春のめざめ
アレクサンドル・ペトロフ (ロシア)

いまさらですが、DVDが発売されたようなのでメモ。
ユーリー・ノルシュテインの生徒、アレクサンドル・ペトロフ の映画。
ガラスペインティング(ガラス板に油絵具を指でつけ描く)という技法で制作。
ガラス板の上に油絵の具で絵を描き写真に撮り、
その絵の具を少しだけふき取りつぎのコマを描く。

 > 16才の少年アントンが好きになった相手は同じ年頃の少女パーシャと、
 > そして、もうひとり・・・25才のセラフィーマ。
 > アカデミー賞受賞監督アレクサンドル・ペトロフが
 > ロシアの文豪ツルゲーネフに捧げる、甘くて残酷な思春期の物語。
 油絵が動く!
 > 淡く甘い筆致で描かれた二人の女性がリアルに動く~
 > 淡い色彩で移ろいゆく瞬間をキャンバスに描きとめたといわれる印象派絵画。
 > そんな美術館で鑑賞するような油彩画が、スクリーン上で感情豊かに動き出す。
 > 作品を見た誰もが、まずはその美しさに圧倒されるだろう。
 > 主人公アントンが恋をする二人の女性、
 > パーシャとセラフィーマはまるでルノアールの絵画から抜け出してきたように甘く、
 > 淡い色調で描かれている。
 > 青を基調とする風景のいくつかはモネの風景画を彷彿させる。
 > 一幅の絵として十分に耐えうるこれらの絵が、しかもリアルに動くのだ。
 > この技法は、ガラス絵手法と呼ばれ、透明のアクリル板に油絵具で直接絵を描き、
 > 変化する部分を消したり付け足したりして、動く映像を完成させていくというもの。
 > アニメーションにも様々な方法や表現がある中で、
 > 膨大な時間と手間のかかるのがこの技法。
 > いわゆるセルアニメーションとはまったく異なったこの表現方法が、
 > 作品に見応えのある迫力をもたらしている。
 > そして、この動きこそ思春期の少年のめくるめく心象風景を鮮やかに表現している。
 > 妄想は風景となり、風景は愛しい人へと続いていく。
 > 恋をした人にしか見えないそんな景色が美しい油絵で綴られている。

 ユーリー・ノルシュテインのコメント
 > アレクサンドル・ペトロフ監督は、モスクワの映画大学を卒業しました。
 > その後、“アニメーションの監督とシナリオライターのための特別コース”を受け、
 > 私と出会ったわけですが、私の生徒の中でも、特に才能のある人です。
 > ガラスに油絵の具を使って、主に指で一枚一枚絵を書いていくという
 > 手法において彼と肩を並べる人物は、世界中探してもおそらくいないでしょう。


参考:
アレクサンドル・ペトロフ (Wikipedia) [Link]
平成18年度(第10回)文化庁メディア芸術祭 優秀賞 春のめざめ [Link]
春のめざめ | シネマスクランブル [Link]