2016年3月に香川県東かがわ市の丘で5世紀前後の石の棺(ひつぎ)、石棺(せっかん)が発見されました。その後の発掘調査で、5世紀に近畿地方で広まった長持形石棺のなかでも最も古いものであり古墳時代前期の石棺の形状変化を知る上で重要な手がかりということがわかりました。

I went to see remains of tumulus period. The stone coffin were found at Higashi kagawa city, Kagawa pref., Japan. I imagined ancient life at Seto Inland Sea.
In March 2016, there was a stone coffin in the city of Kagawa Prefecture, and the stone coffin (coffin) was found around the 5th century. After the excavation and research, it was the oldest of the nagamochi-shaped stone coffin that spread in the kinki region in the 5th century, and it was found that it was an important clue to know the shape of the stone coffin in the early kofun period.

2016年9月25日 岡前地神社古墳現地説明会


砂糖の神様、向良神社集合。
砂糖づくりの功労者、向山周慶(さきやま しゅうけい)さんを祀った神社として、
地元の人からは「砂糖神(さとがみ)さん」と呼ばれています。
説明会に集まった人数は、ざっとみても100人以上はいます。


集合場所から古墳のある発掘現場へ、田んぼの畦道をあるきます。
このあたりの地名は「湊」、塩田のための埋立てされた土地で
古代は海でした。小高い山の上にあった古墳を海や周辺の集落から眺めていたと考えられています。


いい天気。晴れて良かったです。


発掘された石棺は、もともとこのお墓辺りにあったものを
今の場所に移したものという声も地元にはあるそうで、
発掘した石棺が、この古墳に対応したものなのかどうか、
今後の発掘調査で明らかにしたいとのことです。


全長90m、香川県内でも大規模の前方後円墳がある可能性が高いと考えられています。


発掘現場に到着しました。


刳り抜き式石棺。
両側面に縄掛け突起を2つずつもつ香川県では珍しい形式。
形態から4世紀後半〜5世紀初頭の古墳時代中期につくられたものと考えられています。


古墳に埋葬される人がはいる棺は、古墳時代の最初は木の棺でしたが、
古墳時代の前期中頃になると石をくり抜いた刳抜式石棺がつくられるようになります。


石棺が出土した土地周辺は地形が前方後円墳形をしています。
ここには、全長90m台の香川県内でもかなり大きな古墳となる可能性が期待されています。
墳丘からは石棺と同時期の年代と思われる円筒埴輪が採取され、
四国最大規模の富田茶臼山古墳が出現する直前の大規模な首長墓となる可能性があります。


この場所に大規模な首長墓が築造された背景には
津田古墳群と同様に海との関わりが推測されます。
海から見て古墳の立地する丘陵はよく目立っており、
古墳の立地している標高も26mと津田古墳群の立地にほぼ共通しています。
海との関わりの中で岡前神社古墳は当地に築造されたと考えられます。
(東かがわ市教育委員会資料より)

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東かがわ市 石棺 現地説明会
主催:東かがわ市教育委員会
日程:2016年9月25日
時間:10:00〜
集合場所:向良神社(東かがわ市湊) [Google Maps]
駐車場:湊川橋北側の河川敷に車を止めることができます。

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石棺の形式変化探る重要な資料 – NHK香川県のニュース

ことし3月に、東かがわ市で見つかった石の棺、石棺は発掘調査の結果、古墳時代中期の5世紀になって近畿などで広まった石棺の特徴を持つ最も早い時期のものとみられ、古墳時代前期からの石棺の形式の変化を探るうえで重要な資料であることがわかりました。
この石棺は、ことし3月、東かがわ市湊の丘陵で一部が露出している状態で見つかったもので、東かがわ市教育委員会が発掘調査を行いました。
その結果、埋まっていたのは、長さ183センチ幅90センチの石棺の蓋で、隣りのさぬき市にある火山の石で造ったものとわかりました。
また、両側の端を斜めに切り落として斜面をもたせるなど、火山石の石棺にみられる特徴が確認されました。
一方、側面に縄を掛けるための突起を2つずつ設けていることや石棺の長さと幅の割合がおよそ2対1で幅の割に長さが短いことなど、5世紀になって近畿を中心に広まった長持ちのような形をした石棺長持形石棺に共通する特徴も持っていました。
古墳時代の石棺は、4世紀中頃に今の香川県で初めて造られ、その後、各地に広まったとされています。
今回発見された石棺は、5世紀前後のもので長持形石棺の特徴を持った最も早い時期のものとみられています。
調査を担当した大川広域行政組合埋蔵文化財係の松田朝由さんは、「長持形石棺が出現する背景には香川の石棺文化が大きく影響しているということが指摘されていたが、今回発見された石棺は、それを裏付ける重要な資料ではないかと思う」と話しています。
また、周辺で埴輪が見つかっていることや測量調査の結果などから、この石棺が埋まっていたのは全長が90メートルクラスの前方後円墳とみられ、東かがわ市教育委員会では、確認のための発掘調査も行う予定です。
東かがわ市教育委員会は、この発掘調査の成果を一般に紹介する現地説明会を今月25日に開きます。
時間は午前10時からです。
集合場所は東かがわ市湊の向良神社で、湊川橋北側の河川敷に車を止めることができます。