雑木林の連層長屋 宮脇町 ぐりんど GREENDO

Posted on 3月 8, 2015 in 建築 タグ: ,

香川県宮脇町の斜面地にオープンした集合住宅「ぐりんど(GREENDO)」の内覧会に行ってきました。新築でこういう特殊な物件はあまり見かけないのでとても興味深くみさせていただきました。普通のnLDKの箱以外の住まい方の選択肢が地方でも増えていく気がします。


グッドデザイン・ベスト100:
集合住宅 [雑木林の連層長屋 宮脇町ぐりんど] | Good Design Award 2016




















GREENDO

場所:香川県高松市宮脇町2丁目10 [Google Maps]

集合住宅(賃貸)
鉄筋コンクリート造 平屋建
1DK(4戸)2LDK(2戸)3LDK(1戸) 全7戸
建築面積/351.95㎡
延床面積/335.90㎡
設計監理:長田慶太建築要素
施工:植原建設
構造設計:オオタニ建築設計
設備工事:後藤設備工業、エーテック
土木工事:村尾建設
型枠工事:高木組
金属.鋼製建具.ガラス工事:岩本ガラス
左官工事:奈良工業
木製建具工事:サンクラフト
家具工事:中村谷
塗装工事:北口塗装
植栽工事:山地緑化センター
太陽光パネル・ガス工事:四国ガス
ロゴデザイン:住野真紀子デザイン室
不動産管理 : グローバルセンター


集合住宅 [雑木林の連層長屋 宮脇町ぐりんど] | Good Design Award

背景
不安定な造成を繰り返し、危うく成り立ち続ける住宅地。本来は山の一端であったが、そこにあった警察の宿舎が解体された後、10年以上放置された傾斜敷地。ここに計画された長屋形式の集合住宅。建築と大地を大胆に関係させる事で、ここにある場所の歴史を重ねあわせ、街と人、そして、山を呼び込んでくる。

デザインコンセプト
自然の力を譲り受けながら、街と対峙し茎を絡ませ関係ながら互いの更新と共に未来までも積層していく。
企画・開発の意義
森の中で出会う雑木林の足元に広がる心地いい空間性…そこにある木々や水、生物などの重層的関係は、様々な深度で交錯し、共存という言葉を超えて結びつき、それぞれが枝葉の上、落葉の下、様々なスケールで移動しながら、居場所を探っている。表層に纏うだけでは実現されないこの深度ある関係性とも繋がってはじめて、場所性は重なりあい、敷地や空間は境界から領域へと伸びやかさを獲得していく。

創意工夫
本来、地と分断され肥料や水を与え続けることで維持管理を行う屋上緑化。ここでは山土のみで構成。土を介した大地との連続が、生態系を繋ぎ、スラブ上部においても…岩盤に堆積した土壌に植生しているよう…生物が大地の深層から訪れるよう…落葉等の分解も自身の領域内で行いつつ、地中に水路(みずみち)を作りながら行き交う。大地という更なる自然の領域にも埋もれ、流れ下りてくる自然の一端を体全体で受け止め…留まった処々は更新と堆積、成長と分散を繰り返していく。この大規模にもみえる緑地は、山や地の「端」としてここにあるのだ。 また、大胆な土との接点となる壁は、排水層→マット状保護層→防水防湿層→コンクリート(厚300) →調湿・地熱空気層→仕上とし、湿度の浸透を居室に伝えてしまうことが無いように配慮しつつ、熱容量の大きなコンクリートに地熱を蓄え、空気層で居室を包み込めるように計画している。

デザイナーの想い
自然と人、建築と街も、都合として切取り、選び、幇助をうけるという事だけではなく、大胆かつしなやかに交わりながら…触れ、受入れ、与えられ、還元する、という一連の手続きを…一つでも欠くことで、尊厳と距離感は失われていく。建築行為も自然循環の中で成り立つと考えると、その端部に埋没できる方法論も必要となる。その時、生物や植物の緩やかな領域性の中で設けるべき空間は、それらの中間域である「大地の端」となる。

審査委員の評価
通常であれば、山を切り、その前に同じ5階建集合住宅を作る。それにより、斜面に影を作り、山を殺してしまうだろう。しかし、この建築を斜面に沿って各階ずらし、そのままその斜面に埋め込むことにより山と一体になった。各層の間に土の入り込む場所を設け、そこを通して動植物の循環系切らずに人間と共生する山を作り出し、本来の循環系を取り戻しているチャレンジが素晴らしい。また、斜面に沿った住戸群は実はお互いの室内からは前後の存在も気にならないまるで戸建てのような環境を得られている点も良い。


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