写真:神山という土地の暮らしを感じる旅 「ジカタビ in 神山」 – 物語を届けるしごと
魚離れを食い止めようと、高松市のふぐ料理店の料理人、友沢敏雄さん(64)が、県や県水産振興協会の料理教室などで簡単な魚料理のレシピを教えている。旬の県産魚を使い、昨年は40回を数えた。今年の教室も、すでに10月の予定が埋まりつつある。
ある平日の昼間、主婦ら25人の教室で、友沢さんがオリーブハマチをさばく。参加者からは「切り口が鮮やか」「立派な包丁ねえ」。友沢さんが「腕がいいって言ってよ」と返すと、笑い声が上がった。
「魚料理はめんどくさくない。簡単にできるレシピを広めたい」。小学生や高校生、主婦や企業幹部らに教える。冬はハマチをよく使う。切り身にタマネギやニンニク、砂糖、しょうゆなどを加えてフライパンで焼くステーキ、刺し身と県産ノリで巻きずし、アラとエノキ、豆腐で赤だし……。ほかに、タイ飯やタコ飯、カツオのヅケ丼、タタキなども作る。
友沢さんは大分県別府市の出身。高校を卒業して大阪の製薬会社に就職し、夜は日本料理店で働いた。その後、大分市でふぐ店を30年間続けて引退した。
たまたま訪ねた高松市の知人の紹介で、スーパーの魚の仕入れを任された。人に頼まれて料理店を4年半手伝った。ふぐ専門店がないと聞き、2002年にふぐ料理店「百(ひゃく)とら」(高松市福田町)を始めた。
6年前、右手に痛みを感じ、月状(げつ・じょう)骨軟化症と診断された。「右手は命。ダメになったら何も残らない」。手術でひじの骨を手首に移植した。ギプスで3カ月間固定したが、腕は鈍らなかった。「毎日、包丁を握っていた証拠だよね。誰かに頼ってもらえるのがうれしいから、これからもいろんなレシピを教えたい」
総務省によると、高松市の2人以上の世帯が1年間に買う生鮮魚介は2010年に4万1515円。10年前から4割近く減った。(飯島健太)
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