アンテルカレール エミール・ガレ [Link]Charles Martin Émile GalléGlass Works of the Art Nouveau


僕は、あまりひとつの作り方に固執しないのですが、
ヒンツ・オブ・インスピレーション (Hints of Inspiration) という過程をふんで
アイディアを練ることがよくあります。
気になった自然現象や著名な作家の作品など “日常の気づき”
をメモしてあるのですが、それを頼りにアイディアのしっぽをつかみます。
このブログもその一環。
そして今回の舞台はガレのガラス工芸にヒントをもらっています。
和紙で二重皮膜をつくって
部屋から子宮のなかへと場面を切り替える舞台のアイディアは、
ガレやドーム兄弟のガラス工芸にみられる “アンテルカレール”
という技術にヒントを得て、着想にいたったものです。
 アンテルカレール:
 彫刻を施したガラスの上に別のガラスを被せ、
 さらに表面に彫刻を行うことで、奥行きのある装飾効果が得られる。
 カボション:
 カボションカットの宝石のような、
 半球体のガラスのかたまりを素地に溶着することで,立体的な効果が得られ、
 また、金や銀箔などをはさむと輝きが強まる。
 パチネ (patine):
 「古色をつけた」の意味。ガラスの表面を錆色にくもらせたり、濁らせる技法。
 ガラスに金属酸化物や硫化物の粉を部分的に混ぜたり、
 表面にまぶしたりすることで、素地とは色の異なる斑紋や筋があらわれる。
 ペルル・メタリック:
 細かく砕いた金や銀、プラチナなどの箔を透明ガラスに挟むことで、
 素地に金属的なきらめきが加わる。
 月光色ガラス (clair de lune): 酸化コバルトで着色した、淡青色の透明ガラス。
 マルケトリ (marqueterie): ガラスパーツをガラスへ象嵌する技法。
 もの言うガラス: 表面に詩の一節や警句などを記すデザインのガラス器についた名前。
細かい話は長くなるので、割愛しますが、
簡単にいうと、ガレやドーム兄弟を代表するアールヌーボーのガラスのランプシェードは、
複数のガラスの層でつくられているので、
ランプをつけたときと消したときとで表情がまったく変わるというものです。
詳しくは、美の壷のバックナンバーをご覧ください。
 > 光の魔術の秘密は、この器が、3つのガラスの層からできていることにありました。
 > アンテルカレールとよばれる技法が巧みに使われているのです。
 > ガレの制作過程を記録した資料は、いっさい残されていません。
 > ガラス作家の三浦世津子さんとそのグループは、
 > ガレの高度な技術の解明に取り組んでいます。
 > まず黄色いガラスに、茶色のガラスでつくったかげろうを ゆっくりと溶着していきます。
 > その上から乳白色のガラスの粉をつけていきます。このあともう一度炉に入れると、
 > 厚い乳白色の層ができます。
 > かたちを整え、3層の器が出来上がりました。
 > 三層構造にすると、なぜ光の魔術が可能になるのでしょうか。
 > 正面から光をあてると、乳白色の層が光を反射し、白く見えます。
 > ところが内側からの光では、茶色や黄色が乳白色のガラスをを通過します。
 > こうしてかげろうのシルエットが浮かび上がるのです。
 > それだけではありません。乳白色の層を、かげろうの部分だけをのこして削りとります。
 > 器の内側からの光では、同じように蜻蛉のシルエットが浮かび上がります。
 > ところが、正面から光をあてると、
 > かげろうは朝の光のなかで生まれ変わったように白く輝くのです。
 > 朝羽化して飛び立ち、そのゆうべにははかなく命を終えてしまうといわれたかげろう。
 > ガレは、小さな虫たちの生と死のドラマをガラスで作り出したのです。
 > 谷
 > 「なるほどなるほど。舞台もね、照明ひとつで雰囲気ががらっとかわるんです。
 > 光の演出ってやつですよね。時の移ろいまでガラスの中に封じ込めてしまう。
 > ガレっていうのはたいしたもんだねえ。」
 > 美の壷より一部抜粋
というわけで、箱根のポーラ美術館で、
ガレの展示会がやっているのでメモしておきます。
 日程:2007年03月24日(土)~09月17日(月)
 時間:09:00~17:00 会期中無休
 場所:ポーラ美術館 (箱根町仙石原小塚山1285)
 料金:一般1800円、大高生1300円、中小生700円 (土曜日無料)
 > フランス・ロレーヌ地方のナンシーに生まれたエミール・ガレ(1846〜1904)は、
 > アール・ヌーヴォのガラス工芸を代表する作家として知られています。
 > 初公開作品を含むポーラ美術館のコレクションに加え、
 > 国内屈指のガレ・コレクションを持つ北澤美術館からガレ最盛期の名品を特別出品。
 > ありのままの自然を愛し、
 > その姿を卓越した手法で造形作品へと写しとったガレの名作の数々を、
 > 箱根の深い森のなかでゆっくりご鑑賞ください。
参考:
エミールガレ美術館 [Link]
エミール・ガレ (Wikipedia) [Link]
ドーム兄弟 (Wikipedia) [Link]
ポーラ美術館 [Link]

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