舞台美術を考えるときに頭の隅においておく事は、
思考の純度を高めるためにできるだけシンプルにしています。
ペンをもってアイディアを練るとき、
頭のすみっこににぎっているのは舞台に必要な最小限のことです。
今回は、
「子宮の中のラストシーン」
「父親の背中を見せたいキッチンのシーン」 このふたつ。
最初に最小限の与件から、アイディアのふろしきを広げたら
あとは、出はけ口や裏動線や照明・音響との関係など
それを現実的に芝居をする空間にするためにふろしきをしまっていきます。
その時にやはり経験と技術が問われます。
全ての機能的な条件を答えていくと、
ふろしきがどんどん小さくなってしまいます。
そのあたりが、まだまだ僕の未熟な部分で、もっと修行が必要なところです。
この問題は舞台美術だけでなく、
他のあらゆるデザインの仕事でも同じことなんだろうなとおもいます。
最初のアイディアをいかに小さくしないでふろしきをたためるか、
いかに純度の高い状態でお客さんにみせることができるのか、
今の僕にとってはそこが勝負どころなのだろうな。
そのための技術をもっとみにつけなくては。