上勝町ゼロ・ウェイストセンター
住所:徳島県勝浦郡上勝町大字福原字下日浦7-2 [Google Map]
電話:050-3438-8110
KAMIKATSU ZERO WASTE CENTER
ADDRESS:7-2, Aza Shimoniura, Oaza Fukuhara, Kamikatsu-cho, Katsura-gun, Tokushima [Google Map]
TEL:050-3438-8110
2020年9月30日 – 30th Sep. 2020
ホテルの受付にいくと印象的なシャンデリア。同じ中村拓志さん設計のRise&Winにもある、上勝町の廃材のビンを活用してつくられた照明です。
ホテルにチェックインするとまず、使うぶんだけの石鹸をカット。無駄なゴミを出さないための工夫。
古新聞に包んで部屋へ。
これも捨てられていた昔のラジオをリユース。iPodからFMトランスミッターで音楽を飛ばして使用しているようでした。見た目もアンティークでいいかんじですが、音の響きも懐かしいかんじ。
床の素材にも廃材の陶器を破砕したものが使われています。
リサイクルショップとして器も販売。
本や映画のビデオ
レスキュー(救助)したリサイクル品の重さをKg(キログラム)で表示。ディスプレイも破砕陶器でできていておしゃれ。
上勝町で使われていたタンスや机などを組み合わせて作られた棚。
窓ガラスや冊子も上勝町で使われていたものをリユース。
ビール瓶用のケースがテーブル台に。
上勝町産材の木材一本を効率よく柱にしています。
製材の際のムダがでないようにする工夫であり、この建物を壊して別の使い方をするときにもリユースしやすい工夫でもある。
三輪車
リサイクル素材でつくられた遊具
花王のおかえりブロック。洗剤やシャンプーなどの使用済みのつめかえパックを回収し、再生樹脂に加工しています。
この日は雨だったので傘をお借りしたら、この傘も地元の小学生が使っていたとおもわれる傘をリユース。
ランドリーの洗濯機
LABORATORY
見慣れたカゴが本棚に。
WHY
リサイクルの説明ボード。サーマルリサイクル、マテリアルリサイクル、リサイクルできない。
朝食をいただいた後、さっそくゴミを捨てに『ゼロ・ウェイストセンター』へ。
受付
瓶(びん)の分類。透明の瓶と茶色の瓶、その他の色の瓶
宿泊中に出たごみを分類していきます。その数なんと45分類。
「?」の平面図の上部のカーブ。
ゴミの分類はプライベート情報を含んでいるので、上勝町住民の導線と、宿泊者や視察者の導線が円周の外側と内側で重ならないように設計されています。
トラックの重さを大型の秤(はかり)。台貫(ダイカン)や看貫(カンカン)と呼ばれます。
パックを洗って干しています。
捨てる前にパックの裏面をみると、リサイクルに関する情報が書いてあります。キャップ、内フタ、外装フィルムがリサイクル可能なプラスチック。
生ゴミを微生物の力によって土に還すための装置。生ごみ処理容器『キエーロ』。香川県葉山町で開発されたもので、お隣の徳島県佐那河内村(さなごうちそん)でも利用されています。
スコップで軽く掘って
コーヒー豆のカスを捨てます。
廃材を使って作られたベンチ
ステンシルでWHYの文字をプリントするとオシャレに見えます。
雨垂れ
花王のつめかえ用パックを再生樹脂にしてつくられた『おかえりブロック』
コワーキングスペースとしても活用
上勝町で使われていた机や棚を絶妙に高さを調節、組み合わせてつくたれた本棚。
上勝町ゼロ・ウェイストセンター
住所:徳島県勝浦郡上勝町大字福原字下日浦7-2 [Google Map]
電話:080-2989-1533
KAMIKATSU ZERO WASTE CENTER
ADDRESS:7-2, Aza Shimoniura, Oaza Fukuhara, Kamikatsu-cho, Katsura-gun, Tokushima [Google Map]
TEL:080-2989-1533
EXPERIENCE
WHY do you buy it?
WHY do you throw it away?
We, consumers are asked
WHY do you produce it?
WHY do you sell it?
We, producers are asked
At Kamikatsu Zero Waste Center, producers and consumers learn from everyday waste and aim for a waste-free society; always keeping in mind the concept of “why?”.ABOUT KAMIKATSU
1 hour drive from center-city Tokushima.
700 meters above sea leve, the town is covered with moutains and terraced rice fields.
A population of 1,500 people.
Japan’s first “zero waste” declaration in 2003.
Zero waste in Kamikatsu = a society that focuses on not generating waste, instead of how to treat waste. Since the declaration, waste collection has not been conducted and raw waste has been used as compost.
Residents bring various “resources” to the garbage station and sort them into more than 45 categories. After 17 years, the recycling rate exceeds 80%.ABOUT ARCHITECTURE
The town of Kamikatsu in Tokushima Prefecture aims to become a sustainable recycling community , and has pledged to produce zero waste by 2020. Its recycling rate has already reached 80% by sort ing wastes into 45 different categories, but to achieve t his goal, there is a need to reconsider not only the structure of waste processing of recycling, reusing, and reducing (3R), but also the awareness of product suppliers, the production -sales-consumption relationship , as well as our very own life styles. Moreover, we felt the need to create an opportunity for those who visit the facilities from all over Japan and the world to reth ink not only waste sorting/co llecting centers and recycling centers, but also our lifestyles. Thus, we planned and designed accommodations where visitors can experience firsthand the sorting of wastes into 45 different categories, seminar rooms for consumers, sellers, as well as producers, and a commun ity center & off ice that promotes, researches, and teaches about the zero-waste movement, and to provide a place for t he town residents to meet and communicate.
Kamikatsu ‘s key industry was once forestry , but all that remains today is neglected cedar forests. For the building structure, we decided to use the cedar logs in their original forms in order to minimize the processing and avoid creating waste. Retaining the thickness of the wood made it stronger than sawn square t imber , while the presence of wood is beautiful. However, they are hard to dry, mark, process, and unsuitable for pre-cuts, thus we decided to roughly saw the logs and sandwich the timber between the two pieces of timber and fasten them with bolts. This eliminated the need to process the joints, and the simple assemblage with a circular washer inserted in between the members and fastening with just one bolt allowed for local contractors to handle construction/ maintenance and simplified sort ing process when demolished. This linear architecture with repeating frames with an identical cross-section has a structure where column positions can be offset for easier maneuvering in rooms where waste collection trucks and forklifts rotate, which makes the architecture gradationally transform. We viewed discarded fittings and farming too ls etc. as resources, and used them as the exterior and fixt ure materials of the build ing, and used glass bottle and ceramic cullets as ter razzo aggregate. We asked manufacturer and companies to donate bricks, ti le, wood flooring, fabrics, and other materials that they were planning to dispose, and redesigned them for reuse. In addit ion to reusing, recycling, and local production for local consumption, we actively hired local vendors to revitalize the local economy. At the recycling center with its wall covered with stacked chests of drawers and cabinets, a grandmother may point at her old bridal wardrobe and share the family history with her grandchild. By visualizing and making maximum use of Kamikatsu’s resources rather than considering them to be “wastes,” we begin to value things and realize the richness of the life in this town. By embodying the identity of the town in the architecture, it allows people in th is town to be proud of their way of living.
– Hiroshi Nakamura & NAP Hiroshi Nakamura
WHY do you buy it?
WHY do you throw it away?
なぜそれを買うのか?
なぜそれを捨てるのか?
私たち消費者は問いかけられます
WHY do you produce it?
WHY do you sell it?
なぜそれを作るのか ?
なぜそれを売るのか?
私たち生産者は問いかけられます
上勝町ゼロ・ウェイストセンターでは、WHYという疑問符を持って生産者と消費者が日々のごみから学び合い、ごみのない社会を目指します。上勝町について
徳島市内から、車で約1 時間。
大部分が標高700m 以上の山地に覆われ、
急な斜面に棚田や段々畑の風景を残す
徳島県上勝町人口約1500 人徳島県上勝町。
2003 年に自治体として日本で初めての
『ゼロ・ウェイスト(Zero=0、Waste=廃棄物)宣言』を行いました。
上勝町のごみをゼロにする=ごみをどう処理するかではなく、
ごみ自体を出さない社会を目指し、上勝町ではごみ収集を行わず、
生ごみなどはコンポストを利用し、各家庭で堆肥化。
瓶や缶などのさまざまな「資源」を住民各自が
『ごみステーション』に持ち寄って45 種類以上に分別、
『ゼロ・ウェイスト宣言』から17 年経過した現在、
リサイクル率80%を超えています。建築について – ABOUT ARCHITECTURE
徳島県の上勝町は持続的な循環型社会を目指し、2020 年までゼロウェイスト達成を公約に掲げている。同町はゴミを45 分別す ることで既に再資源化を8割達成しているが、その目標に向けて、 リサイクル、リュース、リデュースの3R といったゴミを処理す る側の体制にとどまらず、製品の供給側の意識や、生産と販売と 消費の関係、ひいては私たちの暮らし方そのものを考え直すこと が必要になる。そして、日本や世界各地から見学に訪れる人たち にも、ゴミの分類・収集所とリサイクルセンターだけでなく、私 たちの暮らしを再考するきっかけをつくるぺきだと考えた。そこ で、実際に45分別を体験する宿泊施設や、消費者・販売者・生 産者に向けたセミナールームや、ゼロウェイスト運動の発信・研 究・教育の機能を併せ持ち、また町民の出会いや語り合いを作り 出すコミュニテイセンター&オフィスを企画・設計した。
かつて上勝の主要産業は林業であったが、今は荒れた杉林が残る ばかりである。我々はこの杉を用いて加工を極力少なくして、上 勝らしくごみそのものを出さないよう、丸太のまま架構として使 用することにした。木の太さのまま使うので、製材した角材と比 べると強度は高く、木の存在感が美しい。しかし乾燥しにくく墨 付けや加工も難しく、プレカットにも向かないため、丸太を太鼓 落としとし、材を二つの材で挟み込んでポルト締めする方法を採 用した。これにより仕口の加工を不要とし、接合部に丸座金を 挟み込みボルト1 本だけで緊結可能な明快な納まりとすることで、 町の業者でも工事やメンテナンスが行え、解体時の分別も単純化 できる設計となった。この同一断面の架構が反復するリニアな 建築は、ゴミ収集トラックやフォークリフトが転回する部屋は作 業がしやすいように柱の位置をオフセットできる構造となってい て、グラデーション状にトランスフォームする建築となっている。 外装や什器は、廃棄された建具や農具等も資源と捉えて再活用し、 ガラス瓶や陶器のカレットは洗い出しや研ぎ出し、テラゾーの骨 材に利用している。廃棄処分される予定であったレンガ、タイル、 フローリング、布などをメーカーや企業に呼びかけ提供してもら い、リデザインして活用している。このようなリュース・リサイク ルや地産地消のほかに地域の業者を積極的に採用し、地域経済の活 性化を目指した。積層されたタンスが壁一面を覆っているリサイ クルセンターでは、おばあちゃんがかつての自分の嫁入り箪笥を指 さして、孫に家族の歴史を語るかもしれない。r ゴミJ ではなく上 勝町のr資源J を最大限活用し可視化することで、物を大切にし、 町の生活の豊さに気づく。町の固有性を建築に込めることで、町民 が自分たちの暮らしに誇りを持てる建築である。
– Hiroshi Nakamura & NAP
中村拓志
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