夏至
2003年夏至、文化人類学者の竹村真一先生の元で100万人のキャンドルナイトという、夏至と冬至にキャンドルを灯しゆっくり過ごそうというムーブメントの立ち上げに奔走し、仲間たちと企画に魂を込めていました。この活動はもともとスリーマイルの原発事故があった後にアメリカで起こった節電運動の影響で起こったものだったのですが、私自身は環境運動畑ではなかったので、実行委員会の中でもちょっと違う方向性を模索していました。キャンドルナイトという企画は、いつも忙しく過ごしている人も、この日だけはゆっくりと過ごしませんか、という提案で、家族と絵本を読むのもいいですし、恋人とご飯をつくってゆっくり過ごすのもいい。言ってみれば【空っぽの時間】の提案としてはどうだろうか。というコンセプトメイキングを仲間たちとしてきました。そして、それから10年以上たって四国食べる通信を四国の仲間と立ち上げるわけですが、四国食べる通信もこのキャンドルナイトと全く同じで時間の提案、過ごし方の提案なのだと思っています。2ヶ月に一度、この食べる通信が届く日は、会社の仲間や家族や友人と一緒にテーブルを囲んで欲しい。だからパッケージの設計をする時、2人ぶんの食材に設定したのです。10年以上前から文化人類学に関わるさまざまなプロジェクトを共にし、そしていまは食べる通信の仲間である玉利 康延くんと東京・都電テーブルにてお話します。つまるところ、10年以上も、キャンドルナイト、食べる通信、hanasaka時計と。玉ちゃんとともに「時間」について考えてきたのかもしれません。

https://www.facebook.com/events/247464648953786/

キャンドルナイトを立ち上げて何年かした時に、【キャンドルナイトやめました宣言をすべき】という提案をこれも実行委員会のなかでさせていただきました。それは、毎年、実行委員会が何かイベントを企画して、広告宣伝費つかってPRしてという、広告代理店にありがちな消費型のムーブメントはもうやめにして、僕らが撤退して、「記念日」だけが痕跡として残っていくほうがムーブメントとしては正しい形なのではないかと思っていました。それが実を結んだのかはわかりませんが、僕らがまったく仕掛けたわけでもないのに、こちらでもたまに夏至や冬至にキャンドルを灯しているのを見かけ、不思議な気持ちになります。

This is my way to spend time in the summer solstice.

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