高知県四万十川では、古くから伝わる伝統漁法『火振り漁』がみられます。松明やライトの光、竿で水面を叩く音によって鮎を驚かせて水中に貼った網の中に追い込み獲る漁法です。夏から秋にかけて新月の暗い夜に鮎が眠りについた頃に行われます。資源保護のため、漁業許可証が交付され、網を仕掛ける場所などはくじ引きで決められるのだそうです。満点の星空のもと、水面をゆらゆら流れる光が幻想的な光景です。

夏の四万十川は春に海から遡上した稚アユが成長した時期に、伝統漁法の「火振り漁」で捕らえます。火振り漁とは、竿で水面を叩く音によって鮎を驚かせ、火光(松明)の火を振りながら水中に張った網に追い込んで獲る漁法で、夏から初秋にかけての新月の夜に鮎が眠りについた頃を見計らって行います。資源保護のため、川漁師でも漁業許可証を交付されている。1舟につき乗船員は2名以内、火光は2個以内、網を張るのは日没後といった決まりごとがあります。漁師さんの話では解禁日から1週間と9月15日~10月15日の禁漁前の1ヵ月が勝負だそうです。闇夜の川面に浮かび、ゆらゆら揺れる光景は四万十川の夏の風物詩です。(四万十市観光協会