高齢化率28.6%で全国水準の15年先を行くという広島県尾道市。
そんな高齢化率が高い地域だからこそ、
地域医療のモデルとなりうる「尾道方式」という手法が生まれ注目されています。
まさに課題先進地域です。

病院・開業医・在宅医療が密に連携することで、
患者が、通院から入院、さらには在宅介護が必要になった場合にでも
医療に関わる全スタッフが情報共有することで、
切れ目のない医療を実現しているのだそうです。


写真:尾道市医師会ウェブサイトより

【ブラックジャックを探せ】患者情報の共有で手厚い医療!“尾道方式”生みの親 – 政治・社会 – ZAKZAK

瀬戸内海に面した「しまなみ海道」の起点として知られる広島県尾道市は、医療界では別の面で高い知名度を持つ。

 病院、開業医、在宅医療が濃密に連携することで、患者が主治医を持たない瞬間のない、「切れ目のない医療」を実践する町としての知名度だ。

 「尾道方式」と呼ばれるこのシステムを考案し、定着させたのが、新幹線・新尾道駅近くにある片山医院の院長・片山壽医師。在宅緩和ケアの第一人者としても知られる片山医師が、この方式を導入したのは、同市医師会の会長時代のこと。

 「医師ではなく、患者の視点で考えていった結果、出来上がったのがこのシステム」と片山医師が言う「尾道方式」とは次のようなもの。

 それまで診療所に通院していた患者が、手術など入院を伴う医療が必要になった時、その後診療所での外来通院が可能になった時、さらには通院不可能になり在宅での医療を希望した時-などに、「それまで」と「その後」の医療に関わる全スタッフが一堂に会してカンファレンスを行い、患者に関する情報を完全に共有化し、極めて高度で濃密な医療を自然な形で継続していく仕組みだ。

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尾道方式
医療と介護、民生委員まで加わり患者を支える「尾道方式」 – がんサポート情報センター

広島県の東南部、瀬戸内海をのぞむ人口約15万人の尾道市。
高齢化率28.6%で全国の15年先を行くといわれる尾道市だが、地域が一丸となって高齢者などを在宅で支える方法が、いま全国から注目を集めている。

「尾道方式」の核はケアカンファレンス

地域ケアの手本とされる「尾道方式」の核となるのが、ケアカンファレンス(ケア会議)だ。
尾道市医師会の会長として「尾道方式」をリードしてきた、片山医院院長の片山壽さんはこう語る。
「ケアカンファレンスは、ケアにかかわる全員が患者さんの情報を確認しながらおこなう作戦会議。これをやれば共通認識をもとにチームの動きが効率化でき、患者さんとの信頼関係も構築しやすいんです」
午後1時からの会議に合わせ、続々と片山医院のロビーに集まってくる。医師と看護師が3名ずつに、ケアマネジャー(ケアマネ)、薬剤師、ヘルパー、医療器械販売業者に加え、患者さんの娘さんも含めた総勢11名がテーブルを囲み、会議がはじまった。
患者さんの状況については、各人の手元にペーパーで配布。腎臓がんが肺など全身へ転移した80代の小野美代子さん(仮名)について、ケアマネが説明していく。
小野さんは、1年ほど前にいったん在宅復帰のケアカンファレンスで総合病院を退院したが、先ごろ腸閉塞を起こして緊急入院。なんとか腸閉塞は改善したが、口から食べられないので点滴で栄養を補給し、一時は呼吸困難にも陥った。在宅主治医と相談した結果、最後は自宅で看取ろうと家族が連れ帰ると、驚くほど体調が回復してきたのだという。
「病棟に行って聴診器を胸に当てるとバリバリと音がしていたのにいまは聞こえなくなった」「呼吸困難がなくなっているので、食事も少しずつ食べられています」「緩和での痛みはありません。腸閉塞の再発予防が必要です」
容態がいいためか、メンバーの口調も軽い。開始から約15分。会議は滞りなく終了した。
片山さんはこう話す。
「1年前の退院前ケアカンファレンス後にも、帰ったらすぐに亡くなると思われていたのに、自宅に戻ると元気になられました。急にいなくなったと大騒ぎして探したら『美容院に行ってきたの』って。今日はなごやかなカンファレンスでしたが、15分で終わらせるためには事前にデータを資料にしておくなどの準備が必要なんです」


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