作庭家・重森三玲も認めた息呑む石庭、国の名勝「阿波国分寺庭園」 

Posted on 6月 15, 2016 in あるく・みる・きく, 建築 タグ:

はっと息を呑むほどの圧倒的な存在感を放つ庭が徳島県、四国遍路15番札所の国分寺にあります。全国の庭園調査もしている作庭家の重森三玲さんは、この庭の実測調査を1966年(昭和41年)に行い、「庭園の石組は、各時代を通して、日本庭園中での第1級品」と評価、自身の作庭にも大きな影響をあたえています。

There is National Place of Scenic Beauty Awa-Kokubunji Temple Garden.The temple is 15th temple on the Shikoku pilgrimage.

阿波国分寺庭園は、阿波の青石を力強く豪快に組んだ枯滝・枯池などで構成された石庭です。
全体として桃山時代に特徴ある意匠や様式を良好に示しているもので、学術上の価値も高いことから、文化財保護法に基づいて2000年に国の名勝に指定されました。江戸時代末期(18世紀末〜19世紀初頭頃)の琉璃殿(るりでん/正面に見える本堂)の建立に伴って現在の姿になったと考えられますが、この琉璃殿と一体となった風致景観にもきわめて優れた特色を見ることができます。
















薬王山 金色院 國分寺 – 四国八十八ヶ所霊場
住所:徳島県徳島市国府町矢野718-1 [Google Maps]
時間:9:00〜16:30
料金:300円
四国八十八箇所15番
庭園:国の名勝、徳島県史跡
駐車:普通車は無料で10台

Kokubunji temple
Address : 718-1 Yano, Kokubunji town, Tokushima city, Tokushima pref., Japan [Google Maps]
Time : 9:00〜16:30
Fee : 300yen
Shikoku pilgrimage No.15
National Place of Scenic Beauty of Japan
Parking : 10 cars


徳島県指定文化財 史跡 阿波国分寺跡

Awa Kokubunji Temple
Designated Cultural Property of Tokushima pref.

国分寺は、741年に聖武天皇の勅旨により、国分尼寺とともに全国に建立された官立の寺院です。
阿波国分寺跡は、1978年度以降の発掘調査で、金堂から延びると想定される回廊跡や築地塀跡、寺域を区画する溝などが確認されたことから、かつては西に塔を配し、金堂・講堂などが一直線上に並ぶ「東大寺式伽藍配置」を有し、現在の国分寺を中心とした方2町(約218m四方)におよぶ範囲に存在していたと考えられています。
現在境内の隅に残る塔心礎は、寺の南西側の「塔ノ本」の字名が残る水田の中から出土したと伝わるものであり、周辺地域には東門、西門、北門、坊などの字名が今も残っています。
発掘調査で出土した遺物の一部は、徳島市立考古資料館に収蔵・展示されています。

The Kokokubunji Temples (also officially known as Konko Myo Shitenno Gokoku no Tera) were nationally-owned temples erected throughout the country by imperial decree from Emperor Shomu in the year 741.

Excavations beginning in 1978 have uncovered the remains of a larger temple complex, including a cloister and mud wall thought to extend from the main sanctuary, as well as a gutter delineating the temple grounds. Based on these discoveries, the temple is thought to have had a pagoda to its west, with its main sanctuary, auditorium and other buildings lined up in a row in the style of Nara’s Todaiji Temple, forming a temple ground of over 200 square meters in area, the present-day Kokubunji Temple at its center.


中田ギャラリー

重森三玲氏(日本庭園史大系 桃山の庭 77頁)より
「本堂に上がって、左に廻ると、直ちに須弥山手法による石組みが、板石状の石によって立てられている。横と裏とに同じ板石状の巨石を傾斜させて中心石に挑みかかっている。この石組みなどを一覧すると、第一に作者が鋭い感覚によって選んだ庭石材料であることが分かる。何人もアッと驚きの声を放つだけの剛健極まりない石組みである。これほどの石組みは、各時代の石組みの中にも見出せない。全く見る者をして圧迫感を感じさせるもどのものであり、雄勁そのものである。」

重森三玲氏(日本庭園史大系 桃山の庭 80頁)より
「これらの石組みは、立石あり、横石あり、傾斜の石あり、逃ぐる石あり、追う石あり、入り込む石あり、留める石ありといった風で、千姿万態の自由自在な技法が駆使されている。そしてしかも剛健そのものであり、雄勁そのものであり、観る者をして身動きさせぬものを持っている。驚目、只驚き入る次第であり、最敬礼という訳である。」

重森三玲氏(日本庭園史大系 桃山の庭 80頁)より
「これらの対岸には、下部の護岸石組みを初めとして、上部にかけて三段の石組みがある。西部に近い上段の石組みは蓬莱式の石組みであって、何れも躍動的であり、横石と立石の組み合わせが自由奔放であり、剛健な手法が目に飛び込んでくる。」




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2 Comments

  1. ご隠居マーケター・ゲンちゃん
    06/16/2016

    阿波国分寺庭園、素晴らしいものが隣県にあるのですね。

    ぜひ、おとづれたいと思います。

    石庭は意外に難しいもののようで、これだけ躍動感のある

    石庭は初めて見せていただきました。

    置かれた医師それぞれが命を宿しており、その総和としての

    迫力に圧倒されます。

    素敵な写真のお知らせ、感謝です。

    Reply
    • yousakana
      07/02/2016

      ありがとうございます。身近なところにこのような素晴らしい石組みがしかもかなり古い時代からあったということに驚きです。ぜひ足を運んでみてください。暑い日が続いておりますので、熱中症にはくれぐれもお気をつけ下さい。

      Reply

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