徳島県神山町の山奥でみかけた三椏(ミツマタ)の群生地。徳島県では、国立印刷局に納める「局納みつまた」の産地がありますが、これは栽培しているものではなく、スギ林に群生する三椏です。

I found oriental paperbushes at Kamiyama town, Tokushima pref., Japan.

ミツマタ – Wikipedia

ミツマタ(三椏、学名:Edgeworthia chrysantha)は、冬になれば葉を落とす落葉性の低木であり、ジンチョウゲ科のミツマタ属に属する。中国中南部・ヒマラヤ地方が原産地とされる。3月から4月ごろにかけて、三つ叉(また)に分かれた枝の先に黄色い花を咲かせる。そのため、「ミツマタの花」は日本においては仲春(啓蟄〔3月6日ごろ〕から清明の前日〔4月4日ごろ〕まで)の季語とされている。皮は和紙の原料として用いられる。

明治になって、政府はガンピを使い紙幣を作ることを試みたが、ガンピの栽培が困難であるため、栽培が容易なミツマタを原料として研究し、明治12年(1879年)、大蔵省印刷局(現・国立印刷局)抄紙部で苛性ソーダ煮熟法を活用することで、日本の紙幣に使用されるようになっている。国立印刷局に納める「局納みつまた」は、2005年の時点で島根県、岡山県、高知県、徳島県、愛媛県、山口県の6県が生産契約を結んで生産されており、納入価格は山口県を除く5県が毎年輪番で印刷局長と交渉をして決定された。しかし、生産地の過疎化や農家の高齢化、後継者不足により、2005年度以降は生産量が激減し、2016年の時点で使用量の約9割はネパールや中国から輸入されたものであった。国内では岡山県、徳島県、島根県の3県だけで生産されており、出荷もこの3県の農協に限定された。

手漉き和紙業界でも、野生だけで供給量の限定されたガンピの代用原料として栽培し、現代の手漉き和紙では、コウゾに次ぐ主要な原料となっている。現代の手漉き鳥の子和紙ふすま紙は、ミツマタを主原料としている。