小豆島「中山の舞台」改修工事終わる 落成式で三番叟を披露|NHK

2024年4月15日

小豆島農村歌舞伎とともに国の重要民俗文化財に指定されている香川県小豆島町の「中山の舞台」の改修工事が終わり、14日、落成式が行われました。落成式には、文化庁や地元の関係者らが出席して、神事が行われたあと舞台の完成を祝う三番叟が披露されました。続いて、中山歌舞伎保存会の久保政会長が、「小豆島農村歌舞伎とこの中山の舞台は、ことし3月に国の重要民俗文化財に指定されました。皆様の協力を得て、これからも農村歌舞伎をずっと続けていきます」とあいさつしました。このあと中山の舞台が披露され、出席した人たちは新しくなった舞台やコンクリートで補強された舞台の下の「奈落」を見学して回りました。「中山の舞台」は春日神社の境内にあり、農村歌舞伎の舞台として江戸時代の後期に建てられたとされています。毎年10月に地域の人たちによって農村歌舞伎が上演されていますが、老朽化で倒壊するおそれがあるため、おととし11月から、大規模な改修工事が行われてきました。小豆島町内の女性は「かやぶきの屋根がすごくきれいで、小豆島の青い空と舞台が映えていいと思う」と話していました。地元の中山自治会の井口平治会長は「島の貴重な伝統文化を、地区の人々がしっかり受け継いで次の世代に伝えていくよう頑張ります」と話していました。

小豆島の真ん中、このブログでもたびたび紹介している中山地区の農村歌舞伎舞台の茅葺屋根が、いよいよ20年ぶりに葺き替えられるそうです。葺き替えられる前の屋根の様子を写真におさめてきました。葺き替えの様子はこちら。

屋根の苔がこの小屋が過ごしてきた年月の長さを想像させます。この建物が建てられたのは、江戸時代 天保年間(1830年~1844年)以前、高松の琴平(ことひら)の旧金丸座を参考にして建築されたと言われています。

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茅を受ける竹がむき出しになってしまっています。
建築様式は、茅葺き寄棟造りで舞台の間口6.5間、奥行4.5間。
回り舞台やスッポンの機構があります。
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ところどころ雨漏りしていて、春日神社入口側の屋根は、
数年前から応急処置でトタン屋根が貼り付けられています。
幕末の最盛期には、小豆島の中に32~33ヶ所の舞台があったそうですが、
いまは中山地区と肥土山(ひとやま)地区の2ヶ所だけにしか残っていません。

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農村歌舞伎舞台のある中山の千枚田。日本の棚田百選。

農村歌舞伎舞台保存会の矢田さん曰く、男女問わず吹き替え時の手はいくらあっても足りないくらいなので、作業を手伝いに来てくれる方は大歓迎だそうです。茅葺屋根の葺き替え技術なんてめったに見られるものではないので、天気の良い日に小豆島まで足を運んで見るのはいかがでしょうか。

餅つきもある落成式は、4月初旬~中旬頃になりそうとのこと。

小豆島中山農村歌舞伎舞台 茅葺屋根 葺き替えの様子
2012年3月25日撮影

棟上げの様子などはこまめ食堂を運営している
DREAM ISLANDさんのブログで紹介されていますので、
そちらをご覧下さい。

小豆島に集まれ!たくさんの笑顔たち – livedoor Blog(ブログ)

新しい風景
あともう少し
葺き替え作業とお花見弁当
進捗状況
屋根の葺き替え、金曜日の様子
葺き替えが始まりました
葺き替え工事は15日から

農村歌舞伎舞台の全面葺き替え

20年ぶり屋根ふき替え : 香川 読売新聞

小豆島町中山に300年以上前から伝わる農村歌舞伎の舞台「中山の舞台」(重要有形民俗文化財)で、茅葺(かやぶ)き屋根の20年ぶりのふき替え作業が進められている。

 同舞台は、琴平町に1835年に建てられた現存最古の芝居小屋「金丸座」を参考に、ほぼ同じ頃に出来たとされる。雨漏りするなど老朽化したため、中山自治会が国や県などの補助を受けてふき替えを行うことになった。

 4面の屋根計約120平方メートルに使う茅は、地元住民が2年がかりで約3000束(長さ約150センチ、直径約25センチ)を用意。軒先に敷く麦わら約40束(長さ約130センチ、直径約80センチ)は、同自治会の九野賢輔会長(64)が畑で小麦を育て、確保したという。

 作業は、父が茅葺き職人で、2009年に土庄町の「肥土山の舞台」のふき替えも担当した同町の佐伯光男さん(79)が指揮。今月初めから住民ら約20人で竹約500本を使って足場を組み、古い茅の撤去作業を行ってきた。21日には、湿気が来ないように保管してきた地区の倉庫から茅を運び出した。屋根に敷き、竹で抑えて縄で固定する作業を手際よく進めた。

 内部の壁の補修もして今月末頃に完成させる。総事業費は936万円の予定。九野会長は「舞台は地域の宝。ふき替えの技術も大事に伝承していきたい」と話している。

(2012年3月22日 読売新聞)


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