瀬戸内海・塩飽諸島の小手島(おてしま)に
蛸壺研究でお馴染みの考古学者の乗松さんやせとうち暮らしやこえび隊のメンバーと行ってきました。
周囲3.8km、23世帯 50人(2008年) 程度の小さな島ですが、
イカナゴ・タコ・シラス・ワタリガニなどと一年を通じて漁が盛んで
若い漁業者もいるこの島で、2014年に小学校が再開しました。

I went to Oteshima island with my friends from Marugame port, Kagawa pref., Japan. Because fishing ground is located near the island, people live on fishing sand eels, octopuses and blue crabs. Young fish successor live in the island. Thus the primary school of the island opened for their child 2014 again.

洗濯された上履きが干されている道を抜けて島を散策し、
猫の写真をとっていたら島のお母さんが「家にあがって、休んでいって」と声をかけてくれました。

家の中では島のお父さんと若い女の子がカラオケを楽しんでいました。
聞くと、学校再開した小学生のお姉さん。この娘が島の中学を卒業して島を離れ、
丸亀の高校に通っていて、週末にこうして好きな島に帰ってきて両親とご飯を食べて
近所の知人の家でカラオケを楽しんでいるのだとか。
高松にいると男木島の学校再開ニュースはよく目にしますが、
こうした都市部から離れている島のニュースは見落としがちです。
やはり実際に島を歩かないとわからない物語がたくさんありますね。とてもいい島でした。
今度は泊まりで行ってみたい!

参考:四国新聞

以下、島レポートです。


11:10丸亀港発 → 11:55小手島到着。
小手島(おてしま)は、塩飽諸島の有人島の中ではもっとも小さい島です。


丸亀港からフェリーで45分、塩飽諸島・小手島へ。


行きの船はこちら。ニュービサン


小手島は、タコ漁、イカナゴ漁、カニ漁などが盛んな島です。
今は、5月に解禁になった瀬戸内のたこつぼ漁が最盛期で
あちこちにたこつぼが置いてあります。


あちこちで猫にみられています。


港に置かれた椅子は、猫にとっては日除け


猫ものんびりと穏やかな島


たこつぼと猫。


島のあちこちには不思議なアート作品。
小学校の子どもたちも制作に関わっているのでしょうか。


家の前にもたくさんのオブジェが置いてありました。


こちらは漁につかう網のオモリ。


小さいイイダコを採るのに使っているアカニシ貝の貝殻。
高見島でも同じものを見かけましたが、
この島ではモルタルを塗って重くして使っているようです。


殻に穴をあけて紐を通してあります。


たくさんの蛸壺をみつけてテンションのあがる蛸壺研究家、考古学者の乗松さん。


崩れた壁もアートにみえます。


えびすさん。瀬戸内海ではえびすさんは豊漁の神様。
港によく祀ってあります。


戎(えびす)


昔の港の跡。船のドック。


鉄の錆具合から結構、時間が経っているのがうかがえます。



ここでたくさんの船を修理してきたのでしょうか、
倉庫の骨組みやレールだけが残されています。


部品


砂浜


いくつかの廃屋もありますが、
港には漁船も多く、島にはまだそれなりに人も住んでおります。
備讃瀬戸の漁場から近いため、
2月はイカナゴ漁、5月はタコ漁、6月はシラス漁、8月はワタリガニ漁と、
一年を通してさまざまな漁が盛んで、若い漁業後継者もいるそうです。
普段は丸亀に暮らしながら、日中は小手島で漁をして、夕方頃また帰っていく漁師さんもいるそうです。
通りからは家のテレビの音が聞こえていました。


昔の商店でしょうか。古い港跡からも近いので以前は
このあたりが島の中心部だったのかもしれません。
当時の賑わっている様子が目に浮かびます。


商店の前の井戸。


中身の入った三ツ矢サイダー


櫻井薬局。薬も売っていたようです。


数ある蛸壺の別利用の方法の中でスタンダードな鉢植えとしての利用。


竹に覆われた民家。直島諸島でもみかけましたが、
数十年ほど人が住まなくなるとここまで植物に侵食されるようです。


家の脇にある水瓶


無人島だった小手島は明治初期から開発の手が入り、
斜面を耕して段々畑にしていたそうですが、今は草木で覆われています。


しめ縄


神社からの眺め


神社にある赤い小屋


中はお稲荷さん


神社の裏側には社


石の灯籠


階段。
瀬戸内の島はどこも平たい土地が少ないので
「斜面をどう使うか」というのが建築様式に反映されており
こうした急な階段をよく見かけることができます。


小学校に通じる道に描かれた壁画。


源平桃。赤と白が混じった花が咲く様子が
源平合戦ににていることからこの名前がついたのだとか。


柿畑


カモミール。疲れのとれるいい香り。


2014年に再開した小・中学校。
映画「なつかしき笛や太鼓」(昭和42年、木下恵介監督)の舞台。
小手島の学校の先生の実話に基づいてつくられた映画です。


二宮金次郎像と乗松博士。
島の高いところに学校があるので島の子どもたちはみんな足腰が強いのだそう。


校舎内の写真がちょっと面白かったので一枚。


焼却炉の顔


眉毛がいいかんじです。
これ作った人はきっと顔を意識してつくってそうです。


周辺の島々の景色もとても綺麗です。


山道を進んで昔の道を探し歩いています。


こちらはブランコ。


人気のない山道を進んで海岸にでると、焚き火の煙。
人の気配


牛ヶ首。地名の通り、地図で見ると牛の首の形をしています。


青く塗装された家。


謎の看板、とって・かむ。
結局なんのことなのかはわからなかったです。地名かな。


これも何かはわからなかった地面にささった御札。
周辺の島で虫送りのときに使われる札に似ています。



学校から下って港まで戻ってきました。


猫たちが集まっています。


顔アート


港にある島の地図。
レイアウトが斬新。抽象的なデザインがかっこいいです。


配色も綺麗。


地名も面白い。


猫が集まっているお家の前で撮影していると、


「よかったらあがって、お茶を飲んでいって」と声をかけてくださりお世話になりました。
島の皆様、おじゃましました。ありがとうございます!


イイダコ漁につかう蛸壺


この島では蛸壺の周りにモルタルを塗るのが一般的のようです。


オモリでしょうか。


蛸壺に名前。


丸亀から水を引いている送水管が地下を流れています。


重要なケーブルなどが埋設されているマーク。
島ではよく見かけます。


帰りは大きなフェリーで丸亀に帰ります。
16:26小手島発 (100分乗船!) → 18:10丸亀港着


途中、船がとまった手島。


神社


カッパと鳥居


2018年10月30日撮影

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小手島小に新入生/住民ら再開・入学式祝う | 四国新聞

3年間休校していた香川県丸亀市広島町の小手島小学校(西川徹校長)で7日、6年ぶりの入学式が行われた。入学したのは島の漁業今中延好さん(56)の次女章乃さん(6)。唯一の在校生となる章乃さんは、島民らの祝福を受けながら「いっぱい勉強してたくさん本を読んでいろんなことを知りたい」と笑顔で学校生活のスタートを切った。

 この日、同校では再開式もあり、梶市長や中野レイ子教育長をはじめ、来賓や島民ら計25人が出席。島の岡田薫夫自治会長は「章乃さんが入学して島に小さな明かりをつけてくれた。この明かりを大切に見守って大きく育てていきたい」と祝辞。西川校長は「心配や不安があるかもしれないが、先生たちや地域の人たちが一生懸命見守っているから大丈夫。毎日元気に学校に来て、いろんなことにチャレンジしてください」と激励した。

 学校では西川校長や担任ら3人の先生が章乃さんをサポート。毎週木曜日は同市中府町の城乾小学校に出掛けて交流学習を行うという。章乃さんは「一人でも大丈夫。城乾小ではたくさん友達をつくりたい」と笑顔を輝かせていた。

 同校は1914年に手島尋常小学校分教場として設立。ピーク時の64年には島に91人の児童生徒がいたが、転出や過疎化により年々減少。小学校は2011年度から3年間休校。中学校は13年度から休校となっている。同市によると4月1日現在、小手島の住民は16世帯、36人。島で暮らす子どもは章乃さんただ一人という。