パブリック・ブルー (アンケ・ヘルマン)  場所:大阪 制作:2006
Public Blue (Anke Hermann) public space and homelessness

大阪のホームレス、公共空間の再分配。
ドイツのアンケ・ヘルマンさんが制作した、関西路上生活者のドキュメンタリー。
この映画では、彼らのことをテントなどのホーム(家)といえる場所があるので、
「ホームレス」ではなく「野宿者」や「路上生活者」と称している。
予定されていた公園2ヶ所の行政代執行に対して、政治的な手段で異議を申し立てようと
ホームレス事情に関するオンライン・コミュニティや、署名・ウィキ、
政治的な光を当てる術を身につけたところが面白い。

私たちは「関西公園」という野宿者の抵抗・コミュニティ ーについてのドキュメ ンタリーを制作した。
弾圧、テントの強制撤 去といった大阪の状況 に反対し、今年(2006年1月30日)の 靭公園と大阪城公園の行政代執行を中心に、野宿・支援者たちに自分たちの想い や自己認識・情勢理解を語ってもらっ た。
また、公園住人である野宿者や寄せ場「釜ヶ崎」で暮らす日雇い労働者、そこで表現する活動 者の声を拾いながら、テ ント小屋や寄せ場を撮影した。カメラはいくつもの映像と位相を織り交ぜな がら、「物語」を進行 している。「関西公園~Public Blue~」は、近代資本主義という状況下でもっとも過酷に搾取される人たちからの声を聞き取ることで、都市に住む野宿生活者の「経験」がスクリー ンを見るひとたちの間 で共有され、私たちの前に明確な形を帯びてくる。公園の排除が迫るにつれて公共空間そのものが喪失し、野宿・支援者の想いは記録 され、言語化される。
大阪の公園で住む野宿生活者自身が「公園」を再定義し、「関西公園」と呼びうるコミュニティーの再生が映し出される。

Everywhere in the parks and on the river bank of the Osaka river one sees blue tents or barracks covered with blue plastic tarps – at times scattered throughout the park area, sometimes lined up in rows, or united to form small communities. The term ‘homelessness’ only insufficiently describes the situation of these No-jyuku sha the ‘campers in the rough’. Slums, favellas, barrack villages all these expressions capture the reality of the Japanese’s cities’ ‘blue phenomenon’ more precisely.

参考:
大阪のホームレス:公共空間の再分配 (Pigmag)
Asayake 関西公園~Public Blue~