ダンスカンパニー・ニブロールの主宰、
振付家・演出家・劇作家の矢内原美邦さんのインタビューが、
STUDIOVOICE掲載されていたのでメモしておきます。

Nibroll新作ダンス公演「sea/saw」をめぐって | STUDIOVOICE

矢内原美邦×スズキタカユキ
インタヴュー・文=小林英治 写真=湯浅亨

――作品の中で、ダンス、衣装、美術、映像、音楽といった要素はそれぞれどういう位置づけにありますか。

矢内原 私はいつも全部対等にしたいと思って接しています。演劇やダンスというのは1人でつくっている感覚ではないので、制作の方々も合わせて皆の協力があって1つのものをつくる。ちょっと小説とかとは違うんですよ。それは面倒なこともあるんですけど、初演を向かえるとそのエネルギーが集約されて、他のものとは比べ物にならないくらいの感動が、やってる自分たちが得られます。1つの舞台に向けて皆でつくるというのはやってる本人たちがたぶん一番楽しくて、それでいい舞台ができれば見てくれるお客さんも感動させることができるんだと思います。

スズキ やっぱりジャンルの違う方々と一緒にやるのは、いい意味での探り合いというか、面白いですよね。「これでいいですか?」じゃなくて「これどうでしょう?」っていろんな方に見てもらって、また世界が広がっていくのは、自分の力プラスαが出てくるので、日々の創作活動とはまたちょっと違う面白さがあります。それと、単純に頑張れますよね。あの人が頑張ってるから、オレもちょっと頑張らないとヤバいなっていう刺激があります(笑)。

矢内原 スズキさんから上がってきた衣装を見てダンス自体も変化していくこともあります。今回は椅子から転げ落ちるシーンがたくさんあるんですけど、その場合どういうふうに転んでいけばいいかとか、かなり服の力は大きいので、ボロボロになっていく感じをどういうふうにダンサーに出そうかとか。

スズキ ダンスって瞬発力じゃないですか。逆に洋服というのは、生地を選んでパターンを引いて、縫って合わせてって、1日とかでは絶対できないので、そこがいつも嫉妬するところでもあるんです。だから稽古を見ながらも、今はこうだけどここへ持ってこうとしてるなというのを考えながらやらないと、作っている間に違う方向へ行っちゃったら取り返しがつかない。踊りが変わってるのに服はそのままでとはいかないですからね。常に感覚を張ってその距離感を探りながら、作品が変わっていくことに対して服がどうアプローチしていくかを考えるのはとても面白いです。

続きはこちら。

Nibroll “see / saw”
日程:~ 8月12日(日)

会場:ヨコハマ創造都市センター(YCC)

振付:矢内原美邦
映像:高橋啓祐
音楽:スカンク
美術:カミイケタクヤ
衣裳:スズキタカユキ
出演: 小山衣美、絹川明奈、福島彩子、山下彩子 、エキストラダンサー

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