化学反応を楽しみながらプロジェクトを進めています。 そもそもこどもたちが何かを表現したいという欲求の源は、自分も社会の一員であるということを他者に認めてもらいたい感情にあるのでしょう。芸術士は、そんなこどもたちの可能性を狭めることなく、こどもたちの創造力を最大限に引き出す環境づくりに努めています。

 

芸術士活動 | プロジェクト | NPO法人 アーキペラゴ

アートを通じた表現活動を通してこどもたちが自律し、物事を柔軟に対応できる多様性を持った人間に育って欲しい。そして周りの大人もその過程を一緒に楽しみたい。そんな豊かな保育環境をめざし、高松市の保育所へ作家である芸術士を派遣し、こどもたちの興味や芸術活動をサポートする活動を行っています。

Through activities which focus on artistic expression, we hope to help our children develop into creative young men and women with the ability to respond flexibly to the situations they encounter. By commissioning artists to visit the preschools of Takamatsu city, our project supports the creation of a fertile preschool environment that will spark the interest of our children and promote artistic activities that can be enjoyed by preschoolers and their adult companions alike.


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参考:
PDF:総務省 保育所への芸術士派遣事業
再展示決定!「第2回 芸術士のいる保育所」 | 芸術士活動 | NPO法人 アーキペラゴ
第2回 芸術士派遣事業活動報告展 芸術士のいる保育所 · 芸術士のいる保育所