提灯で思い出した舞台構成。演出 蜷川幸雄によるシェイクスピア “十二夜”
場所は歌舞伎座。客席に無数の赤い提灯が並んでいる。
オープニング、暗転して幕が開くとそこは前面鏡。
映っているのは自分たち。赤い提灯がぼんやりと光る、会場がどよめく。
もう一度暗転し照明がつくと、
それまで自分達が映っていた場所には大きな桜の木が咲いている。
瓜二つの二人がすれ違うという脚本にあわせた鏡の演出。
しかけはマジックなんかでよくあるハーフミラー使ったあれです。
ミラーに映る夕日、ボンネットに映る月が
直接それをみるよりも何か惹きつける力が強い気がします。

『十二夜』は、シェイクスピアが書いたロマンティック・コメディーと呼ばれる作品のひとつです。
「十二夜」とは、クリスマスから数えて十二日目の夜、
東方の三博士がキリストの誕生を祝うために現れた日のこと。
イギリス・エリザベス朝の頃、クリスマスからこの日にかけて、
宮廷などでは舞踏や演劇が盛大に催されました。
そんな賑やかな雰囲気や、音楽的、祝祭的な要素が
ふんだんに盛り込まれたお芝居が初めて歌舞伎として上演されます。
中略
日本のみならず海外でもその手腕の評価が高い蜷川幸雄が初めて歌舞伎の演出を手掛けます。
イギリスの生んだ大劇作家シェイクスピアと当代を代表する演出家蜷川幸雄、
四百年以上の歴史の中で育まれてきた伝統芸術“歌舞伎”の
未だかつてない夢のコラボレーションがついに実現いたします。
歌舞伎座七月興行情報より