捕物 (とりもの) [Link]石神夏希・新作COLUMBA



象の次は牛をメモ。
ペピン内ユニット、COLUMBAさんがSTスポットで公演だそうです。
僕が尊敬する先輩、仰さんが舞台美術ということでこれは楽しみだ。
そして相変わらずチラシなど宣伝美術がかっこいい。きよちゃん仕事してます。
 日程:2007年11月22日(木)~11月25日(日) 全6公演
 時間:22日(木)19時30分
     23日(祝)15時/19時30分
     24日(土)15時/19時30分
     25日(日)15時 ※開場は開演の30分前となります
 場所:STスポット(横浜)
 料金:前売2200円、当日2500円
 作・演出:石神夏希
 キャスト:岡本祐介 田中新一 寺西麻利子 中澤大輔 石神夏希
 美術:大貫仰
 照明:大迫浩二 近松光
 音響:小田切晃弘 吉田能
 宣伝美術:西川紘平
 制作:里見有祐
 牛ろめたい
 > 後ろを振り返ったら、汚い牛がいた。三間ほど離れたところから、
 > 私をジッとみつめていた。全身が泥にまみれ、乾いて毛羽立ち、
 > ところどころみっとも無く禿げていた。つやを失った鼻の上で光っているのは、
 > 売られていく子牛のような悲しい瞳。牛の瞳は哀しい。
 > 長いまつげの奥から、濡れた黒目がちな瞳が、
 > 言葉にならない畜生の哀しみを切ないほどに訴えかけてくるようだ。
 > ドナドナ、ドーナ、ドーナ。
 > 「グモウ」牛が啼いた。太く、くぐもって喉がひしゃげたような枯れた啼き声だった。
 > なんと可哀想に、姿が醜いばかりか声まで醜いのだ。
 > 牛は「モウ」と啼くものだ。優しく深い声で、のどかに「モウ」と啼くものであるのに、
 > 「グモウ」って。これでは誰も可愛がってくれまい。
 > 可哀想に。牛のあはれ、ドナドナ。
 > 「グモウ」牛のあまりみじめな様子に思わず眼をそむけた私の背中に向かって、
 > 彼は再び啼いた。太い、耳障りな声だった。思わず苛ッとして振り返った私を、
 > 牛は二間ほど離れたところからやはりジッとみつめていた。
 > その、哀しく濡れた瞳で。
 > だがしかし、牛は半笑いだった。乾いて不健康そうな鼻を突き出して、
 > しまりのない口を薄く開き、牛は半笑いで私を小ばかにするようにみつめているのだった。
 > そしてたしかにこう啼いた。
 > 「グモウ、ボンノウ」
 > 愚妄煩悩。それはもしかして私のことか。私のことを言っているのか。
 > たしかに、ほめられた生き方ではなかった。うそも随分ついたし、人もだました。
 > 友を裏切り、師に背いた。他人より損しないように立ち回り、
 > 得してる者の悪口を言った。燃えないごみを燃えるごみの日に出した。
 > コンビニでお釣りをUNICEFに募金しなかった。ミスを同僚のせいにした。
 > 恋人と肉まんを分け合うときは、いつも小さい方を相手にやった。
 > 馬鹿者を利用し、長いものに巻かれた。いじめは見て見ぬふりをした。
 > 親に「死ね」と言った。
 > 「グモウ、ボンノウ」。それは私だ。私のことだ。見ないようにしてたけど。
 > 気づかないふりしてたけど。汚くみじめな牛。汚くみじめな私。
 > もう振り返れない。牛が近づいてくるのが分かる。見たくないんだ、やめてくれ。
 > でももう一間もあるまい。牛の半笑いが、脂汗の伝う私の背中に絡みつく。
 > 「牛ろめたい」とか、シャレてる場合じゃないよ。
 > 私は汚くみじめな私を見るだろう。せめて私に哀しく濡れた瞳あれかし。
 > あはれ、ドナドナ。
参考:
COLUMBA公式サイト [Link]
ペピン結構設計 Pepin Structural Designs [Link]


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